飲食店を仕事場にするのに、一番重要なポイントは、働く環境の需要を見つけることです。なぜなら、テレワークや会社に立ち寄らない人たちが、一番の見込み客だからです。
働く環境の需要を考えるうえで大切なポイントは
①接待、会食は少なくなるが、リアルな会食の場は欲しい
②テレワーク利用は増えるが、仕事に集中したい
③オンラインミーティングが出来る環境がほしい
です。これを実現する方法として3つあります。
①仲間だけを呼べる場を貸す(会員制や知り合いのみの場など)
②ブースのような一人個室を作る
③背景がオシャレに見える空間を作る
上記のポイント、デザインパターンを活用することで、今後の飲食店業態開発のヒントになればと思います。私たちもクライアントともに挑戦してみます。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。
仕事の場であった飲食店はなくなるのか?
接待、会食は本当になくなるのか?
飲食店では、仕事の交渉の場として利用されることが多かったです。それはお酒を交わしながら、仕事以外の話をすることで、取引先と親密な関係になれるからです。
しかしアフターコロナでは、三密回避により、個室空間が敬遠されるようになりました。それは関係性が確立されていない他人同士での話です。家族や友人などより親しい関係性ですと、意外と大丈夫なようです。要するに、心理的な面がかなり大きい傾向にあります。
ですので、これから関係性を築こうとしている場合には、中々接待の場を設けることが困難になってくるはずです。
逆に元々取引があり、比較的親しい関係性がある取引先であれば、問題ないのかもしれません。
よって飲食店経営視点で見ると、減少傾向にあります。
近所のカフェで仕事人が急増?!
テレワークが進み、家で仕事をすることが増えてきています。緊急事態宣言が解除され、出勤するサラリーマンやOLが増えてきていますが、元どおりというところまできています。
テレワークでの問題点は、家族、特に子供がうるさく、仕事に集中出来ない!という点が大きな問題です。
そこで近所のカフェで仕事をする人が増えてきています。シェアオフィスやオフィス機能のある飲食店があれば、利用者は増える傾向にあります。
仲間や業者同士のミーティングはオンラインで!?
営業先や取引先のお客様は、気分的にもお伺いして、対面での交渉が根強いかもしれません。
しかし、業者間、仕事仲間とのミーティングはオンラインで問題ないケースが多いです。移動時間もなく、場所も必要ないので気軽に出来ます。
オンラインミーティングでの飲食店利用も増える可能性があります。住居に書斎のような機能がない方が利用ターゲットとなります。
テレワークにより飲食店が変革するのか?
今後テレワークはどのくらい採用されるのか?
緊急事態宣言の解除後、一気に街に人が戻りはじめています。やはり業務的に元々のやり方に慣れていて、テレワークに慣れない世代も人々も多くいたようです。企業側が強引に変革しなければ、変わらないのかもしれません。
どのくらい最終的にテレワークやオンラインを導入出来るかは、これからの判断となりますが、おそらく少数派からスタートになるのかと思います。
飲食店にとっては、街に人が戻れば、必然的に集客もしやすくなります。しかし、住まいに近い飲食店の方を利用する傾向にあります。住宅地を多く背負っている街は、都心部ほど街を歩く人が減っていませんでした。よって、飲食店のお客様の戻りも流行ったのです。
業務内容を見分け、ターゲット設定する
建築現場などモロ三密なのに、コロナ中、工事はほとんど止まりませんでした。
営業はオンライン化によって、中々慣れるまで時間がかかりそうです。元々、ネット集客ベースの企業は、影響はほぼなく、むしろプラスに働いたはずです。
設計やデザイン業務は、元々パソコンに向かう仕事なので、どこでもできるようになっていました。カタログもだいぶオンライン化が進み、端末が使いやすく慣ればなるほど、これは解決されるのも時間の問題です。
このように業務によって、適しているものと適さない業務をしっかり見分ける必要がありそうです。
ターゲット設定時にどんなお客様がどんな気持ちで来店されるか?をイメージしやすくなります。
企業のスタンスが二極化!?
これを機にオンライン化による働き方改革を進める企業と、従来のやり方でないと、効率が悪くなると判断している企業が二極化しています。
これにより飲食店に求められるニーズも多様化していきます。
ですので、その点につきましては、あまり深く考えすぎずに、本当に必要とされそうなものを単純にピックアップしていく方が、現段階では集客の近道なのかもしれません。
仕事場として何が求められるのか?
飲食店にどんな設備が必要なのか?
- Wi-Fi
- スマホやパソコンの電源
- 集中出来そうなプライベートな空間
- 会議内容を聞かれない個室
- アイデアが生まれる解放空間
- 集中力が増すBGM
- コピー機
- プロジェクター
- 端末接続の配線関係
仕事場としての飲食店にどんなメニューがあると好まれるのか?
- 目が覚めるコーヒー
- 思考が深まるチョコレート
- 気持ちが高ぶるアルコール
いままで求められているもので、敬遠されるものは何か?
- 相席が基本の飲食店での仕事のマッチング
- 仕事関係で大勢集まるパーティー
オンライン化はどのように外食業界を変えるのか?
元々増えていた需要に拍車がかかった!
オーダーシステム、決済システム、防犯カメラ、LINEによる顧客管理など、オンラインによる飲食店運営の導入は進んでいました。そこにコロナショックが発生したことにより、インスタグラムからの注文、オンライン注文によるテイクアウトが追加されています。今後、オンライン化のサービスや連動が多様化していくはずです。
まずは低価格帯でオンライン化を導入検討
いきなり色々と導入すると、慣れるのに大変です。少しずつ慣れていくことが大切です。まずはインスタグラムによるメニュー、空間、スタッフなどのブランドイメージを伝えながら集客する練習をしてみましょう!そして、顧客管理をどのようなシステムを導入するのかを検討しましょう。
どんな顧客管理システムがあるのか?
モバイルオーダーシステムとLINE連動
顧客との接点を多く作ることで、リピートを増やしていくことが出来ます。日本ではLINEでのコミュニケーションが高いシェアを誇ります。しかし、店舗側ではLINEのIDを交換する場面が少ないのです。
クラフトマルシェ by Kirin Cityで採用されているモバイルオーダーシステムでは、注文する際に友達登録をする流れになっていますので、自然とLINEのIDを店舗側で取得することが出来ます。それによって、リピーターのための特別メニューやお店のクーポン、イベント告知が可能になります。
LINEの公式アカウントでも出来る!
LINEには、店舗や企業のビジネス用の「LINE公式アカウント」があります。LINE公式アカウントは、2019年時点で開設数が300万件を突破しているようです。
使い慣れたLINEで、友達のように店舗側と会話が出来ます。予約も取りやすいはずです。出来ることは大きく3つ。
- 1対1のコミュニケーション
- 一斉にメッセージ配信
- クーポンやショップカードを配信できる
Liny
LINE公式アカウントを利用したCRM。収集した顧客リストから分析や自動配信など、LINEの顧客リストをしっかり持っている場合有効になってきます。
オンラインでは、まだ対応できない飲食店機能とは?
ミーティングはオンラインで、必要な時だけカフェで。
住宅地にあるかつ長居できる飲食店といえば、ファミレスやカフェになるはずです。しかし、低い客単価で長時間滞在されると、お店の売上が上がっていきません。そこで、カフェと会議スペースを分けている飲食店が出始めています。会議スペースは時間貸ししていて、カフェスペースは普通の飲食スペースです。
接待、会食は少なくなるが、個室の価値は増す。
接待、会食の出来る飲食店が減少傾向になると思います。そうなると、逆に残っている飲食店には価値が出てきます。コロナによって、個室需要は増えるはずなので、会食、接待が減少しても、ウリ方を考え直せば、空間利用はできるはずです。
テレワーク利用は増えるが、仕事場に特化した方が良い。
住宅地周辺では、テレワークではあるが家で集中できない人々が、ターゲットとなる飲食店が必要になってきます。仕事利用がしやすい環境を用意することが必要です。
- 集中できる
- 会議出来る
- リフレッシュできる
- 印刷できる
など、オフィス空間に必要なものを飲食店に取り込んでいきます。
まとめ
テレワークといった働き方が変わることによって、飲食店が実行すべきポイントは、
①仲間だけを呼べる場を貸す(会員制や知り合いのみの場など)
②ブースのような一人個室を作る
③背景がオシャレに見える空間を作る
上記のポイントを実行することにより、コロナ禍の新たな飲食店需要である仕事場の可能性は高まります!