テイクアウトに特化した飲食店デザインで、一番重要なポイントは、オペレーション設計です。なぜなら、収益のバランスを変えることで、コスパの良いメニューを提供できるからです。
テイクアウトに特化した飲食店で、オペレーション設計を考えるうえで大切なポイントは
①テイクアウトに必要なものだけを残す
②テイクアウトに不必要なものを徹底的に無くす
③テイクアウトでの顧客の利便性を考える
です。これを実現する方法として5つあります。
①スマホや店内のセルフオーダーのUIを顧客視点でデザイン
②わかりやすいサイン計画
③商品受け取り方法を明確にする
④ドリンク場、レジカウンターをスタッフ導線からお客様導線へ変更
⑤お客様導線からトイレを無くす
ブルースターバーガーでは、上記のポイント、デザインパターンを採用しています。これからの発展が楽しみな店舗です。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説しています。
テイクアウトを主体の飲食店の今後の参考になる店舗発見!?
テイクアウトの店舗開発の仕方はどうすれば良いのか?
現状、コロナによって各飲食店は、既存の店舗にテイクアウトの窓をつけたり、店頭販売したり、看板だけつけたりと、とってつけたテイクアウトコーナーばかりです。そもそも最初からテイクアウトを主体として業態開発をしてないので、仕方ないのですが、今できている店舗も同じようなものを作っている飲食店が見られます。補助金が下りるからといって、とりあえずつけてる感が否めません。。。
テイクアウト主体の実例はあるのか?
そもそも飲食店の業態開発を既成概念を取っ払って、実行している外食企業は少ないと思います。なので、テイクアウト主体の業態で、参考になるものは今までありませんでした。しかし、今回ご紹介する「BLUE STAR BURBER(ブルースターバーガー)」さんには、衝撃を受けました。
コロナ後、テイクアウト主体の店舗は人気店になるのか?
これからのことはやってみないと分かりませんし、ブルースターバーガーさんの売上も知らないので、なんとも現状言えません。しかし、実際店舗を体験したら、「これは便利!」と思ったので、他の専門業態にも派生する可能性があります。
ブルースターバーガーを体験
違和感のあるブルースターバーガーの店内
今日は既成概念を捨てて、必要なものだけ残すと、新しい飲食店はまだ出来る!というテーマでお話ししたいと思います。
中目黒にあるブルースターバーガー。テイクアウト主体のハンバーガーショップ。一見外観から見ると、おしゃれなハンバーガーショップなのですが、中に入ると
「何かが違う、、」
と違和感を感じます。
普通の飲食店にあるものとないものを見つける
店内を見渡し、普通の飲食店にはあるものがないと、行動に迷います。確かに初めて入ったお客様は、戸惑っています。おじさんは、店員さんにスマホかセルフレジと聞いて、出てっちゃいました。顧客を選んでいる業態なんですね。(もうすぐみんななれると思いますけど、、、)
・受付カウンターがない
・席がない(スタンドバーがある)
・ドリンク場がない
・トイレがない
と普通の飲食店にあるものがないんです。
・ロッカーのような商品棚がある
・セルフレジがある
・ドリンクバーがある
客席側にあるものです。
スマホアプリのUIが使いやすい!
注文方法は、スマホが基本。店内にもセルフレジもあります。
まず、びっくりしたのは、このアプリのUIがとても使いやすいこと。これは、メニュー数を絞っていることも要因の一つになっています。
GPSで近くの店舗を選べるようになっています。(まだ一店舗ですが、多店舗展開すると便利になっていく仕組みですね)
メニューを選び、支払いをすると、出来上がり時間が出てきます。(これによって店内に人が並ばず、店内の滞在時間が少なくなっている)
店舗設計
店舗設計は、全体が厨房のような設計となっていて、そこにお客さんが少し入れる感じです。
・バンズの収納は見せてシズル感につなげています。
・ロッカーのようなテイクアウトカウンターの下は収納になっていて、店内側と繋がっています。
・全て土間敷で、ドリンクコーナーの壁にレンガが貼ってあるくらいです。
・照明は多く配置されていて、明るめの照明計画になっています。
店舗の分析
スマホオーダーとスマホ決済を成功させるには、UIデザインが全て!?
今までの飲食店は、対人でのサービス力を競っていました。より親切に、スピーディーに、笑顔で。それが今後IT化によって、人によって効果的なサービスと、ITを使った方がより良いサービスにつながるものを判断していかなくてはいけません。実はここにとっても疎いのが、外食業界の人たちです。というより、重要だと認識できていなく、真剣に取り組んでいないだけなんです。テイクアウト主体の飲食店だけではなく、他の飲食業態でもIT化は必須なのです。
キャッシュレス化は、内装コスト、人件費を大きく下げる
キャッシュレス化に二の足を踏んでいる飲食店オーナーさんも多いと思います。それはしょうがないですよね。だって、今まで長い間、現金商売だったんですから。。。でも、今が切り替えのチャンスなんです。コロナで非接触化と言われ、社会的にも認知され始めているからです。ここで変えなきゃ、いつ変わるんでしょうか?
そしてキャッシュレス化によって、レジ作業がなくなり、レジ台もなくなります。これが大きいです。
・内装工事的には、工事費削減
・不動産的には物件の小規模化で家賃減額
・運営的にはレジオペレーションがなくなり、人件費削減
こんな多くのメリットがあるので、検討の余地ありませんか?もちろんそれと引き換えに失うものもありますが、それは別の時にお話しします。
料理にお金の比重をかけて、コスパ良いメニューに
実は前項に引き続く内容として、売上のバランスも変わります。家賃(10%)、人件費(30%)が抑えられると、フード原価(30%)をあげることができます。すると、コスパの良いメニュー開発がしやすくなるわけです。お客様に還元ですね!
まとめ
ブルースターバーガーでの学びのポイントは、
1 受付カウンター、ドリンク場、トイレというスペースを削減したことによって、物件の必要面積が少なくなっているということ。
2 厨房スタッフ(3名いました)のみで、ホールスタッフを削減できていること。
3 お客の滞在時間を最小限にしていて、ストレスがないこと。(コロナ対策的にも好印象)
今回のブルースターバーガーは、牛角、すみれ、VANSANなど数えきれないほどの飲食ブランドを開発された西山さんが、新たに開発したハンバーガーショップでした。さすがとしか言いようがありません。私ももっと飲食店のことを勉強しなくては!と思った店舗でした。皆さんも一度体感してみてはいかがでしょうか?