夜から昼業態へシフト!?なぜランチは行くのに、居酒屋にはいかないのか?

昼業態で人を集めるために、一番重要なポイントは、通行人から見て店内が見えやすくなっているデザインです。なぜなら、通行人が一番の見込み客だからです。正直、私個人的な意見としましては、一部は変化しますが、いつか日常は戻ると思います。しかしそれがいつになるかわからないための対策は必要だと思っています。

昼業態で人を集めるための飲食店のインテリアデザインを考えるうえで大切なポイントは

光る対象物をガラス付近に置く
②換気を意識してドアを上げっぱなしに
③夜は、調光をかけて光のバランスを下から上への照射率も増やす

です。これを実現する方法として3つあります。

1.ターゲット(どの価格帯か?)を意識した業態開発を行う
2.店の雰囲気は明るくするために照明計画の変更(夜は落ち着ける雰囲気に)
3.昼業態を参考に、メニューを考える。(昼業態の客単価はランチとは別に。ソフトドリンクがメイン。アルコールはサブ。)

上記のポイント、デザインパターンを活用することで、コロナにも負けない店舗に繋がります。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。

上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。


このまま夜業態から昼業態へ移行してしまうのか?

ランチは良いが、ディナーが来ない?!

ランチの需要は戻ってきています。しかし、もんだはディナーの需要です。コロナ発生し、緊急事態宣言がされ、自宅で仕事を始め、家での食事がメインになってくると、家での食事の充実度を上げたくなってきたはずです。

「夜、飲食店でなくても家で飲もうかな」
「もっと広い家なら友人も呼んでディナーするのもありかな?」

という考えも生まれてきています。そうなれば、ディナー需要は、もしかしたら完全には戻らないのかもしれません。

このままアルコール需要は減り続けるのか?

「アルコールは身体に良くない!」
「酔っ払いは嫌い!臭い!」

というイメージもあります。そこにコロナが発生し、アルコール離れが拍車をかけているのです。

しかし、見方をかえて家でのアルコール消費としては、東京だけではなく、ロックダウンした都市ではアルコールの消費量が増えているようです。今までは外で体を動かして疲れて寝るような人々も、家にいるのでお酒を飲んで寝る生活が増えたのかもしれません。

アルコールは娯楽です。人の欲望がそう簡単になくなるとは思えないので、どこかで欲望を満たすためにアルコールは飲むことになるでしょう。

夜から昼への業態変換しなくてはいけないのか?

これは需要と供給のバランスによって、集客力が変化してきます。単純に夜需要が無いから昼業態へとなると、そこには様々な競合が集まってくるはずです。そうなればお客様の取り合いとなり、低価格化が進んでいきます。なので、付加価値をつけて業態開発をしないといけなくなります。

逆に考えると、夜の業態が減っていくことを意味しています。特に大手チェーンの業態が減っていくことになるでしょう。そうなれば、その業態でアルコール離れやコロナ対応をしていることを前提に、うまくブランドイメージを作れた飲食店がヒットすることになるかもしれません。

昼業態にした時の売上は大丈夫なのか?

実際に定食屋をイメージしたときの売上

昼業態にしたときの、20坪ある店舗の売上はどのように考えれば良いのでしょうか?

20×1.5/=30
30×満席率60%×1000×5回転×25日営業=225万円/

回転率を上げてみる

回転率を上げるにしても、ランチタイム3回転、ディナータイム2回転をイメージしています。朝を行うか、アイドルタイムに新たなメニューを投入するかしなくてはいけません。

単価を上げるのはどうでしょうか?

30×満席率60%×2000×5回転×25日営業=450万円/

これでようやく成り立つくらいに戻ってきています。平均客単価をアップするためにはどうしたら良いのでしょうか?

ランチ1000円以下をイメージする人が多いと思います。高くしすぎれば、お弁当を作ってくるようになるかもしれませんし、コンビニ弁当も松屋もあります。そうなれば、夜の定食単価を2000円以上にしていく必要があります。しかし、イメージ的にはアルコールを飲まない人も増えるはずなので、1500円~3000円くらいに落ち着くのかもしれません。

ちょっとオシャレな空間で、ノンアルコールカクテルもあり、ファミリーで行きやすい空間であれば、単価も上げることが出来るかもしれません。また、高級食材、高いクオリティーの料理が出せる店舗であれば、客単価は5000円以上になってくるはずです。

席数を増やすのはどうでしょうか?

店舗面積を50×2/=100席となります。店舗面積が大きくなれば、席効率も上がりより多くの席数を確保することが出来ます。

100×満席率60%×1000×5回転×25日営業=750万円/

ここでの問題点は、集客力と家賃です。店舗面積が大きくなれば家賃も上がります。これは固定費が大きくなることを意味していて、集客力が落ちれば一気に経営悪化となります。リスクが高いということになります。更に近年は小型店舗がプライベート感があり、人気店舗はほとんど小さい店舗でした。その需要は今後も大きな変化はないかと思います。

しかし、この面積ではBOX席や広めのテーブル席など様々な店舗設計の提案が可能になります。集客さえできれば理想的なのかもしれません。

ターゲットによって大きく考え方が違う!

低価格帯に来るお客様層(2000円以下)

これが一番多い顧客層です。安い居酒屋に行っていた層は、飲むのが好きな人、日常食で使っていた人が多いはずです。飲むのが好きな人は、コロナであっても関係なく行く可能性が高いです。日常食の人々は居酒屋から定食屋に移行していきます。需要は2手に分かれる傾向にあるということです。

中価格帯に来るお客様層(30006000円前後)

個人の専門料理店で多い価格帯です。サラリーマン、OLの働く層が行っていました。ちょっと美味しいものを自分のご褒美に。同僚や先輩と打ち上げで。この層が都心部からテレワークによって一気に減少しています。

観光客もこのお客様層に多くいました。コロナによってインバウンド需要がほぼなくなりました。

高価格帯に来るお客様層(1万円以上)

富裕層はあまりお金は関係なく食事をする層です。更にもともと全体ファイが少ないです。店舗も個室であったり、カウンターでも限られた人数しか食事をしません。自宅にシェフを呼ぶことも出来るので、需要としては落ちづらいです。しかし、全体的に経済が下がっていますので、富裕層も減っていく可能性もあります。

昼業態への移行はワクチンが出ても続くのか?

コロナ後の今、昼業態が強いが、ワクチンが出てもそのまま続くのでしょうか?コロナ疲れという言葉も出てきたように、コロナが長期化していくと、人々はコロナ自体にも慣れてきて、飽きてくる人も多く出てきます。そこにワクチンが出てくると、インフルエンザーのような感覚になってくるはずです。そうなれば、夜業態にもお客様は戻ってきます。

しかし、来年ワクチンが出たとして、お客様が戻ってくるまでには2~3年は、かかるかと思います。しかも全ては元通りにはなりません。この23年で大きく外食産業の構図も変わってしまうからです。今後のスタンダードを決める時期がここ数年ということになります。

店舗デザインは何が、どのように変わるのか?

ファーストフード、カフェ、定食屋、パン屋などの昼業態を参考にする

ファーストフード、カフェ、定食屋、パン屋などの昼業態を参考にしてみましょう!居酒屋をファーストフードのような雰囲気にするということです。そこで、居酒屋が良かったと思っていたポイントと、ファーストフードの引き続き人気であるポイントを組み合わせた店舗デザインを考えていくのです。

これはメニューなどの運営方針も一緒に考えることが必要です。たとえば、

  • アルコールを残しつつ、昼主体の飲食店にする方法
  • 昼業態の客単価は、ランチとは別に考える。
  • ソフトドリンクがメイン。アルコールはサブで置く。

などなど、他のうまくいっている業態を参考にすることで、新たなアイデアが出てきます。

店舗の雰囲気は明るくするために照明計画の変更

夜を中心としたライティングデザインをしていると、昼はとても暗く感じてしまいます。そこで昼の照明計画にします。ガラス張りの店舗ですと、昼はガラスの反射で外からは、店内が見づらくなります。照射させたり、光る対象物をガラス付近に置くことで、外から見えます。そもそも換気を意識してドアを上げっぱなしにしている店舗もよく見かけるようになりました。

夜は落ち着ける雰囲気を創り出す

あくまで飲食店ですので、夜になれば雰囲気を保つ必要があります。調光をかけて光のバランスを下から上への照射率も増やすことも必要です。その際に壁面照度を高く保つことで、感じる空間の明るさは明るく感じるはずです。

まとめ

夜から昼への業態変換をすべきかどうか?そして、するとしたらどのような点を気をつけるべきか?

多店舗展開など大きなシェアを目指す場合は、昼業務へシフト。少数店舗であれば、やりたいことをやるべきです。

昼への業務変更する場合は、

1.ターゲット(どの価格帯か?)を意識した業態開発を行う
2.店の雰囲気は明るくするために照明計画の変更(夜は落ち着ける雰囲気に)
3.昼業態を参考に、メニューを考える。(昼業態の客単価はランチとは別に。ソフトドリンクがメイン。アルコールはサブ。)

この3つのポイントを意識することで、これからの店舗デザインが生まれます。

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