大衆居酒屋を盛り上げるために、一番重要なポイントは、2つのお客視点をもつことです。なぜなら、新たな時代の見込み客だからです。
大衆居酒屋を盛り上げるための飲食店デザインを考えるうえで大切なポイントは
①大衆居酒屋には雰囲気を楽しむZ世代
②コスパを懐かしむ昭和世代
この2つのターゲットがいるということです。これを実現する方法としてそれぞれ3つずつあります。
大衆居酒屋には雰囲気を楽しむZ世代には、、、
①歴史を学ぶ、楽しむためのコンテンツを用意
②自分の知らない日本の雰囲気
③昔の人が食べていた食事
コスパを懐かしむ昭和世代には、、、
①お客様やスタッフとのコミュニケーション
②自分の居場所
③美味しいB級グルメ
上記のポイント、デザインパターンを活用することで、人気の大衆居酒屋が出来上がります。2つの異なるターゲットに対して、別々にお店は用意すべきなのです。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
実はこれには場所という点でも重要な位置づけがあります。表参道、六本木などといった意外な立地での考え方、新宿、上野、御徒町などといったイメージに合った街での考え方は大きく異なります。この辺のお話は、次回お話させていただきます。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。
大衆居酒屋はどのように見られているのか?
大衆居酒屋で意外と支払いが高かった場合、満足度はあるか?
「大衆居酒屋っぽい雰囲気なのに、支払いが5000円って高くない?!」っと、先日の一緒に飲んでた友人の話を面白いなと聞いていました。ションベン横丁では、人が集まり楽しそうに飲んでいます。人によって、反応が異なるのです。今回は、この反応の違いを考えてみたいと思います。
大衆店のお客様満足度は、コストなのか?雰囲気なのか?
大衆居酒屋にも種類はいくつかあります。
【A】串カツ田中、磯丸水産のような食べれる物がイメージできる店舗
【B】横丁や昭和の雰囲気がある店舗
【C】空間は小綺麗で雰囲気がありつつ、安く飲み食い出来る店舗
この3つの大衆居酒屋で、お客様は求めるものが異なります。
昭和初期世代 |
ミレニアム世代 |
Z世代 |
|
【A】 |
新しい大衆居酒屋 若い世代が多いので賛否両論 |
普通に利用する |
ファミリーで行く 行き慣れている |
【B】 |
懐かしい雰囲気で飲み好きな人は行く コストが高いと行かない 新しいものに憧れた世代なので、敬遠しがち |
この雰囲気の店は安いという認識がある コスト高いと不満になる |
目新しさがある 多少コストが高くても学ぶために行く 観光的な視点で行く |
【C】 |
とても好きな傾向がある 憧れがありつつ、行きづらいと思う人もいる |
オシャレで安く感じているので、選びやすい |
生まれたときからあるので、飽きて来ている |
このように「世代」と「大衆居酒屋の種類」によって、選ぶ基準が異なってきます。
大衆居酒屋で成功させるには、街と人を見る必要性がある
昭和の居酒屋を知らない世代や外国人は、雰囲気が目新しい
「昭和の居酒屋は安い!」と思う世代と、「昭和の居酒屋を歴史や文化の体験する」という世代の違いがあります。観光としてくる外国人は、日本の歴史的な飲食店である、横丁に行きたがります。日本の食文化をふれあいに来ているからです。そうなれば、価格帯は高くなってもしかたありません。これと同じ感覚で退店するのが、ミレニアム世代の後半とZ世代なのです。
これからの新しい大衆居酒屋はコスパではなく、体験型に変わっていく?!
昔の雰囲気がある居酒屋は、大衆居酒屋としてのコスパで発展してきましたが、今の人々には体験出来る場として利用されます。ですので、昔の文化をディスプレイしたり、歴史的なものを機能的に配置する必要が出てくるわです。
メニュー、サービス、空間の感覚の違いがコスパの反応に変わる
- 昭和初期世代
メニューに対するコストを支払っている感覚
- ミレニアム世代(一部)やZ世代
メニュー+サービス+空間の合計に支払っている感覚
この違いがコスパの感じ方が異なるということです。
やってはいけない!失敗する大衆居酒屋の条件とは?
引き込みのメニューが安い
大衆居酒屋でも表の看板に書かれているメニューと店内の料金設定の格差が有りすぎる店舗は、リピーターに繋がりません。お客様は、表の看板で「だいたい、いくらなのか?」を感覚的に把握して入っていきます。コストイメージの差がありすぎては、高いと感じてしまいます。
赤ちょうちんなのに高い!?
赤ちょうちんがあるのに、入ってみると意外とメニュー料金が高い場合がります。このこと自体は問題ないのですが、雰囲気やメニュー内容に懐かしさや体験を生むようなサービスであれば良いのですが、ない場合は問題がおきます。その店舗に魅力がなく、赤ちょうちんだけでお客様を引くのはNGです。
これからの大衆居酒屋とは?
これだけ安くて美味しい大衆居酒屋が多く出店しています。これでは、選ぶ側も迷ってしまいます。どのような大衆居酒屋が今後必要とされるのでしょうか?可能性を考えてみたいと思います。
そもそも競合が少ない場所に
東京中心地より少し離れた駅の住宅街にはお店が少ないです。しかも、住民が多く住んでいます。そこでは従来の居酒屋よりテイクアウトもあり、子供も利用しやすいほうが良いかもしれません。
美味しいものをサッと食べて帰る
大衆居酒屋の特徴でもあるコストが安く呑めることでした。そこを今の時代に合わせると、一人で立ち寄りやすく、食事をちょっと安く食べて帰れる居酒屋です。都心部では、晩婚化が進み一人暮らしの人々が多くいます。仕事帰りに家で作るより、ちょっと食事できる所は重宝されます。コストにも少し余裕があるので、可能性があります。
仕事場と家の往復が嫌になる
テレワークが進み働き方が変わっているとはいえ、まだ職場と自宅を毎日行き来している人は多く存在します。家でも職場でもない話せる仲間が必要です。SNSがいくら発達しても、実際に会って同じ空間で過ごした人は忘れづらく、親密になりやすいのです。そういったコミュニケーション機能も大衆居酒屋には必要です。
まとめ
これから開業する大衆居酒屋を成功させるには、
1.大衆居酒屋には雰囲気を楽しむZ世代と、コスパを懐かしむ昭和世代
2.歴史を学ぶ、楽しむためのコンテンツを用意
3.大衆居酒屋の機能は、お客様同士、お客様とスタッフとのコミュニケーション、美味しいB級グルメの2つで成り立っている。
この3つのポイントを抑えることで、満足度の高い大衆居酒屋を作ることが出来ます。