店舗運営を上手くやっていくために、一番重要なポイントは、匂いや煙で迷惑をかけないことです。なぜなら、近隣店舗は仲間であり、見込み客だからです。
匂いや煙で迷惑をかけな方法を考えるうえで大切なポイントは
①臭いをどう対処するか?(油や煙の匂い)
②住宅立地は注意!(ダクトの騒音、油が飛び散る)
③対処方法を把握しておく!
です。これを実現する方法として5つあります。
①ダクトを屋上まで上げる想定をしておく
②水フィルターをつけて、油匂いをカット
③脱臭機や消臭フィルターをつける
④近隣と工事前から仲良くしておく
⑤即座対応が全て
上記のポイントを活用することで、筆者が実際に作った店舗では、すぐに対応できています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説しています。
どのようなクレームが多いのか?
油の臭いが最大のクレームに!
[※環境省 水・大気環境局 大気生活環境室 「飲食店のための臭気対策マニュアル」より]
飲食店を出店すると、必ず気をつける点が、排気の油のニオイ問題です。直接外気への排気をしているため近隣に直接的な影響を及ぼします。油を多く使うメニューがあると発生します。
排気の煙がバルコニーのふとんに!
焼鳥、焼肉などの脂身があるモノを焼いた時に、油煙がかなり多く発生します。炭火焼きは美味しいのですが、煙が大量に発生します。これらを店内のお客様が不快にならないために、全て外へ排気していきます。
結果、近隣への影響が出てきます。煙は視覚的にも見えるので、比較的遠くで見えても心理的に影響があるように感じてしまいクレームにつながってしまします。
排気ファンやダクトを通る騒音トラブル
外部より上下階でのトラブルが多い騒音。排気ファンを天井裏や躯体の壁、屋上の床に設置した時に、振動が伝わって他テナントへ騒音として聞こえてきます。
また、ダクト内を通るファンや風切り音もクレームに繋がりやすいです。空気の通り道が、音の通り道にもなるからです。ダクトの断面積の大きさとファンが引く風量の大きさが、音の大きさと関係しています。
排気風が直接当たる場所
壁から直接排気をした際に、風向きが当たる方向先に影響があります。地面に直接当てたとしても、その周辺は風が間接的に吹きます。二次的な風向きにも意識する必要があります。
油が飛び散って、汚い!
飲食店の外壁に黒い後がよくあります。これは排気口からの油がついている汚れです。パン受けを付けて配慮するなど、美観を気をつけることも大切です。
その他のニオイのクレーム
[※環境省 水・大気環境局 大気生活環境室 「飲食店のための臭気対策マニュアル」より]
魚が生臭い!
生魚を取り扱う店舗では、どうしても生臭さが周辺へ行ってしまします。大きな問題へ貼ってするケースは少ないですが、外部への開放などを避けるなどして、配慮をすることも出てきます。
ゴミが臭い!
ゴミ置き場が少なく外へ置いてしまうケースが多いです。裏の勝手口へ置いたりして、見えづらい位置に置くことが多いので、その場所を住人や近隣住民が通る場所であると、クレームにつながることもあります。
こまめに捨てる習慣をつけることで対応します。
清掃がされていなく臭い!
厨房周りの清掃をこまめすることで解決します。特にグリストラップの清掃は必須です。個々からのニオイ発生源となっていることが多いです。また、放置していますと、ニオイだけではなく排水管が詰まる原因にもなります。
どのような立地でのクレームが多いのか
[※環境省 水・大気環境局 大気生活環境室 「飲食店のための臭気対策マニュアル」より]
一番多いのは、住宅が密集している地域です。商業地区と住宅地区が近くに接している地域がクレームが一番多いです。
また、商業ビルは1Fや2Fの低層階が飲食店テナントになりやすいので、その上層階が住居ですとクレームになりやすいです。特に南側にバルコニーがある場合は、なおさらです。
周辺立地が同じ飲食店が出店している商店街などは、意外とクレームが少ないのです。他店舗でもニオイは出ているので慣れていたり、お互い様という意識もあるからです。商業店舗同士でのクレームが多いのは、飲食以外の業態です。サロン、アパレル、物販店などです。
特にアパレルでは衣服にニオイが付いてしまいますので、排気方向には十分に注意する必要があります。サロンはシャンプーの良い香りが集客にもつながっていますので、油のニオイはイメージダウンにつながってしまいます。
あなたのテナントが位置する場所より高い位置にある場所にも、風向きによって影響があるので、注意する必要があります。
どんな業態が「臭い!」とクレームを受けるのか?
[※環境省 水・大気環境局 大気生活環境室 「飲食店のための臭気対策マニュアル」より]
コーヒーやパンの香りはクレームになりづらいです。やはり、焼肉、焼鳥、中華、とんかつなど油を中心に使う業態がクレームに繋がりやすいです。イタリアンのオリーブオイルのニオイもクレーム対象になりやすいです。
カレーやアジアン料理の香辛料は、好みも分かれますので、クレームが多いというわけではありせんが、嫌いな人ももちろんいますので、注意が必要です。
計画中に対策すべき!排気手法
ダクトを屋上まで上げる
一般的な排気対策として多いのは、ダウトを屋上へ上げことです。実際、煙もニオイも高い位置から排気することで、解決することが多いからです。煙は上がりますし、ニオイは周囲に何もなければ散ります。
低い建物の屋上で、周囲にもっと高い建物がある場合は、現実的に意味を成さない可能背が高いです。
しかし、近隣へ対応しているスタンスは伝わります。「何もしないよりはマシ!」という意味合いが強いかもしれません。
水フィルターを設置する
水フィルターはフード内に設置するグリスフィルターに水をためて油を取る手法です。
油のニオイをかなりカットできるので、ビル側の規定で設置することを条件にしていることもあります。
デメリットは、
- コストが高い
- 音が大きい
- 煙はあまりカットされない
- 給排水設備も必要なので、後日の設置が困難
クレームの根本である油のニオイを取るという点では、かなり効果的な設備です。
脱臭機を設置する
廃棄した煙をダクトに設置して、ニオイをとる機械です。水フィルターより安価なのと、換気設備工事単体での対応ができるので、工事の難易度は高くありません。
消臭フィルターをつける
フード内に設置されているグリスフィルターの種類を変えるだけです。
ランニングコストはかかりますが、他の方法よりは簡易的に採用できます。
意外と多い騒音クレームへの対策方法
ダクトの騒音はそもそも換気設備計画もしくは施工方法に配慮がない場合に発生することが多いです。計画中の方は、設計者及び施工者とよく相談してください!未然に防げることはやっておきましょう!
その上で騒音が起きてしまった場合、まずは原因を突き止めます。大きく分けて、振動音と風切り音、ファンの機械音があります。
振動音の場合は、ダクト周辺の接続が取れていないか?内装材と接触していないかなど調べます。
風切り音やファンの機械音は、ダクトの劣化や風量とダクト径があっていない場合もあります。ダクトを交換するか、新しければ断熱材を巻いたり、天井を付けたりして対策を考えます。
騒音は別の場所へ設置しない限り、完全に消えることはありません。消音器、防振ダンパーでの対応もありますが、完全に消えることはありません。
お店側としましては、BGMで音をかき消して、気にならないようにする対策も考えましょう。
実際に起きてしまったら、どう対応すればよいか?
近隣とのお付き合いはとても重要!紳士に向き合おう!
クレームをもらった際には、感情的にならずにまずは紳士に向き合いましょう。近隣住民や店舗とは仲良くやっていくほうが、商売的に有効だからです。
即座対応!早期解決が売上に影響が最も少ない理由
クレームは放置せず、即座に対応することをおすすめします。まずは、頼んだ設計もしくは施工業者へ連絡をして相談します。実行プランをいくつか練って、費用感を把握します。すぐに工事を実行するのではなく、近隣とのコミュニケーションしながら、みんなが納得する方法を模索します。
なぜ、近隣とのコミュニケーションが重要かというと、必ずしも全て解決するかわからないからです。やってみてからの判断になってしまいます。
また、実行して隣店舗からはOKをもらっても、後ろの店舗からまたクレームをもらうこともあります。また、それの対応をするとなると、コストもかさんでいくので、よく近隣店舗や住民と話し合った上で、実行に移すことが必要です。
まとめ
これを実現する方法として5つあります。
①ダクトを屋上まで上げる想定をしておく
②水フィルターをつけて、油匂いをカット
③脱臭機や消臭フィルターをつける
④近隣と工事前から仲良くしておく
⑤即座対応が全て
上記のポイントを活用することで、筆者が実際に作った店舗では、すぐに対応できています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。