リピート客を集めるために、一番重要なポイントは、お客様の不満やストレスをなくすことです。なぜなら、ネガティブ要因がないお店はお客様にとって心地よいからです。
そこで不満要素の原因の一つに「すみませーん!」と言わせちゃうお店があります。それを言わせないプランを考えるうえで大切なポイントは
①お客様とスタッフの動きからプランを計画
②来店→着席→注文→食事→会計→退店までのお客様の視点をプランを計画
③ITツールを活用するプランを計画
です。これを実現する方法として5つあります。
①お客さんはどこを見ているか?
②お客さんとスタッフがぶつからないか?
③視線が気になる席はないか?
④人通りが多い席はないか?
⑤スタッフの作業位置からお客様が見渡せるか?
上記のポイント、手法を活用することで、筆者が実際に作った店舗では、スムーズな店舗運営が可能になっています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
些細な不満が蓄積される店舗の末路
注文する時にお店の方が、なかなかこないと小さな不満が蓄積していきます。「すみませーん!」と呼べるお客様もいれば、言えないお客様もいます。注文時に、なかなかスタッフが見当たらないお店は、リピーターがつきずらくなります。
些細なことで、お客様は離れていく
注文をする時にスタッフが見当たらななく、「すみませーん!」と言わないといけないお店があります。これが続くことで、お客様はいろいろと想像を膨らまします。
「人件費削減かな?」
「忙しいのかな?」
「聞こえてるのに来ないのかな?」
「どういう教育してるのかな?」
などなど、想像は膨らみます。お店側の事情は、お客様には関係ないのです。
こういった些細なことから、「ここはサービス悪いからもう二度と来ないなー」っと思われてしまい、リピーターが増えていかないお店へとなっていってしまいます。
口コミでは表面化してこない
些細な不満は、ネットの口コミでは分かりません。そもそもお客様自体も忘れているからです。
口コミサイトは、良かったことも悪かったことも記憶に残った時に書きやすいのです。よって、このような小さな不満を積み重ねているお店は、お客様の記憶にも残らないお店なのです。
そして、相当ひどいお店だけは、口コミが書き込まれてしまいます。それを見たこれからのお客様は、そのお店を敬遠してしまいます。
スタッフはそもそも気づいていない?!
お店側のスタッフは、本当に気づいてないのでしょうか?下記の可能性があります。
- 呼ばれたことも気づかないくらい忙しいお店かもしれません。
- お客様が作業しているところから見えていないかもしれません。
- スタッフの意識が低く、気づいているが後回しにしている。
プランから人の流れをイメージしよう!
プランにお客様とスタッフの動きを書いてみよう!
お客様が来店されてからお店を出るまでの想定される動きを書いてみます。
次に、ホールスタッフの動きを書きます。考え方は、3つの流れがあります。
- 注文を受けてからオーダーをして、提供する流れを書きます。
- ドリンクを作り提供をする流れです。
- 下げものを下げてから洗い物をして棚へ戻す作業です。
この3つのうち特に滞在時間の長いドリンクを作る作業や洗い物をしているところに注目をします。
最後に、厨房内で調理をしているキッチンスタッフの動きも書き込みます。
スタッフが良く動く位置からお客様は見えているか
プランに書かれた人の導線を追いながら、各客席から見えているのかを確認します。
しかし、導線は人が動いている流れなので、滞在時間が短いのです。
なので、特に滞在時間の長いドリンクを作る作業や洗い物をしているところに注目をします。
見えるかの確認すべき優先順位としましては、
- ホールスタッフが作業しているドリンクや洗い場、レジ、サービス台など
- キッチンスタッフが作業している焼場、刺場、盛り付けなどの作業場
- ホールスタッフの導線
となります。
スタッフが気になり、嫌な席になっていないか
キッチン内のオペレーションばかりに気を取られて、ホール側の作業導線のチェックをわすれていませんか?
お客様が食事をしている、すぐ後ろや目が合う位置に、スタッフがいますと、お客様は落ち着いて食事はできません。
ホールスタッフがお客様のことを見やすく、いても不自然ではない作業場所を作る必要があります。
「サービスステーション」などと言われる場所です。
小皿やおしぼり、シルバー関係などが用意されています。レジ機能やPOSのオーダーがあってもいいかもしれません。
作業しているスタッフであれば、お客様もあまり気になりませんが、作業のないスタッフがずっといると気になります。
そんな計画をたてますと、お客様に呼ばれる前に気づきやすくなります。
プランの際に気をつけるべき3つのオペレーション計画
導線の交錯部分の検討
書き込みました3つの矢印「フードの流れ、ドリンクの流れ、下げの流れ」が交錯しているところから検討します。特に重要な考えルポイントが3つあります。
- 大きな考え方としましては、お客様に料理などを提供するのがホールスタッフです。ですのでホールスタッフが作業しているドリンク側に渡します。
ホールスタッフは、洗い物や冷菜などの提供も行いますので、洗い場や出入り口付近とのアクセスも良くします。 - フードとドリンクの流れも交錯しやすいです。それは提供が一緒であることもあるからです。
そこでデシャップ台を広くする必要があります。スペースがない場合は、高さを使うことも視野に入れます。 - 特に厨房と客席の出入り口や受け渡し口の接点に、交錯がおきやすいのです。
人が出入りをする場合と、料理だけが出入りする場合があります。
ホールスタッフをなるべく厨房内に入らずに、短い導線での計画をすることも必要です。
その際に料理だけを受け渡す計画にします。
ホールの立ち位置の作り方検討
ホールスタッフの立ち位置の条件は3つあります。
- 全体がみわたせること
- 作業ができること
- お客様が気にならないこと
上記の3つの条件を満たした計画を目指します。
全体がみわたせること
プランを書いたあとにCG(スケッチアップなど)で、どんな視野が広がっているかを事前検討します。工事が進んで、あとから気づいてもプランは直せないからです。
見渡せない席がある場合は見えないところは、呼び鈴に頼るなどの補助を入れます。
作業ができること
ただ、ぼぉ~っと何もしないで、ホールスタッフが立っているのは、食事をしているお客様としては気になります。そこで、ホールの立ち位置には、水や食器類、おしぼり、レジ、電話など作業できる環境を整えます。
お客様が気にならないこと
上記の2項目をクリアすると、お客様はスタッフに声をかけやすくなっています。あとは、なるべく忙しそうにバタバタしないように、動きをルーティーン化しておくと、より「すみませーん!」と何度もお客様に言わせなくても住みます。
キッチン内の立っている位置の検討
厨房内は特に作業しているときに後ろを人が通ります。また、氷が取りたいのにそこで作業していては、お互いにストレスになります。
そこで、作業している場所を想定するために、立ち位置を記入していきます。
厨房の通路挟んだ前後で作業スタッフが、ぶつかっていないかを検討します。
ITシステムによる解決法
ここまでが、今までの研究結果による対策となります。これからはITシステムによる自動化が進んできます。今後、外食産業にどのような影響力を与えるかは未知数ですが、取り入れ方をよく検討する必要がありそうです。
お客様のスマホで注文することで解決できることと失うもの
お客様のスマホを使ったセルフオーダーシステムがあります。
このシステム導入によるメリットは、
<店舗側メリット>
- スタッフがオーダーを取りに行かなくなるので、人件費が削減できます。
- メニューの更新が、本部など一箇所で行えば、複数店舗での反映が可能です。
<お客様メリット>
- 自分の使い慣れたスマホでの作業
- テーブルまわりにメニューを置かなくて良いので、広くテーブルが使えます。
- 一人でゆったりしたい人は、誰とも話さないですみます。
<店舗側デメリット>
- お客様とのコミュニケーションが減り、リピート率が減りやすくなります。
- まだ、市場に出回っていないので、使い方の説明が必要です。
<お客様デメリット>
- スマホを持っていないと注文できません。
- 画面が小さいので、メニューの写真が見にくいです。
上記の他に、決済がそのまま行えます。
こちらは、LINEPAYなどのスマート決済の整備自体が、現状できていませんので、これからその進歩とともにお店づくりに反映させていく必要があります。
セルフオーダー事例
クラフトマルシェ by Kirin City
OKAGEのモバイルオーダー&ペイシステムを入れています。
モバイルオーダー&ペイシステム「Okage Go」とLINEアプリをシステム連携することで、お客様がLINEアプリ上からモバイルオーダーの注文画面にアクセスし、自分のスマートフォンから店舗に注文ができます。
今後、LINE IDと紐付いた顧客の注文履歴を分析することで、CRMを強化し、LINEを通じた来店顧客の注文履歴に応じたさまざまなダイレクトマーケティング施策を検討しくこととなるでしょう。
実例から学ぶオペレーションプラン
キッチンイチニョ
レジカウンターが入口入ってすぐの所に位置しています。レジカウンターから客席全体を見渡すことができるようになっています。
レジカウンターの背後が、ホールのメイン導線になっています。
キッチン内に入らないで、下げものだけ洗い場であるソイルドテーブルへと受け渡しが可能になっています。
フードとドリンクのデシャップの流れが重なっています。
上下に棚を作ることにより、平面的には小さなスペースですが、効率よく配膳することができます。
ニクータ
ドリンク前がすべてデシャップカウンターとなっています。
客席側からもホールスタッフが作業できるようになっています。
フードは奥から調理をしまして、ドリンク側へとデシャップされます。
そこで盛り付けをされ、そのままホールスタッフへと手渡されます。
洗い場は、一番厨房出入り口に近い位置に配置されています。
そのまま厨房内へはいり、洗い場へといれます。
トーチドットベーカリー
入り口入った正面にメインのパン販売コーナーを設置しています。
そこへ持っていくルートまでに、すべての販売コーナーを通ることになります。
その客席側がお客様の販売導線になっています。
そのまま正面にオーブンが見え、レジへとひとつづきの導線になっています。
お客様とスタッフ導線が平行に並んでいるシンプルな構成としています。
まとめ
そこで不満要素の原因の一つに「すみませーん!」と言わせちゃうお店があります。それを言わせないプランを考えるうえで大切なポイントは次の3つです。
①お客様とスタッフの動きからプランを計画
②来店→着席→注文→食事→会計→退店までのお客様の視点をプランを計画
③ITツールを活用するプランを計画
大切なポイントですので、ぜひ考慮してみてください。