店内に入りやすくするために、一番重要なポイントは、入りたくなる外観デザインです。なぜなら、通行人が一番の見込み客だからです。
店内に入りやすくするための飲食店の外観デザインを考えるうえで大切なポイントは
①記憶に残る外観
②わかりやすい外観
③中が気になる外観
です。これを実現する方法として3つあります。
①「発見→食べ物(飲み物)→金額→雰囲気→スマホ調べ」この順でしっかり外観を作り込むこと
②店内が全て見えていない外観デザイン(チラ見)
③周辺の飲食店とは異なっている
上記のポイント、デザインパターンを活用することで、筆者が実際に作った店舗では、売上が伸びています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。
スマホでお店を探す時代。外観デザインの集客効果は本当にあるのか?
飲食店を探す時、どのように探しているのでしょうか?ほとんどの方がスマホで探しているのではないでしょうか?10年前は飲食店へは店構えを見て、ふらっと店舗へ入っていたはずです。
ここ最近では、Google検索で食べログやぐるなび、一休、ホットペッパーなどで探すことが多くなりました。 さらにはGoogle mapでの検索も便利になり、より簡単に場所を発見し、行くことができるようになりした。
しかしネット検索で、ほとんどのユーザーがお店選びをしていたとしても、本当に外観のデザインが重要ではないのでしょうか?
通勤や通学の毎日通るお店で、気になるお店は記憶に残っている!?
ネット検索をしていなくても、毎日の通勤通学で気になるお店はありませんか?
普段から目に入っている飲食店は、選ばれる可能性が高くなります。 気になる外観や、人が入っている雰囲気があると、入ってみたくなりやすいのです。
お店の雰囲気を伝える外観デザインは、目印になる
スマホでお店情報を探すとき、外観デザインが雰囲気や特徴がありますと記憶に残ります。それは実際に行った時のアイキャッチにもなります。お店の名前は意外に覚えていないものです。
「駅近くの交差点にある大きな時計が置いてあるイタリアンに行かない?」
といったように、外観の特徴で待ち合わせをする方が多いのです。
ウェブ情報があるからこそ!ドアしかない店舗でも、コンセプトは伝えている!?
ひと昔前、インターネットが普及していない時代では、隠れ家的なお店は、本当に知っている人しか行けない時代でした。ドアしかない、看板もない、雰囲気も出していない外観では、誰も入るわけがありませんでした。
しかし今の時代、店内の様子、メニュー内容、金額、場所などの店舗情報をスマホで見ることが出来るようになりました。 そうなるとそれ自体が魅力にさえなってきます。
隠れ家的なお店で、自分しか知らなそうという特別感を得ることが出来るからです。また、料理やサービスに自信があるのでは?と思わせたりもすることができます。お店のコンセプトが伝わっていくのです。
そのベースにありますのは、情報がスマホで手に入ることにより、不安は取り除かれ、安心感はつながっていることにあります。
外観に対する口コミを見てみよう!
口コミから一般のお客様は何を見ているのか、探ってみましょう。
駅から離れた場所ですが、川沿いの有名なイタリアンのすぐそばで、美味しいエリアになってきたところでしょうか。
外観から素敵です。内装も凝っています。大人のくつろぎダイニングといった佇まいです。(鉄板焼一如)
三鷹で打合せ後、同僚とランチタイム。実は三鷹駅から歩いて5分くらいのイタリアンに行こうと思って向かったら、ななんと定休日。。シャッターしまった、しまった(なんてシャレてる場合でもなく)と思っても後の祭り、、駅のほうへ戻るのも面倒だし、と思ってたところ目線の先にやけに混み合っている明るい感じのガラス貼りの小洒落たレストランを発見!(NICUTA)
JR桜木町駅から地下道を通って動物園通りをしばらく行くと「うなぎ」とかかれた白い提灯を見つけて覗いて見ると鰻屋というよりはお洒落な和風ダイニングという感じのお店です。ところにある鰻料理居酒屋に入ってみました。(うなえもん桜木町店)
前から気になっていたご近所さんにあるお店!個人的に、こじんまりした感じの店が大好きです。こちらのお店も、大き過ぎず、店内もいい感じのお店でした。(リリーアン)
外観デザインで何を伝えれば良いのか?
何の料理?どんなサービス?いくら?
外観デザインで必ず伝えるべきものは、なに屋さんか?です。
その為には、お客様がイメージする和食やイタリアンといった既成イメージから来るものをベースとした外観デザインにすることが、伝わりやすいです。 しかし、近隣の競合他店舗と同じような雰囲気でも負けてしまいます。そこにコンセプトから来る特徴を入れ込み、オリジナルのお店になっていきます。
次に外観の壁と中が見えるガラス面との開口率が、高級店かカジュアル店かをイメージさせます。
壁で中が殆ど見えないお店は、高級な店に多く見られる特徴です。逆に、開放的で中の様子が外からよく見えるお店は、カジュアル店と認識されやすいです。
このように外観デザインで、お店のメニューやコスト、サービス形態をイメージされ、判断されることは多々あります。
ワクワクドキドキするアプローチか?
飲食店で重要な要素として、ワクワクドキドキして心を動かされるかです。 そこに影響を与えている要素の一つとして、外観デザインがあります。
お店の雰囲気の良し悪しは、「席に着くまでのアプローチ」なのです。それは先に着くと、料理や会話へと人の興味が移っていくからです。
ですので、外観から席につくまでの雰囲気がそのお店の空間としての印象になりやすいです。
誰のためのお店か?シーンをイメージできるお店か?
外観デザインでの役割でありますのは、自分の好みのお店かもしれない。と思わせることです。
その為には、内装デザインと外観デザインが、同じ世界観をイメージさせる必要があります。 まだ、お店に入っていない人に、シーンをイメージさせるのは、外観デザインの役割なのです。
良さそうだなぁ~!と思ったときのお客様の思考回路は?
発見!
まずは、お店の存在に気づかなければ意味がありません。夜の店であれば、光がすべて!といってもいいくらい重要です。
昼はガラス面は中が見づらいので、外壁面とメニューなどのディスプレイが大切です。
両隣のお店をしっかり見た上で、コントラストをつけて、同化させないようにします。 必然的に目に止まるようになります。
メニューと金額
どのような料理を、いくらで食べられるか?
これが伝われば、問題ありません。メニューをたくさん書いても、2~3個だけ書いてもどちらでも構いません。
量より伝え方が大切なのです。
例えば、コスパの良い人気メニューを載せたり、本日入荷された新鮮な食材メニューでしたり、お店の看板メニューを出したりと、常にマンネリ化させずに打ち出すことが重要です。
そうすることで、2回目以降のリピートのお客でしたら、また変わった!と思いますし、初めてのお客様なら安心してお店に入ることができます。
どんな雰囲気か?
どんな雰囲気で食事ができるのか?
これを伝える必要もあります。インテリアデザインをファサードデザイン(外装)と共通イメージとなるようにつくります。 もしくは、店内の様子が分かるように開放的なデザインにしても構いません。 中の様子が分かることも来店への安心材料となります。
スマホで詳細を
気になるお店になれば、店頭でなくてもスマホで情報を探してから、来店するお客様といます。
その際に店名は分かりやすく表記する必要があります。駅名+店名、業態+店名など店名で検索することが多いです。
またホームページは、食べログやぐるなびなどの飲食ウェブメディアだけではなく、お店のホームページがあった方がより良いこともあります。
→飲食店にはホームページはいるのか?
興味が湧く外観デザインの特徴。どのような店舗に人は惹かれるのか?
賑わいがある店舗
飲食店舗は人が人を呼びます。美味しい美味しくない、雰囲気が良い悪いよりも大切な要素であります。
人が多く入っているお店は、
- 人気店なのかな?
- 美味しいんだろうな
- 楽しそうだな
と、ポジティブな印象を与えます。そして安心して、お店に入っていけます。
こういったことから、いかに常に素早くお客様が店内にいる状況を作ることが、勝負となります。
→人が人を呼ぶデザイン
街と対極した店構え
近隣にある飲食店舗とは、逆の雰囲気にすることで、認識してもらうデザインとすることもあります。
例えば、暗い道にパッとした行灯の光があれば、人は引き寄せられます。
開放的で店内が丸見えのお店立ち並ぶ街に、ほとんど閉じて一部見せるくらい店構えにしたりします。
街と対極的な外装にすることで、気になるお店へとしていきます。
中が気になるチラ見の外観デザイン
外から中が見えたり、見えなかったりすると人は気になります。
全く見えなければ諦めますが、見えそうで見えない状況を作ることで、人は一度は入ってみたくなります。
また中の雰囲気は伝えますが、中で食べている人は見えづらくすることで、中の人は落ち着いて食事ができることを伝えます。外で入ろうか迷っている人にとりましては、落ち着いて食べれるお店ということが伝わります。
このような状態の店舗デザインをチラ見のデザインと呼んでいます。
失敗しやすい!?意味のない外観デザイン
ここで少し外観デザインを決める上で、気をつける点を挙げておきます。意味なくコストをかけないためにも、失敗しないためにも読んでおいて欲しいです。
人の流れが逆。見えない看板。
看板には大きく分けて3つの種類があります。正面看板、袖看板、置き看板です。それぞれに役割がありますが、今回はそれらの看板が、機能しない状況を説明します。
- 夜の業態で駅から家へ帰る通りの場合、他店の袖看板に隠れてみえない袖看板。
- 大通りから脇道へ入った店舗の場合、大通りから見えない正面看板。
- 大きな交差点の場合、遠くから見えない袖看板や小さい文字で書かれた正面看板
- 照明が当たっていない気づかれない看板
- 雑居ビルのどこにあるのか分からない看板
- 店名しか書いていない何が食べられるのか分からない看板
などなど、このようなことにならないように、看板サインの役割を意識する必要があります。
→看板の役割へ
近隣に似たような飲食店はないか?
近隣に同じような業態で、同じような雰囲気のお店がないかは、良く調査する必要があります。
それは後発のお店の方が不利だからです。既にリピートを獲得しているお店と、これから新規出店するお店では、既に差があります。
メニュー、料金、空間、サービス内容など口コミや実際に行ってみて、調べる必要があります。
→競合店調査へ
なぜ、チラ見のデザインが集客力を生むのか?事例から学ぶ飲食店デザイン
雰囲気を伝えながら、店内で食事しているとは視線が合わない
うなえもん桜木町店
地窓のように下部に開口を開けた外観です。人通りが多い場所なので、通りを歩いている人々と食事をしているお客様の視線を切っています。しかし店内の雰囲気を伝えるために、開口を設けています。
道をありきながら店内の様子が見え隠れする
鉄板焼一如
7枚の壁の隙間から店内を見え隠れさせています。一番奥に配置されていますオープンキッチンで調理している料理人が見えます。天井には大きな和紙のペンダントライトがあり、外からは目を引く存在となります。
天井だけで雰囲気を伝える
ニクータ
角地の全面ガラス張りの物件ですので、どこからも見られてしまいます。座った人の視線までに腰壁の看板サインを設置して視線を切っています。夜になりますと、グリーンにライトアップされた天井へ視線を誘導しています。周辺には飲食店がありませんので、効果的なライティングとなります。
外観だけで雰囲気を伝える
リリーアン
店内が小さな窓と出入口の框戸のみとなっています。出入口の先に壁を設けて店内を見えなく設計されています。その代わりに、外部に時計やメニュー、植物などのディスプレイを多く配置しています。このことで、店舗イメージのナチュラルさや可愛らしさを表現しています。
内装から外装へつなげる
ジョルノッテ
店内の天井デザインをそのまま外へつなげたデザインです。外も中も一体的にデザインしながらもガラス窓で空間を仕切っています。店舗の前まで来ますと、すでに店内に入ったかのような感じとなるデザインです。
まとめ
このように外観デザインは複数の要素が組み合わさって、入りたくなるデザインへなっていきます。今回のポイントは
①「発見→食べ物(飲み物)→金額→雰囲気→スマホ調べ」この順でしっかり外観を作り込むこと
②店内が全て見えていない外観デザイン(チラ見)
③周辺の飲食店とは異なっている
上記の3つポイントを活用し、集客力をあげてみてはいかがでしょうか?