コンビニで夕飯は買いやすいのに、なぜ飲食店でテイクアウトはしづらいのか?

目次

飲食店がテイクアウトに参入するのは、実は容易ではない!

コロナで家で食べることが主流になった

コロナ発生後、外食産業は大きく変わりました。毎週末、家族と外食していた人たち、仕事終わりに一人で外食していたサラリーマン、昼間は主婦仲間とランチをしていた奥さんなど、外食は日常から離れた癒やしの場でした。しかし、アフターコロナでは、自宅での食事がメインとなりました。この変化は飲食店にとって大きなダメージとなっています。

飲食店はテイクアウトをしなければならなくなった?!

各飲食店はテイクアウトやデリバリーといった販売路線も急遽作らなくてはいけなくなったのです。しかしその業界には、同じ食材を扱うコンビニやスーパー、お弁当屋などの中食産業が既に存在します。中食産業と競合することになったのです。

コンビニやスーパーは、家で食べることを想定した商品開発がされています。

・家で食べる際に電子レンジ温めて、美味しく食べられる料理になっています。
・冷めることが想定されているメニューや自分で具やソースを入れて食べるメニューなど
・惣菜や食材を直接目で実物を見て購入します。

このように研究開発して発展してきましたコンビニ。お客様の購買データやノウハウを持っている中食産業に、飲食店が参入することは容易なことではありません。この点を認識した上で、あなたの飲食ブランドの良さを引き出し戦って行く必要が出てくるのです。

コンビニやスーパーと飲食店は何が違うのか?

コンビニやスーパーの店舗デザインの特徴

店舗デザインの面でもかなり異なります。コンビニやスーパーでは

・食材や惣菜が美味しく、安そうに見えるような雰囲気にしています。(購買意欲をそそる)
・落ち着くというより、効率的にスピーディーに購入できようにしています。(購買導線が明確)
・多くの商品が選べるようになっています。(消費者の選択の自由)
・人気メニューが残り、購入されなかった商品がなくなっていきます。(商品の購買研究)

パン屋やフードコートに近い要素もある?

飲食店で言えば、パン屋やフードコートも中食産業と同じ要素があります。

パン屋、ケーキ屋などの食品物販店

  • 商品が陳列している
  • 販売ゾーンとイートインがある

フードコート

  • 一つの店舗に複数の料理が選べる
  • 自分で料理を選んで運んで食べる

中食産業の購買ルートの特徴である、実際の商品を見て選べる、複数の商材があるという特徴が、それぞれ共通している点です。

中食と外食の垣根がどんどん無くなっていく?!

中食と外食は互いのお客様を取り合おうとしている?

外食産業がテイクアウトに参入するということは、中食産業のお客様も取り込んでいくことになります。コンビニもイートインコーナーを設置して、その場を空間提供し飲食てさせています。これは、外食産業のお客様を取り込んでいます。要するに、この2つの業界は一緒になろうとしているのです。

飲食店のテイクアウトしづらいのはなぜか?

ズバリ!専門分野が異なるからです。外食産業と中食産業と業界の名前も違うように、同じ食品を扱いながらもまったく異なる店舗づくりがなされてきたからです。要するにビジネスモデルがまったく異なるのです。

コンビニではイートインコーナーがあるお店のお客様の購買行動を見てみます。

好きな商品を選定→決済→食事

飲食店はどうでしょうか?

席につく→注文→食事→決済

この顧客行動の違いはとても大きいです。これが飲食店のテイクアウトが入りにくい原因にもなっています。店内に入っていきなり席につく飲食店では、店内に入った瞬間注文もすることがほぼ決定しています。逆にコンビニでは、商品の選定がスタートにあります。食べたいものがなければ店を出ることが出来ます。これが飲食店の入りにくい大きな原因の一つです。

お客様は飲食店のテイクアウトはどのように思っているのか?

コンビニやスーパーで夕飯の惣菜を買うのは、慣れているから買いやすいのか?

コンビニやスーパーに行くお客様は、なぜ?どのようなルートで、お金を落としているのでしょうか?日常的に当たり前だから行くのでしょうか?顧客行動を考えることで、他の視点も見えてきます。その一例としまして、

A いつもスーパーで食材を購入し、家で料理をして家族で食べる。これは日常慣れているルーティーンです。これを変えるのは相当ハードルが高いです。
B 夕飯に支度の時間がないときに、スーパーへ行って、惣菜を買って、ご飯だけ炊いて、家族で食べる。これは飲食店でも参入できます。
C 仕事終わりにコンビに寄って、ビールとおつまみを買って家で食べる。これは飲食店の来店とおなじようなルートです。

BCのターゲット層が飲食店のテイクアウトで購入していただけるお客様になります。

家の近くにあるからコンビニに行くのか?

ちょっと高くても家の近くにコンビニがあるからコンビニに行くのでしょうか?確かにその側面もありますが、最近にコンビニは、消費者が求めている味のクオリティ、適度な量、すぐに食べれるスピード感があります。コンビニは立地と便利だから行くだけではなくなってきています。そして、そのサービスや商材をテイクアウトを行う飲食店にも求めることになるのです。

コンビニは昔の飲食チェーン店の安心感で購入する心理と一緒?

飲食店のチェーン店が発展した時の特徴としまして、どのお店も同じ料理、同じ価格で、店内の雰囲気が一緒であるから、安心して来店できたという側面がございます。コンビニも一緒なのでしょうか?どのコンビニも場所を問わず同じ商品やサービスが提供されていて、安心して来店できます。

時代は変わり、インターネットが普及し、料理や金額、店内の雰囲気、場所がスマホでわかるようになりました。そのことで、一等地でわかりやすい均一されたチェーン店と、専門料理をおこなっていた個人店が同じ土俵で戦えるようになりました。

これからのコンビニと個人店テイクアウト事業は、どのような構図なっていくのでしょうか?

おそらくコンビニには無いものや競合していかないことがポイントになってきます。

料理に特化したクオリティ高い高価格帯テイクアウト

コンビニは、美味しい商品を安く提供しています。こことバッティングするのは、日常料理を提供しているテイクアウトです。そうなれば、低価格と味のバランスでお客様は選定します。そこではなく、クオリティ高い和牛、家では作れないフレンチなど、スーパーやコンビニは手に入りづらいメニューをテイクアウトすることで、差別化を図れます。

焼鳥、フレンチ、ピザ屋など一番得意な料理を専門店化するテイクアウト

焼鳥でもフレンチでもその店舗のイチオシ料理があるはずです。店舗のブランドがあるからこそ、それが専門料理であるからこそ、その店がテイクアウトすることで、商品価値が上がることもあります。

「あそこの焼鳥屋専門だから美味しそう!」
「家では味わえない料理がテイクアウトしてるらしいよ」

などと、話されるような商品をテイクアウトするということです。

飲食店とのつながり強化サービス

丁寧な接客、フレンドリーな接客などサービス面や人がウリの店舗は、テイクアウトにパッケージや説明書をつけることで、そのお店の人柄が伝わります。

・家で美味しく食べる方法が書いてある
・美味しく食べられる最適な時間を書く
・店舗での食事との連動
・スタッフの一言コメント
・料理のこだわりポイントや食事の効果

このような内容をパッケージや紙で料理と一緒にテイクアウトすることで、家に帰って呼んだお客様をファンにしていきます。次回来店のサービスや会話に繋げるポイントを書くことも重要です。

コンビニの店舗デザインから学ぶ

店舗デザインはとりあえず明るい!商品が美味しそうに見せている。

コンビニやスーパーのライティングは、飲食店とはまったく異なります。とりあえず、とっても明るいのです。ベースは40005000Kの白い光を採用しているのがコンビニやスーパーです。さらにスーパーでは、肉、野菜、魚などそれぞれ発色を良く見えるようになるライティングがされています。

一方、飲食店は落ち着ける雰囲気を出すために2700Kのオレンジ色の光がベースになっています。

この違いは目的の違いから来ています。商品を主役にするために、より正確な色を伝えられる光を採用してるスーパーやコンビニと、空間の雰囲気も含めて提供している飲食店の考え方の違いです。

ここでの飲食店経営者の学びとしては、商品がより良く見せるために店舗デザインをしなくてはテイクアウトにつながらないというポイントです。光の色温度だけではなく、商品の見せ方、金額の書き方、陳列の仕方含めて、学ぶべき点が多いということです。

前面ガラスで店内が外から見渡せる

外観デザインが発見されやすく、ガラス張りになっているのが特徴のコンビニ。しかし、陳列棚が立ち並んでいるので、店内をすべて見えているわけではなりません。しかし、店内の雰囲気はわかるようになっています。

飲食店の場合は、中で食事をしているお客様の居心地を考え、一部閉じることで外を歩いているお客様からの視線を切っています。ですので、ここからの学びは、テイクアウトをする部分だけでも、外部との接点をオープンにしてく必要があるというポイントです。

何がどこにあるのか?よく売れる商品は発見されやすい!?陳列ノウハウ

コンビニやスーパーの陳列は、過去のデータによって陳列配置が変わっていきます。売れない商品は棚からもなくなります。また、ストックも常に豊富にありお客様にストレスを感じないサービスを展開しています。

飲食店では、作り置きをするのか?その場で作って出すのか?お客様へのスピード感が重要になります。すぐ提供できるのであれば、作りたてを売りに出来ますが、待ってもらうとなると、事前予約+決済システムにて来店時間をお知らせし、テイクアウトしていただくほうが良いです。実は飲食店ならではの魅力を出せるポイントとなる可能性が大きいのです。

テイクアウトで購入されやすい店舗デザインとは?

新たな売上の軸としてテイクアウトを始めようかと考えている飲食店経営者は多いかと思います。その際に特に重要なポイントは、外観デザインとなります。外を歩いていて、ふと立ち寄りやすい雰囲気の空間デザインとすべきなのです。市場のような

またテイクアウトと店内のイートインを違う店として店舗計画をすることで、よりわかりやすくお客様に伝えることが出来ます。手前をテイクアウト。奥をイートイン。といったように空間ゾーニングをしっかりすることが、集客力を上げるポイントとなります。

まとめ

テイクアウトの成功させる条件である重要な店舗デザインの三つのポイントは?

1.買わなくても良い雰囲気を外観デザインで伝える
2.市場のような誰でも入りやすい雰囲気を作り出す
3.親切なパッケージデザインでファンとの接点を増やす

上記の項目を実行することで、人が集まる飲食店のテイクアウトの店構えが出来ます。

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