今日はデリバリーやテイクアウトといった新たな外食の流れは続くのか?というテーマですが、結論から言いますと、現状は各店舗トライアンドエラーを繰り返し、データをうまく活用できた飲食店が伸びるという結論です。(すみません。。答えが出せていなくて、、)よって結論がありません。
しかし、考える上で大事なポイントは、外食をする理由を考えること。
A料理を作る時間がない
B会話を楽しんだりや情報交換のコミュニケーションのため
C誕生日や記念日などのイベントにするため
D情報収集や経験のため
E人と出会うため
それを実行するために下記の3つのステップを繰り返していきます。
1 実行するために外食ではなく、テイクアウトやデリバリーで済むものは?
2 実行後の売上や集客の数値の検証
3 そこから得たデータから次へのアイデアへ
という視点で考えていくことで、テイクアウトやデリバリーの新たな業態開発へとつながります。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。
コロナ後、リモートワークが進むと外食に与える影響は?顧客視点で考えてみる。
気分的に家で仕事ができるのか?そこでの食事は?
コロナ後、すべての業務が家でできるわけではありませんが、、、
- 子供がいると、どうしても気になり、ぶつ切りの業務で効率が悪くなる。
- 自分のしごと部屋がないので集中できない
- 現地へいかないと解決できない業務がある
など、実務、場所、精神的面で出来ないことが多いのです。自宅での仕事をするには物理的なものだけでなく、家族などの協力体制のもと環境整備が必要です。その際の食事は、
- 家でちょっとした料理
- コンビニ、弁当屋で買ってくる
- 近くの定食屋、ラーメン屋のようなランチを行なっている飲食店
- 飲食店でのテイクアウトやデリバリー
住宅地での飲食は比較的住民に対する飲食店が少ない傾向があります。更に仕事では時間がとても重要ですので、時間があまりかけられません。そうなると中食が優勢になります。住宅地の飲食店としましては、テイクアウト、デリバリーの選択肢もありです。
コワーキングスペースでの仕事とランチ
利便性の高いところに多いコワーキングスペース。オフィス立地と商業立地にあるため、飲食店やコンビニなど外食も中食も豊富です。ですので、オフィスワーカーのためのテイクアウトやデリバリー、キッチンカーなど共有は元々多いです。ここでの新規参入での競合が増えるだけになりそうです。
場所は関係ないのか?地方での仕事に不自由はないのか?
リモートワークが進むと、働く場所が関係なくなっていくはずです。本当に地方での不自由はないのでしょうか?それは地方でも人口数によるかもしれません。中食でも外食でも人口が多いところには多く存在します。ですので、地方であっても地方都市は増えるかもしれませんが、外れた郊外では中々難しいのかもしれません。
観光立地でも働くことも同じく、「出来る業種と出来ない業種」「出来る業務と出来ない業務」を分けて考える必要があります。あなたの仕事で、リモートワークが出来るもの出来がいものを分けた上で、判断する必要が出てきます。
それに応じて食事も同じように需要が生まれます。
まとめると、
・今は人がいないが、リモートワークによって人口が増えそうな場所を探す!
・商業立地、オフィス立地ばかりではなく、住宅地やリゾート地でも可能性が出てくる!
・どこでも仕事が出来るというより、環境が整っているところに集まる!
一人暮らしの食事は面倒!家族との夕食はコスパ重視!スーパーの惣菜?たまにはテイクアウトか?
コスト的には、外食の代わりにデリバリー。家庭料理の代わりにテイクアウト。といったところでしょうか?
コストの考え方は人によって異なります。お金(紙幣)と時間の比重と関係してきます。お金が重要だと考える人と時間が重要と考える人によって、判断が異なってきます。
デリバリーは運ぶ分、コストがかかってきます。デリバリーか外食かの選択する本質は、
- 行く時間がもったいない人はデリバリー
- 金額がもったいない人は外食
テイクアウトは料理を作る手間(時間)を減らします。家庭料理かテイクアウトかを選択する本質は、
- 安い食材で料理をして、美味しく食べたい人は家庭料理
- 料理の手間(時間)を減らしたい人はテイクアウト
コロナ後、デリバリーやテイクアウトサービスは本当に日本に定着するのか?
中食と外食の棲み分けがなくなる?
コンビニがイートインコーナーを作り、外食がテイクアウトをする。この流れは、中食と外食業界の棲み分けがなくなることになってきます。更に進むかは分かりませんが、コンビニで居酒屋メニューを売り出していますので、そのうちイートインで居酒屋になるかもしれません。
居酒屋も新鮮な魚料理や焼鳥などを店頭でテイクアウトやデリバリーを始めますと、FC展開で店舗数を増やし、家の近くの惣菜は、居酒屋になるかもしれません。
いままでの中食とテイクアウトとデリバリーの特徴
中食とテイクアウトとデリバリーのメリット・デメリットを比べてみましょう。
メリット | デメリット | |
中食であるスーパーやコンビニ |
いろんな種類の食品を買うことが出来る、コストが安い、作りたてが食べられる。 | 調理をしなくてはいけない、メニュー数や味は自分の能力による |
テイクアウト | お店の料理を家で食べられる、料理をしなくて良い | そのお店の得意料理しか変えない、出来たてではなく冷めてしまう |
デリバリー | 家から出なくても良い、お店の料理を家で食べられる、料理をしなくて良い | 割高、出来たてではなく冷めてしまう |
そもそも外食する理由はなんだろうか?
A料理を作る時間がない
- 家で作るのが面倒だから
- 用事で出かけたついでに
B会話を楽しんだりや情報交換のコミュニケーションのため
- 同僚とコミュニケーションを深めるため
- 友人や家族が遊びに来たから
- 家に招待するほど、大きくもキレイでもないから
C誕生日や記念日などのイベントにするため
- 特別な気分になるため
- デートで雰囲気を楽しみたいから
- 気持ちが豊かになるから
D情報収集や経験のため
- 評判のイイお店を知るため
- たまには違ったモノを食べたいから
- 美味しいモノが食べたいから
- 地場産の新鮮なモノが食べたいから
- 家庭では作れない料理が楽しめるから
- 栄養バランスの良い料理を食べたいから
E人と出会うため
- バーで気の合う仲間と知り合う
- 小料理屋で店主と仲良くなる
日本に定着するのは?目的によるのか?これからの需要を考える
前項で挙げた「外食理由」の分類で、飲食店が本当に必要とされていることをピックアップしていきます。
A料理を作る時間がない→日常食は中食と競合する!
この思考は、コンビニやスーパー、激安居酒屋などと競合します。コスト勝負となります。吉野家や松屋のような牛丼は、「家で食べるより美味しいし安いし早い!」これが指標です。更に便利な立地にある必要もあります。駅前とかではなくでも、「家から近い」「通勤の通り道」であればいいのです。
B会話を楽しんだりや情報交換のコミュニケーションのため→オンライン飲み会でもいい!
会話を楽しむために飲食店を利用していた層は、オンライン飲み会でもいいかもしれません。「話を聞いてもらいたい!」「今なにしてるの?」など知っている人との情報交換は、飲食店でなくても良いことも出てきます。オンラインのほうがより気軽にコミュニケーションが取れるからです。
しかし、「一緒に食事をして料理の話をしたい!」「一緒に遊びに行ったあとを同じ経験を共有したい」などの経験を共有する場合は、飲食店が必要です。
C誕生日や記念日などのイベントにするため→外食が必要!
特別な日のイベントでは、料理だけではなく、サービスや接客も含めた雰囲気、演出が必要になるからです。家での誕生日会も子供にとっては楽しいことです。しかし、大人になるにつれて、感動が薄れてきます。より高いクオリティサービスが必要になったときに飲食店は必要になります。
D情報収集や経験のため→youtube、ネット情報などのレシピと競合!経験は飲食店が必要
ネットによって、情報は得ることが出来ます。情報としての知識が必要であれば、ネットで十分です。しかし、それを食べて経験、体験したい!となりますと、飲食店が必要となります。地場でしかとれない食材、その人しか作れない料理など本当に価値のあるものが見えやすくなる時代です。
E人と出会うため→お客さん同士は、ネットへ移行!店員さんとは飲食店で!
実店舗で偶然出会った人と仲良くなることは、昔はよくありましたが、今はネットで出会うのほうが増えています。ネットで趣味嗜好が合い、本当にあってみる。という流れです。場所の制限もありませんし、時間も比較的融通が聞きます。しかし、店員さんとのコミュニケーションに限っては、飲食店が必要になります。
オンライン飲み会は定着するのか?飲食店に与える影響は?VS 飲食店はやっぱり対面でしょう!
実際にオンライン飲み会をやってみた!
オンライン飲み会の率直な印象は、意外と楽しい!久々の仲間との会話は、実は同じ場所に集まらなくてもいいのかもしれませんね!「〇〇駅のイタリアン行きましょう!」「あそこのホルモン焼美味しかったですよね!」などの共通の経験話が出来ないことが欠点なのかもしれません。
そう考えると、手軽なオンライン飲み会をはさみながら、リアルな飲み会をやることによって、より親密な関係を気付けるのかもしれません。これが私が思うこれからの飲食店でのコミュニケーションなのかもしれません。(2020.0517現在)
オンライン飲み会と飲食店飲み会との比較
オンライン飲み会は、コミュニケーションのやり方がちょっと違います。飲み会がドッチボールで、オンライン飲み会はキャッチボールというイメージです。会話が同時に話せないので、「あ、いいよ!話して」っていう場面が出てきます。そうすると、ちょっと話づらくなります。メリットはちゃんと相手の話を聞くことが必要になり、誤解をうみづらくなります。
10人くらいの大人数になると、店舗での飲み会では2~3グループに会話が分かれますが、オンライン飲み会は一つの会話に全員が参加します。これは、みんなで一つの会話を共有する点ではとてもいいことです。逆に、おもしろい話をしていればいいのですが、あまり興味のない話をされていると時間の無駄と感じる人も出てきます。
オンライン飲み会に外食ビジネスは関係あるのか?
デリバリーが唯一関係があります。例えば、事前に同じメニューをみんなにデリバリーしていて、同時に楽しみます。それが、どこかの地場産の料理でしたり、人気店メニュー出したりすると、飲食店に近い体験ができるのかもしれません。
飲食関連の新しいプラットフォームってどんなのがあるの?
クラウドキッチンとは?何がメリットなのか?
出前専門の調理施設のことです。厨房機器のみが置かれている施設で、オンラインのデリバリーサービスです。
通常飲食店舗より固定費がかかりません。それは、
- 物件面積が厨房だけなので小さいから
- 物件家賃が安いところでもよいから。
- 複数店舗で機材も含めてシェアできるから
デリバリーの発展でやりやすくなります。
- デリバリーが日常化すれば、利用率も上がる
- 初出店の際のイニシャルコストが安い
- 同業種での助け合いも期待できる
今までの世代より若い世代が牽引するか?
- 生まれた時からスマホやPCが身近なデジタルネイティブなミレニアム世代
- スマホで育ったジェネレーションZ世代
ネットフリックスなどを見ながら食べるなど時間確保のために変化が生まれてきています。もともとスマホが当たり前に育った世代は、ネット上ですべてのものが住んでしまう傾向があります。
ミレニアム世代とZ世代の考え方の違いを知ろう!
ミレニアム世代 1980年から1995年の間に生まれた世代
- 将来に対する楽観的な考え方
- 伝統的な仕事観や上下関係を重視する点など、保守的な側⾯も持ちあわせている。
- 努⼒や訓練が必要なことはやりたくない、⽬⽴ちたくない
- 声をあげても世の中は変わらない、努⼒しても報われないことが多い、など⼈⽣を悲観的
- 情報感度が⾼いが、⼈⽬が気になる⼈が多い
- ミニマリズムを重視し無駄なモノを持たない暮らしを好む
- モノを持つ「モノ消費」より、旅行やボランティア活動への参加など、何かを体験し経験を得る「コト消費」
- 健康意識が高い
- 副業をして副収入を得たり、スキルアップして起業やフリーランスとして独立したりする人が多い
Z世代 1996年から2015年の間に生まれた世代
- 現実的な視点を持っている。
- 社会問題について仲間と意見交換する傾向が強い、自分の意見を表明する。
- 「簡単で手間がかからない」といったイメージを嫌う
- 本来の使用方法や形状、機能から逸脱させて使用する。
- プライバシーの取り扱いに関しては慎重
- 「みんなが買うから買う」のではなく「心を揺すぶられたから買う」という感情に購入する
- SNSに投稿したら話題になりそうなものを好む
- 体験をすることで人間性を高めたい
- 懐かしさやアナログに触れる体験を得たい
4.2どんなのがあるのか?
クラウドキッチンズ
Uber創業者が2016年にスタート。
キッチンユナイテッド
高額な不動産賃貸、内装費に負担をかけさせない、新しい飲食ビジネスを想像すると口言している。400箇所の飲食用コワーキングスペースを開き、5000以上の厨房を作ることを目標にしている。
KITOPI
ドバイで生まれたクラウドキッチン。厨房だけではなく、注文から料理準備までのフルサービスで請け負う。
vircual kitchen
お気に入りのレストラン、地元の小料理屋にとって、メリットがあるオンラインデリバリーを目指している。
外食産業の新しいビジネスアイデア in Japan
未来の一歩手前を狙う!セントラルキッチンでシズル感は店舗に残す
セントラルキッチンで仕込みを行う施設として位置づけます。
- 各店舗、厨房はシェアします。
- 各店舗に食材を配送します。
- 焼く、蒸す、揚げるなど簡易的な調理に限定します。
- 調理のシズル感を提供します。
- 最小限の厨房スペースにします。
- 客席は通常通り席を確保します。
採用するメリット
・物件面積の縮小化により、家賃削減
・キッチンスタッフの時間削減
・厨房設備投資の削減
・商品力に必要な味付けなどの統一化
・できたてのシズル感での満足度はそのまま
客席と厨房の完全分離店舗
デリバリーやテイクアウトを専門とした店舗
- 店舗に調理厨房を設置しない客席メイン
- ドリンクスペースのみ設置
- デリバリーやテイクアウトをしたものを食べるスペース
採用するメリット
・物件面積の縮小化により、家賃削減
・キッチンスタッフの時間削減
・厨房設備投資の削減
・原価率の低いドリンクのみ販売
・コミュニケーションスペース提供
まとめ
それを実行するために下記の3つのステップを繰り返していきます。
1 実行するために外食ではなく、テイクアウトやデリバリーで済むものは?
2 実行後の売上や集客の数値の検証
3 そこから得たデータから次へのアイデアへ
という視点で考えていくことで、テイクアウトやデリバリーの新たな業態開発へとつながります。
いかがでしたでしょうか?いま、外食産業だけではなく、ビジネスの変革期が来ています。今のうちに色んなものを想定して、企画をしておく必要はありますね!少しでも参考になれば幸いです。