嫌がられる席はありませんか?
嫌がられる席、しょうがない席は、店舗には必ず発生しやすいです。
その中でも、計画段階で配慮することで、どこも使いやすい席にすることができます。
嫌な席を座りたい席へデザインすることが、とても重要なことなのです。
言われると危険信号なお客様からの言葉
あっちの奥の席でも良いですか?
席案内をしても、店内が空いているときに言われることがありませんか?
これは案内しようとした席が嫌な席である可能性が高いです。
ブランケットありませんか?
窓周りに特に多く言われやすい言葉です。
窓周りはコールドドラフトという壁面からの冷気が流れやすいのです。
ちょっと席を変えてもらってもいいですか?
宴会客と1人客を一緒のゾーンに案内したときに言われやすいです。
また、子供連れのお客様にソファ席や座敷ではない席に、案内した時も多いです。
最後までご案内しない席はどこですか?
どんな店舗にもどこから案内して最後まで残る席はあります。
それはお店の考え方で、決まってきます。
例えば、
- クレームを言われやすい嫌な席だから、最後まで残る席
- 通路に囲まれている落ち着かなそうな席
- オペレーションの邪魔になるので、カウンター席は最後まで案内しない席
その他にも何かしらの理由で、最後まで残る席があります。その席がネガティブな理由であれば、その席を良くする必要が出てきます。
店舗物件内に立地の良し悪しがある?!店舗と厨房の出入口が嫌な席になりやすい。
店舗物件の中での良い立地と悪い立地というものがあります。
例えば、絶景が見える窓際の席は、立地が良いとは言えますが、繁華街の人通りが多い窓際の席は、立地が悪いと言えます。
基本的には、入口から離れた奥の席は立地が良いです。
厨房の出入口は、店舗スタッフの動きが多い場所なので立地は悪いです。
このように店舗物件の全体的に当てはまることもあれば、周辺環境によって物件ごとに異なる場合もあります。
まずは物件内見の際にチェックしておくことが重要です。
よくある誰も座りたがらない席の代表例
- 人通りが多くて席をひかないと通れない
- 外から見られている席
- 足元が寒そうな席
- 椅子の座面が硬そうな席
- 隣の人がうるさそうな席
- 子供が座れなさそうな席
- ディシャップの隣の席
- トイレの前の席
- お客様やスタッフがよく通る席
- ホールスタッフに常に見られている席
席数をとっても、使えない席なら意味がない。むしろマイナス要素に!
席数優先が、マイナスを招くことも?!
よりたくさんの席を取りたいのは、売上を上げるために、どの飲食店オーナーも求めることです。
しかし、強引に嫌な席を作ることで、
- リピーターを失います。
- 悪い口コミを書かれ、集客力が落ちる。
- ディシャップの場所がなく、サービスが悪くなる。
こう言ったマイナス要素を作るよりも、席を諦めた方が良い場合があるのです。
外から見える席に嫌な席があると、、、
入口付近にお客様が居ないと入りづらいということは、皆さんも感じたことがあるはずです。 逆に店先に大勢の人々が賑わいを作っていたら、入りやすくなるはずです。
「人が人を呼ぶデザイン」と私たちは呼んでおります。
この考え方は、人で賑わっているお店は人気店と思いやすいことや、行列が出来ていると並びたくなるという、心理的なデザインなのです。
従業員にとっても非効率に
席数にばかり目がいくことで、ディシャップの場所がなくなってしまう店舗をよく見かけます。
せっかくのオープンキッチンが、ひと席使って、ディシャップカウンターになっていたすることもあります。
このような席は、お店が混めば混むほど、提供が多くなるので、ディシャップカウンターをより使わないと、サービスが出来なくなってきます。
それであれば、最初からお客様に見えないように、スタッフが使いやすいようなディシャップカウンターを作った方が良いはずなのです。
放っておくと、お店の口コミがネガティブに
足元の寒さは女性客を遠ざける
足元が寒い席を放置しておきますと、女性客を中心に客離れがおきます。
お客様に言われましたり、口コミに書き込まれましたら、即座に対応すべきなのです。
良い席があっても、、、
口コミに良い口コミと悪い口コミが混在してます場合、どうしてもネガティブな印象が残ってしまいます。
それは、せっかく食事をするのであれば、誰でも失敗しないお店を選びたいからです。
不安要素があれば、その店舗が敬遠されてしまうのは、当然なのかもしれません。
嫌な席を回避するプランニングとは
入口付近の嫌な席にデザインを入れ、座りたくなる特別な席へ
外から見える席に、デザイン性の高い席を配置することは、プラス要素が多いです。
そこへ座りたいと思えると、外を歩いている人々が、入りたくなるからです。
さらに、店内の出入りが多く、寒い嫌がられる席が無くなるからです。
どうすれば足元の冷気を減らせるか?
出入口付近にワンクッション壁を立てる
出入口入った正面に壁を作りますと、一度そこで外からの風がぶつかりますので、直接、席へ冷気が行きづらくなります。
外壁の足元までガラスにしない
建築的に熱伝導率というものがあります。熱を伝えやすさを表す数値です。
鉄やステンレスといった金属は、熱伝導率が高いです。木材や断熱材は、熱伝導率が低いのです。
外壁面を見てみますと、壁とガラスと扉が大きく分けますとあります。
その中で考えますと、ガラスが一番熱伝導率が高いのです。
ガラス張りは、店内が見えて、開放的な印象を与える反面、外部の寒さや暑さを感じやすいのです。
ガラス面に対して厨房を配置する
寒いガラス面に対して、厨房を配置することによって寒さ対策になります。
基本的に厨房内は熱くなりやすいです。また、オープンキッチンにすることで、外部へのアピールにも繋がります。
冷気が行きそうな席の床を上げる
暑い空気は上に、寒い空気は下にいくのは、皆さんもご存知かと思います。
ですので、床を上げることで、足元の寒さを改善する効果があります。
また、床下に断熱材が入っていないことがほとんどです。
床を木材で上げることは、床下からの冷気も抑えることに繋がります。
席を少し減らして、アプローチを
アプローチを作ることで、風も行きづらくなります。
また、お店の雰囲気を伝える場所にも使えますので、ブランディングを強化されたい方は、合わせて作るべきです。
ハイカウンターも寒さ対策に
ハイカウンターは、足元がそもそも上がっていますので、普通のテーブル席よりは、寒さを感じにくいです。
ですので、狭いお店で、入口付近にどうしても席を取りたい場合は、ハイカウンターを採用するのも一つの対策と言えます。
入口にボックス席や座敷を
店舗に入ってすぐの所に、ボックス席や座敷を置きますと、店内へ風が入りづらくなります。
さらにボックス席で、座った視線まで背もたれを上げますと、個室感も生まれ、落ち着く席へとなりやすいです。
外から見られてる感をなくす
都心部の人通りが多い場所では、視線をカットする配慮が必要です。
例えば、
- ガラス面にシートを貼ります。
- 視線にルーバーや欄間などの造作物を作ります。
- 植物やディスプレイを置きます。
この時に、足元も隠す必要があります。 足元を見られると感じられるデザインですと、女性客から敬遠される店舗になってしまいます。
→足元を隠すデザインへ
厨房オペレーションでのよく歩く場所を理解する
平面プランが出来上がりましたら、ホールスタッフがどのような動きをするのか、書き込んで把握する必要があります。
そうすることで、よく通る導線が見えてきます。
落ち着かなそうな嫌な席を発見することも出来ますし、よく通る通路の幅を広げることも出来ます。
このように事前に対策をしていくことで、良いお店になっていきます。
入口付近の寒さに対応したプラン事例
焼鳥山もと
対策
- 長いアプローチで演出と兼用
- ハイカウンターだけど普通椅子のように座った感覚
グリとニル
- 入った時のインパクトある風除室
- ハイカウンターだけど普通椅子のように座った感覚
リリーアン
- 出入口正面に壁
- 床を上げてテラス席の雰囲気に
鉄板焼一如
- 雰囲気を作る長いアプローチ
- 視線を高さで変える段差
ファイヤーチキン
- 出入口のボックス席
代一元
- 足元を隠し店内の雰囲気を伝えるグラデーションシート
- 視線をカットする欄間
ニクータ
- 足元を隠すメニュー看板
今からでも出来る!自分たちでやれる改善策
入口付近にフカフカのソファを
少しスペースを取りまして、ふかふかのソファを置くことで、特別感を与えます。
合わせてスタンドライトやディスプレイを置くことで、一つの世界観を作り込むと座りたくなる席へと変わります。
ヒーターとブランケットを用意
女性やお子様のお客様が来店された場合、言われる前にヒーターやブランケットを渡す配慮がリピーターへと繋がります。
事前の準備と対策が、お客様の満足度へ繋がっていきます。