売れる飲食店づくりに、一番重要なポイントは、差別化ポイントの発見です。なぜなら、多くのお店の中から選ばれないといけないからです。
差別化ポイントの発見を考えるうえで大切なポイントは
①ひとつ強みを持つ
②競合店とは異なるサービスをしている
③出店場所の周辺をよく調査する
です。これを実現する方法として3つあります。
① A3一枚で書くことで、頭の中を整理できる
②あなたとターゲットと競合店舗とお客様心理の4つを書き出す
③4つの繋がりを見つけて、ひとつの方向性を決める
上記のポイント、デザインパターンを活用することで、筆者が実際に作った店舗では、差別化できる店舗ができるようになりました。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。
差別化できる店舗のコンセプトが必須な時代に
飽和する飲食業界
飲食業界は元々、廃業率が高いことでは有名です。それは開業ハードルが低いことが一つとして取り上げられることが多いです。しかし、現在では飲食業界以外の要因も大きいのです。
中食やテイクアウト、宅配需要の増加
人材、原材料費の調達コスト増加
人口減少と消費者の節約志向
専門性、様々な業態・サービスの増加
このような要因により、飲食店舗開業、新規ブランド開発では、より熟考する必要が出てきています。
人が集まるお店は、必ずひとつ強みを持っている
人が集まる店舗には、必ずひとつは強みを持っています。それはどこの店舗もやっていない特別なものでなくても構いません。基本は「お客様が喜んでくれるポイント」なのです。さらには、そのポイントが利用シーンとあっていることが大切なのです。
デートで使えるフレンチなら、雰囲気とサプライズが強み
仲間と飲みに行く居酒屋なら、お酒に合うおつまみが美味しいのが強み
仕事の接待で利用する鉄板焼なら、料理の独創性や個室など特別感のある空間が強み
家族で食事をするイタリアンなら、キッズルームと食事メニューが豊富さが強み
などなど、特別でなくでもそのお店の色は出せるはずです。もちろん仕入れが得意な食材、安く入るビオワインなどメニューに関する特化したものがあるほうが良いですが。。。
競合店とは異なるサービスを展開している
その街や駅周辺の競合他社との比較は、必ず消費者にされています。インターネットの口コミやSNSの評価は、みんなが参考にしている指標です。そこで重要なのは、その立地周辺の飲食店との差別化です。
料理×サービス×空間がコストと見合っているかどうかを見ているのです。その上で次の3つのポイントを頭に入れながら、あなたのお店のコンセプトを見つける必要があります。
- 可もなく不可もなくという特徴のない店舗や利用シーンが見えない店舗は、そもそも選択候補にもなっていません。
- 似たような飲食店が近所にある場合は、そこよりは評価がなくてはいけません。
- 新規開業なので、老舗にはファンという点では不利な状態から始まります。
この項目がクリアすることで、競合店とは異なるサービス展開をしていることが多いです。
あなたとお客様と競合店舗とお客様心理の4つを書き出す
わっかマーケティングとは
クライアント、ターゲット、競合、お客様心理の4つの「わっか」で、思考回路を整理する方法です。これにより、
お客様が誰なのか?
競合はどんな飲食店なのか?
お客様はどのようにお店選びをしているのか?
が、わかってきます。そこからあなたの飲食ブランドの骨格を見つけていく手法です。はじめは思いつくものすべてを書きこみ、量が増えてきたら消したりせずにバツ印で追記していくことをオススメしています。
A3一枚で書くことで、頭の中を整理できる
A3一枚の中に書くことが非常に重要です。それは、取捨選択しなくてはならなくなるからでです。A3の範囲しかないので、本当に必要な内容はどちらか?を常に考えながら、書き込むます。さらに文字自体もできる限りシンプルに短文にしていきます。そうすることで、本当に必要な内容やキーワードだけが残ることになります。
わっかマーケティングの書き方
クライアント→ターゲット→競合→お客様心理といったプロジェクトの地図を作り、状況を把握するためにおこないます。クライアントは何を目的に?誰のために?どうなれば満足出来るかを探していきます。俯瞰でプロジェクトを見ることで、ありそうでなかった要素を探し出し、新しい価値観を見つけます。
[書き方]
1.中央にクライアントやお店の名前、もしくは社長の名前を書きます。ここにはこのプロジェクトの決定権の持つ人物やブランドを据えます。
2.その外側に、中央の人物のお客様を書いていきます。はじめは思いつく限り書きますが、最終的には、かなり詳しいイメージ出来る人物像にしていきます。たった、1人の為に作るお店は、とても分かりやすく、共感を得やすいからです。
3.ターゲットとなる人物が行きそうな競合店を書き出します。
・経済産業省の人口分布を年齢別、性別で調べる。
・ウェブサイトで、口コミを調べる。
・自分だったらどうやってお店を選ぶのかを考える。
・ターゲットの人物像に、なりきって考えてみる。
4.そのお客様がどのような思いで、他の競合店を選ぶのか、ということを書きます。
・クライアントのお店を選ばずに、競合を選ぶ理由を書いていきます。
・ウィークポイントが見つかる代わりに、差別化を発見しやすくなります。
ひととおりここまで考えたら、もう一度ターゲットを考えてみたり、競合を考えてみたりといったり来たりしてみます。ここで整理された状態で、プロジェクトに合った最適なコンセプトストーリーを構築していきます。
4つの繋がりを見つけて、お店の方向性を決める
お店のブランドを中心にターゲットと競合店舗とお客様心理の方向性を3つに絞る
書いてみた「わっかマーケティング」には、同じような方向性が生まれてくることがります。それをひとまとめのグループに置き換えます。グルーピングしていくうちに、3つに絞り込んでみます。
一度わっかマーケティングをもって、外へ出かけよう!
一度、完成したら、外出し、実際出店する物件周辺を歩いてみましょう!自分で書いた内容と歩いている人や競合他店が、そのようなお客様で賑わっているかを市場調査します。
追記して一つに決めれば、あなたのブランドコンセプト
最後に会社に戻り、街で見たもの、感じたもの、聞いたものを書き込み、修正し完成です。これで、あなたの目指すお店の方向性が見えてきたはずです。
まとめ
差別化できる店舗のコンセプトを見つけるには、
1. A3一枚で書くことで、頭の中を整理できる
2. あなたとターゲットと競合店舗とお客様心理の4つを書き出す
3. 4つの繋がりを見つけて、ひとつの方向性を決める
このポイントを外さないように気をつけるだけで、人が集まるあなたのオリジナル店舗になっていきます。