外食産業は本当にレッドオーシャンなのか?コロナで変化するこれからの飲食業態とは?

外食産業はレッドオーシャンだ!

日本の飲食店は安くて美味しい

外食産業は古くから存在する業界です。もともと誰でも参加しやすく手軽に開業できると思われています。日本では、フランチャイズチェーンのメニュー開発力はとても優れていて、安くて美味しい飲食店が数多く存在しています。首都圏なら食べるところは選びたい放題。「外食産業はレッドオーシャンだ!」という方々が数多くいらっしゃいます。本当にそうなのでしょうか?

レッドオーシャンとブルーオーシャンとは何?

そもそもレッドオーシャンとは、なんなのでしょうか?ブルー・オーシャン戦略とは、 INSEAD (欧州経営大学院)教授の W・チャン・キム  と レネ・モボルニュ  が著したビジネス書です。外食産業に限らず全ての分野において書かれた経済戦略論です。一度読んで見るといいかもしれません。興味深い内容です。概略を飲食店でいいますと、下記の表です。

レッドオーシャン ブルーオーシャン
みんなが参入している外食分野で戦う

・競合店との差別化を図る

同じターゲット層を奪い合う

・まだ参入が少ない外食分野を切り開く

競合店のない状態を作る

・新たな需要を作り出し、お客様を変える

外食業界のブルーオーシャンはどのように見つければいいのか?

では、どのように外食産業のブルーオーシャンを見つければいいのでしょうか?それはそもそも飲食店の目的を考え直すことがヒントになります。

飲食店は食事をするところです。ただそれだけであれば、家での食事で良いはずです。「食を楽しむ場」として、家での食事では出来ないことを、飲食店が提供していたはずです。

飲食店の価値の変化

飲食店はもはや味だけでは来てくれない?!

美味しい料理では人が集まらない時代。美味しさとコストを競い合った事で、レッドオーシャンになってきました。

少し昔までは、料理やドリンクの味が家庭では食べられなく、良い食材も手に入れづらかった時代でした。しかし、中食産業の発達、調理器具の発達により、コンビニやスーパーでも美味しい料理が食べられるようになりました。さらにインターネットの普及で、クックパットとような気軽にレシピが見れるようになり、ネット通販で良い食材も家庭で仕入れられるようになりました。このような時代に求められる飲食店は、もはや味だけでは無くなってきています。

コロナでチャンス?!飲食店の価値向上。

コロナで人との接触が避けられるようになりました。それにより飲食店は敬遠されるようになりました。特に夜の業態は大打撃。昼業態は意外とお客さんが入っています。これは、何故でしょうか?いくつか予想されることはありますが、周りの目を気にする日本人ならではの現象です。企業は5人以下の飲み会はOKといった人数制限を設けていたり、もし部署内の飲み会でコロナ感染したら、どうしよう、、、というリスクを避けて夜の飲み会を敬遠している傾向にあります。

オンライン飲み会というニュースも流れましたが、実際やってみるとやっぱりあった方がリアルで楽しい。これらの体験が、逆に実際に会うことへの価値が高まったことになったはずです。

新たな業態を見つけるヒント

ブルーオーシャンは、業界外の考え方にヒントがある?!

食を楽しんでもらうには、エンタメ業界。特別な気分を味わうならホテル業界。文化を感じるならアート業界。華やかさなら、ファッション業界。趣味や特定の仲間と楽しむならアニメ業界など、独自の切り口が外食産業に入ってくれば、より楽しくなるでしょう!

コンビニがやらなそうなことを探す。

日々コンビニが進化しています。パン、デザート、お酒のおつまみなど商品開発が、進みクオリティが上がってきています。飲食店にとってとても脅威です。味のクオリティを担保しながら、安価な価格帯で、人手がかからない自動決済も導入され始めています。

コンビニは、次どのようなことをやるのでしょうか?

飲食店にしか出来ないことは、あるはずです。そのためには、コンビニがやらなそうなことを探すべきなのです。仕組み的に出来ないことや、コンビニのコンセプトから外れていることなどです。

例えば、コンビニやスーバー、お弁当屋さんは、低価格帯のテイクアウトしかない。専門料理店ならではの高価格帯のテイクアウトメニューはどうか?家では体験できないメニューを提供していくには?と考えていことが必要なのです。

他業界のノウハウがヒントに?!

外食産業は古くからある業態なので、なかなか新しいやり方、考え方が入っていません。フードテックといったIT業界も日本ではまだ入ってきていません。このような業界の現状なので、まだまだ外食産業は発展するポテンシャルがあると思っています。

食を楽しんでもらうには、エンタメ業界。特別な気分を味わうならホテル業界。文化を感じるならアート業界。華やかさなら、ファッション業界。趣味や特定の仲間と楽しむならアニメ業界、便利に楽しくするIT業界など、独自の切り口が外食産業に入ってくれば、より食も楽しく、発展する可能性があります。

まとめ

このようにレッドオーシャンに見えても、外食業界にはまだまだブルーオーシャンはあります。新たなお客様需要を見つけ出し、ライバル店舗がいない、競争のない状態を新たな業態を見つける必要がります。そのためには、次の3つのことを頭に入れて、業態開発をすべきなのです。

1.食事の時間を楽しんでもらう場の提供という考え方
2.他業界にとって当たり前のノウハウを活かす
3.これからも進化するコンビニに出来ないことをやる

飲食経営者、外食関連業者の皆様とともに、発展できる未来を作っていけたらと思います。

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