AIによる建築インテリアデザインのやり方ために、一番重要なポイントは、そのクライアントならではの空間、その場所ならではの空間デザインを提案することです。なぜなら、AIで画像生成は誰が行っても同じような空間デザインイメージになってしまうからです。
そこで大切なポイントは3つあります。
①AI時代に合わせた設計手法に切り替える
②AIと人間の役割を理解する
③SketchUp DiffusionとChatGPTとMidjourneyを使う
です。これを実現する方法として5つあります。
①ChatGPTでプロンプト作成
②SketchUp Diffusionで現実的なイメージ作成
③Midjourneyで空間アイデアの幅を拡げる
④実施設計とコストとイメージをSketchUpでまとめる
⑤空間を作る本質をまとめる
上記のポイント、手法を活用することで、筆者は具体的なAIと共に次世代の提案に挑戦しています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
なぜAIを使った方がいいのか?
建築インテリアデザインはAIと人間の融合時代へ
建築やインテリアデザインの進化は、技術の発展と共に大きく変わってきました。昔は手書きで描かれたデザイン図が基本でしたが、今ではパソコンを使ったCG(コンピュータグラフィックス)が主流になり、さらにAI(人工知能)がデザインの一部を担う時代がやってきました。これにより、設計者やデザイナーの役割と必要な能力も大きく変わっています。
昔の建築デザインでは、建物や部屋の設計はすべて人間の手によって行われていました。デザイナーは鉛筆やペンを使い、紙に描いたり、立体模型を作ったりして、イメージを形にしていました。しかし、パソコンやデジタルツールの普及と共に、デザインのプロセスも変わりました。今では、コンピュータを使って建物や部屋のデザインを立体的に見せるCGパースが主流です。これにより、デザインの詳細な確認や修正がしやすくなり、クライアントにも分かりやすく説明することができるようになりました。
そして、最近ではAIの技術が建築デザインにも導入されています。AIは膨大なデータを処理し、最適なデザイン案を提案することができます。たとえば、特定の条件や要望に基づいて、自動で部屋の間取りやインテリアの配置を最適化することが可能です。これにより、デザイナーはよりクリエイティブな作業に集中できるようになり、時間の節約も実現できます。
AIを使うことで、建築デザインの品質や効率が向上するだけでなく、新しいアイデアやデザインの可能性も広がります。将来的には、AIと人間が協力してより持続可能で美しい空間を創造することが期待されています。
AIがもたらす新しいデザインの可能性
AIを活用することで、空間デザインの方法が大きく変わり、これまでにない新しいデザインが生まれるかもしれません。これはどういうことでしょうか?
設計者のやることが変わるだけ
人間が人生において、一番大切なのは時間です。みんなだれでも、1日24時間と時間が限られています。その時間を一気に短縮するツールとなるわけです。
例えば、あなたが新しい学校や図書館のデザインを考えているとします。従来、デザイナーは何週間もかけて設計図を作成し、模型を作ってから、最終的なデザインを決めていました。しかし、AIを使うと、このプロセスが大幅に早くなります。画像生成AIがたくさんのデザインアイデアを提案し、それを基に素早くビジュアル化してくれるのです。これにより、デザイナーはより多くのアイデアを試し、クリエイティブな解決策を見つけることができるようになります。
また、AIは膨大なデータを分析して、特定の条件やニーズに合った最適なデザイン案を提案することもできます。例えば、エネルギー効率が良く、使いやすいオフィス空間を設計する場合、AIは建物の配置や素材の選定など、最適な解決策を見つけ出す手助けをしてくれます。
つまり、AIを使うことで、空間デザインのクオリティが向上し、より効率的かつ創造的なデザインが生まれる可能性が高まります。これにより、私たちの暮らしや働き方がより快適で、持続可能なものになることが期待されています。
SketchUp Diffusionって何?
今ならSketchUp Diffusionは使った方がいい!
2023年、AIの普及が急速に進み、多くの企業が新しいソフトウェアの開発に取り組んでいました。建築家やデザイナーも、これらの新しいツールを使って、2024年という今の時代にぴったり活用することができるようになりました。
SketchUpは、他のCGソフトと比べてとても簡単に学べるモデリングソフトです。つまり、使い方を覚えるのに時間があまりかからないんです。
そして、SketchUp DiffusionというAI機能を使うと、たったワンクリックで数秒でデザインした空間の画像を作ることができるんです。これはどういうことかって?例えば、飲食店の店舗デザインを考えているとします。SketchUp Diffusionを使えば、AIがあなたのアイデアをすぐにイメージパースにしてくれます。だから、自分の仮に立ち上げたCGパースがリアルにどう見えるかをすぐに確認できるんです!
これで、あなたは自分プランを立ち上げた3Dデータをすばやく試し、必要な場合には変更することができるんです。SketchUp Diffusionを使って、あなたのアイデアをより速く、より簡単に現実にする準備が整ってきてるってことです。
SketchUp Diffusionとその技術
SketchUp Diffusionは、SketchUpのプラグインです。
SketchUp Diffusionは、AIを使ってテキストからリアルな画像を作り出す技術です。この技術は、Stable DiffusionとControlNetに基づいています。
Stable DiffusionとControlNetとは?
- Stable Diffusion: 文章を入力すると、その内容に合ったリアルな画像を作り出すAI技術です。
- ControlNet: Stable Diffusionにもっと細かい指示を与えられるようにする技術です。例えば、参考画像のポーズや形を指定して、その通りの画像を作れます。
AI活用によるこれから起きる問題
AIに頼りすぎるリスク
AIをたくさん使うことでこれから起きる問題について考えてみましょう。AIはとても便利な道具ですが、頼りすぎるといくつかの問題が出てくるかもしれません。
たとえば、AIに頼りすぎると、みんなが同じようなデザインを使うようになるかもしれません。これは、AIが同じルールやデータを使ってデザインを作るからです。だから、いろいろなものが似たような見た目になってしまうかもしれません。
また、AIに全部任せると、自分で考える力が弱くなるかもしれません。AIが全部決めてくれると、自分で新しいアイデアを出したり、工夫したりすることが少なくなるからです。
だから、AIができることと、人間ができることをちゃんと分けて、自分の頭でも考えることが大事です。いろいろな方法を試して、自分が考えたオリジナルなデザインを作ることが楽しいし、価値があることです。
クライアントの要望と周辺環境を考えるのもっと重要に!
空間デザインにおいて、クライアントの想いと周辺環境を考慮することは非常に重要です。特に商業インテリアデザインでは、これらの要素が成功の鍵となります。以下に、その理由と具体的な考慮点について詳しく説明します。
クライアントの想いの重要性
空間デザインを進める上で、まず最初に重視すべきはクライアントの想いです。クライアントはその空間をどのように使いたいのか、どんな雰囲気を作りたいのかというビジョンを持っています。そのため、デザイナーはクライアントと十分にコミュニケーションを取り、彼らの希望や要望をしっかりと理解することが必要です。
たとえば、お店のデザインを依頼された場合、お店のオーナーがどんなコンセプトでお店を運営したいのか、どんな顧客層をターゲットにしているのかを詳しく聞き取ります。この情報をもとに、オーナーの想いを具体的な空間デザインに落とし込むことが重要です。オーナーの想いが反映されたデザインは、彼らの満足度を高めるだけでなく、訪れる顧客にもその魅力が伝わりやすくなります。
周辺環境の考慮
次に、その場所がある地域や周辺環境を考慮することも大切です。空間デザインは単に美しいだけではなく、その場所の特性や雰囲気に調和している必要があります。
たとえば、お店が公園の近くにある場合、その公園の緑をデザインに取り入れることで、自然な雰囲気を演出することができます。また、地域の歴史や文化を反映させることで、その土地の人々に親しみやすい空間を作り出すことができます。このように、周辺環境を考慮したデザインは、地域住民にも愛される空間を作る助けとなります。
商業インテリアデザインの特別な考慮点
商業インテリアデザインにおいては、さらにいくつかの重要な要素があります。まず、集客力の向上です。お店のデザインが魅力的であることは、お客さんが「ここに行ってみたい」と思う大きな要因となります。例えば、視覚的に魅力的なディスプレイや、快適な座席配置、明るく開放的な空間作りなどが考えられます。
ブランドイメージの向上も重要です。お店のデザインは、そのブランドのイメージを強化する手段となります。統一感のあるデザインや、ブランドカラーを効果的に使った装飾は、ブランドの認知度を高め、顧客の記憶に残る体験を提供します。
最後に、スタッフのモチベーションに繋がるデザインも重要です。働きやすく、快適な環境は、スタッフのやる気を引き出し、より良いサービス提供に繋がります。例えば、動線を考慮したレイアウトや、休憩スペースの充実、自然光を取り入れた明るい空間作りなどが考えられます。
どうやってAIと設計すればいいのか?
AIと設計を行う方法について、具体的にどのように進めれば良いかを説明します。ここでは、画像生成AIを使った設計の流れを紹介します。AIにも様々な種類があり、それぞれに異なる特性があります。今回は、SketchUp Diffusion、Midjourney、ChatGPTを活用した設計手法を詳しく見ていきます。この手法は、現在私たちが考える最も実務的なAI活用による設計方法です。
AIを活用した設計の流れ
AIを活用した設計手法は、次のような流れで進められます
- プロンプトの作成:ChatGPTを使用して、設計の基本となるプロンプトを作成します。ChatGPTは、具体的な指示文を生成し、次のステップに進むための基盤を作ります。
- デザインの探求:Midjourneyを使用して、プロンプトに基づいたデザイン案や画像を生成します。これにより、多様なアイデアをビジュアル化することができます。
- 空間イメージの具体化:SketchUpを使用して、生成されたデザイン案を具体的な3Dモデルに落とし込みます。これにより、実際の空間にどのようにデザインが反映されるかを視覚的に確認することができます。
これらのステップを通じて、AIを効果的に活用し、創造的で実務的な空間デザインを実現することができます。AIの力を借りることで、より豊かなアイデアや効率的なデザインプロセスが可能となり、クライアントの要望に応える高品質なデザインを提供することができます。
1. プロンプトの作成: ChatGPTを活用
まずは設計のスタートとして、プロンプトを作成します。プロンプトとは、AIに対して何を生成してほしいかを伝えるための指示文です。このプロンプトの作成にはChatGPTを使用します。ChatGPTは、あなたのアイデアを具体的なプロンプトに変える手助けをしてくれます。
例えば、「モダンなカフェのデザインを考えたい」といった要望をChatGPTに伝えると、適切なプロンプトを生成してくれます。このプロンプトをもとに、次のステップに進むことができます。
その際にSketchUp Diffusionのプロンプトであることも指示に入れた方がいいです。
2.画像生成AI:SketchUp Diffusionで画像生成
ChatGPTで作ったプロンプトをSketchUp Diffusionで画像生成します。これは何回もトライアンドエラーで繰り返し画像生成していきます。
3. デザインの探求: Midjourneyを使用
SketchUp Diffusionでは平面プランからSketchUpで簡易的に立ち上げたモデリングをベースに作ったイメージなので、アイデアとしては限定的になってしまいます。
そこで、Midjourneyという画像生成AIを使ってデザインのアイデアを探求します。Midjourneyは、入力されたプロンプトを基に、美しい画像やデザイン案を生成してくれます。
たとえば、「モダンなカフェインテリア」というプロンプトを入力すると、様々なインテリアデザインのアイデアが生成されます。これらのアイデアを見ながら、どのデザインが自分のイメージに最も近いかを考えます。
SketchUp Diffusionで作った画像をMidjourneyに入れて、プロンプトを入力していきます。この時もChatGPTでプロンプトを作成してもらいます。
4. 空間イメージの具体化: SketchUpを活用
生成されたデザイン案をもとに、具体的な空間イメージを作り上げるためにSketchUpを使用します。SketchUpは、3Dモデリングソフトであり、デザイン案を具体的な形にするのに非常に適しています。
まず、SketchUp DiffusionとMidjourneyで生成された画像やアイデアを参考にしながら、SketchUpで空間のレイアウトやインテリアの配置を行います。この段階では、施工的な視点やコスト、細部にわたるデザインの調整や、実際の寸法を考慮した配置などを行います。
クライアントや社会に必要な空間はどれなのか?
AIを使って空間デザインを行うと、短期間で多くのデザインパターンが生成されます。たとえば、10パターンや100パターンといった膨大な数のデザイン案が生み出されることもあります。しかし、これらのデザインの中から、どの空間が社会やクライアントに本当に必要とされるか?を選ぶことはとても困難になってきます。
AIを活用した空間デザインの時代において、デザインの選定能力と実現力がますます重要になります。膨大な数のデザインパターンの中から、社会やクライアントに本当に必要とされる空間を見極める力が求められます。そして、そのイメージを実際の建築や内装として具現化するための技術的知識、プロジェクト管理能力、創造的な問題解決能力が不可欠です。これらのスキルを駆使して、高品質で実用的な空間デザインを提供することが、これからのデザイナーに求められる重要な役割です。
イメージを実際の建築や内装にする力がもっと必要になる
具体的に選定能力が求められる理由
- 多様なニーズに対応: クライアントや社会が求める空間は、それぞれ異なるため、多様なニーズに対応する必要があります。AIが生成した多くのパターンの中から、最も適したデザインを選ぶためには、クライアントの要望を正確に理解し、社会のトレンドや要求を把握する力が必要です。
- 効果的なコミュニケーション: クライアントとの効果的なコミュニケーションを通じて、彼らのビジョンや期待を正確に捉えることが重要です。その上で、AIが生成したデザイン案をどう評価し、どの案がクライアントのニーズに最も合致するかを見極める能力が求められます。
- 実用性と美しさの両立: AIが生成したデザインは見た目が美しいだけでなく、実際に建築や内装として実現可能であることが求められます。選定の際には、美しさと機能性、実用性のバランスを見極める力が必要です。
イメージを実際の建築や内装にする力
AIが生成した空間イメージを、実際の建築や内装として実現するためには、以下のスキルや知識が必要です:
- 技術的知識: 建築や内装の技術的な知識が必要です。これには、建築基準法、施工技術、材料の選定などが含まれます。技術的な制約を理解し、それをデザインに反映させることが求められます。
- プロジェクト管理: デザインを現実のプロジェクトとして実現するためには、スケジュール管理、予算管理、品質管理などのプロジェクト管理スキルが必要です。デザインが計画通りに実現されるよう、全体をコントロールする力が求められます。
- 創造的な問題解決能力: 実際の施工過程では、様々な問題が発生することがあります。これらの問題に対して、創造的かつ実用的な解決策を見つける能力が重要です。
SketchUp Diffusionはどうのように始めればいいか?
実践ガイド:SketchUp Diffusionの導入
- プラグインをインストール
- まず、SketchUpを開き、メニューから「Extension Warehouse」を選びます。
- 検索バーに「Diffusion」と入力します。
- 検索結果から「Diffusion」プラグインを見つけてクリックし、インストールします。
- プロンプトの作成と使い方
- プロンプトを入力する際は、日本語よりも英語のほうがより良い結果が得られます。
- スタイルを選ぶ際は「写実的な外観」を選択します。
- 「生成する」ボタンをクリックすると、数秒で3パターンのレンダリングが自動で生成されます。
この手順を通じて、簡単にSketchUp Diffusionを導入し、プロンプトに基づいた高品質なレンダリングを生成することができます。
AIを活用した新時代の建築インテリアデザインの展望
人間の役割とAIとの共存の未来
AIは、人間が時間をかけて行っていた作業を素早く効率的に代わりに行ってくれます。では、これからの私たち人間がすべきことは何でしょうか?それは、AIを活用しつつも、人間ならではの役割やスキルを磨き、実践することです。
AIの進化により、人間が担っていた多くの作業が自動化される一方で、人間には依然として重要な役割が残されています。創造力、コミュニケーション能力、倫理的判断、技術の応用と管理といったスキルを磨き、AIとの共存を図ることで、新時代の建築インテリアデザインにおいても、人間の価値を最大限に発揮することができます。
具体的に人間がすべきこと
- 創造力の発揮: AIはデータに基づいた作業が得意ですが、独自の発想やクリエイティブなアイデアを出すことはまだ難しいです。人間は、自由な発想や新しいコンセプトを考え出す力を活かして、AIが提供するアイデアをさらに発展させることができます。
- クライアントとのコミュニケーション: デザインプロジェクトでは、クライアントとの緊密なコミュニケーションが重要です。人間は感情やニュアンスを理解し、クライアントの要望や期待を的確に汲み取ることができます。このスキルを活かして、クライアントの希望を反映したデザインを作り上げることが求められます。
- 倫理的判断と社会的責任: AIが生成するデザインが必ずしも社会や環境にとって最適とは限りません。人間は倫理的な視点からデザインの影響を評価し、持続可能な選択をする責任があります。このような判断は、経験と倫理観に基づく人間の役割です。
- 技術の応用と管理: AIを効果的に活用するためには、その技術を理解し、適切に管理する能力が必要です。新しいツールやソフトウェアを学び、プロジェクトに応用するスキルを身につけることが重要です。
まとめ
以上がSketchUp Diffusionを活用した新時代AIによる建築インテリアデザインのやり方です。要点をまとめると、
①ChatGPTでプロンプト作成
②SketchUp Diffusionで現実的なイメージ作成
③Midjourneyで空間アイデアの幅を拡げる
④実施設計とコストとイメージをSketchUpでまとめる
⑤空間を作る本質をまとめる
上記のポイント、手法を活用することで、筆者は具体的なAIと共に次世代の提案に挑戦しています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
参考: