アフターコロナで店舗設計の考え方が変化してきている
実際に使える席が減少
席数と満席率を上げることが、飲食店にとって売上向上に繋がっていたが、コロナ後は他人との距離感も設計基準の一つになりました。その一つの理由が、ソーシャルディスタンスによる席数の減少です。他人との距離感を意識した店舗設計は今までありませんでした。むしろ、席数を取るために席が密接しているお店が多かったのです。
満席率の高い席配置より、コロナを意識した席配置の方が良いのか?
満席率の高い席配置といえば、横並びのテーブル席です。2人客から20人のグループ客といったフレキシブルな人数対応が出来るので、満席率が高く稼働できた席レイアウトです。しかし、2~4人客が複数グループが、近くで食事をすることになりますので、アフターコロナでは、席数を減らすことになったのです。
いつまで続くのか?コロナ対応は無駄になるのか?
今、出店計画を考えている店舗で、コロナ対応をして、今後ワクチンが開発され、普及したときは、この対応が無駄にならないのでしょうか?2~3年は、対応が必要とされるとは思いますが、5年後、10年後はどうなっているのでしょうか?未来をいくら想像してもそのとおりにならないことが多々あるので、やはり直近の対応をすることで、2~3年で投資回収を目指すほうが、得策と考えます。
アフターコロナでどのような席が、お客様に好まれる店舗設計なのか?
グループ同士がソーシャルディスタンス
もちろん他人との席が離れている方が好まれます。しかし、同じグループのお客様同士は、あまり気にしていません。ここがポイントとなります。全部の席を離す必要はなく、席自体は今まで通り小さな席でも問題はないが、グループごとの席を離すことが出来るようにすれば良いのです。
他人と視線が合わない席
他人と視線が合わない席が好まれます。それは個室、パーティション、席の向きが意識された店舗設計であれば、お客様は安心して食事ができるようになります。これは、アフターコロナでなくても求められていた設計ポイントでもあります。
ファミレススタイルのプランニングが良い理由
ファミレスの店舗設計は、ファミリー対応するためにボックス席が多くあります。これは、いくつか利点があることにより、採用されています。
・子供が他のお客様に迷惑をかけづらい
・ベンチソファで大人の間に子供が座れる
・子供が寝れる
・ファミリーの空間が生まれる
などといったメリットが多いので、人気な席としてあります。アフターコロナでは他の飲食店にも必要な席になりました。
店舗設計時、プランで気をつける点は何か?
席数欲しいが、どうしたら良いのか?
席数に影響するのは次の3つのポイントです。
・テーブルやイスの大きさ
・通路幅や席と席の間隔
・厨房比率
これらを最小限にプランニングをしていけば、席数確保は出来てきます。
席の種類をグルーピングし、お客様グループを分離すること!
ボックス席もテーブル席も席の種類による面積効率的はあまり変わりません。その上で、ソーシャルディスタンスをするには、お客様グループごとの距離を取れる席配置を意識することが重要なポイントとなります。次に上げるような席種類があります。
・テーブル席
・ボックス席
・ロフト席
・個室席
・カウンター席
・テラス席
この内、面積効率が悪いのは、個室席やロフト席です。
ソーシャルディスタンスをすることによって効率悪くなるのが、カウンター席やテーブル席です。
席の種類のバランスを意識しながら、店舗設計をすることで席数を確保していきます。
満席率とコロナ対策のバランスをとったアイデア
満席率が元々下げる要因になる席は、ボックス席やロフト席、個室席です。しかし、アフターコロナではどれも求められる席となります。ここには店舗デザインアイデアが必要になってきます。例えば、
・ボックス席が2つのグループに分けられる
・個室になったり、大人数対応出来る席になったりする
・ロフトでパーティションがあり、半個室でも全体でも利用できる
このようなポイントで、店舗デザインアイデアを出していくことが必要になります。
満席率の高いテーブル席でのコロナ対策とは?
逆に満席率の高い横並びのテーブル席では、どのような対策があるのでしょうか?
・すだれやロールスクリーンでの可動式パーティション
・柱や梁を利用した木枠フレームでの建具による区画
・顔の部分だけ覆うパーティション
など今後様々なアイデアが必要となってきます。
コロナ対応した心理的な店舗デザイン
人が少なくても賑わいを見せる店舗デザインとは?
人気な飲食店に入りやすいのは、人が集まっているからです。人が人を呼ぶデザインとなっているからです。その人の賑わいを出す店舗デザインは、どのようなポイントがあるのでしょうか?
・色やディスプレイで賑わいを見せるアイデア
・SNSやウェブメディアで賑わいを見せるアイデア
換気されている店舗デザイン
開放的な店舗が比較的人が集まっています。それは空気の循環が良さそうなイメージがあるからです。
・テラス席や一階の開放的な席で賑わいを見せるアイデア
・窓が多く設置されて、開放的なイメージがつくアイデア
まとめ
コロナ対策をしながら席数を減らさない店舗設計にするために、実行すべき重要な三つのポイントは、
1.席の種類をグルーピングし、お客様グループを分離すること!
2.ボックス席は席数を確保し、満席率を下げるので、店舗全体バランスを意識すること!
3.横並びの席配置は、可動式のパーティションで対応!内装デザインに取り込むこと!
そうすることで、ウィズコロナでの飲食経営も、売上の見込める店舗デザインになります。