【客席数が多く入る10~30坪の物件探しの基準】
席がたくさん入りやすい物件を見つける一番重要なポイントは、物件の縦横の平面寸法を測ることです。なぜなら、10~30坪の平面プランのパターンが少ないからです。
席がたくさん入りやすい物件探しの大切なポイントは、
①家賃ではなく坪単価で探すこと
②厨房比率と厨房範囲の基本寸法を知る
③坪あたり1.5席のテーブル寸法を知る
です。これを実現する方法として3つあります。
①周辺相場の坪単価より安いか?
②厨房奥行+カウンター+通路+客席奥行=物件の短編寸法
③坪あたり1.5席で収支が合うか?
上記のポイント、確認方法を活用することで、筆者が実際に作った店舗では、効率の良いプランになります。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。
上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。
家賃ではなく、坪単価で探そう
月々支払う家賃はイニシャルコストとしてはとても大きいです。しかし、家賃は面積と比較して初めて価値がわかります。それは、面積は席数にも影響を与え、売上に直結するからです。ですので、必ず家賃は坪単価もしくは㎡単価での比較をしてください。
坪あたり何席入るのか?基準値を覚えておこう!
面積が売上に直結するので、物件面積に対して何席とれるのか?把握しておきましょう。
基本的には、1坪あたり1.5席入ります。
20坪×1.5席=30席
ということです。
10~30坪の小さなお店に当てはまりやすいです。
これは、テーブル幅600mm×奥行600mmに椅子を立ったり座ったりした時のイスの動くスペースを幅600mm×奥行600mとしてみた時です。椅子の寸法としましてはもう一回り小さくする必要があります。
家具の大きさが席数に大きく影響をします。
厨房比率を知ろう
10~30坪の小さな飲食店では、厨房面積はあまり変わりません。よって10坪の場合は厨房比率は高く、30坪になると低くなります。
全体面積に応じて比率は変わりますが、平均20%となります。20坪を中心に考えると良いでしょう。
小さな物件の効率良いレイアウトを知ろう
I型厨房が面積の使わない効率良い形状ではあります。特に見せ方や使い方で制限がない場合は、I型厨房でまずは検証始めます。
また、席は横並びのテーブル席を多くとれた方が、満席率の高い席がとりやすいです。よって、椅子の奥行600mmを対面で2脚と、テーブル奥行600mmの合計1800mmを基準に席レイアウトを考えれば、必然的に効率の良いプランとなっています。
満席率の高い物件の平面プロポーション
では実際の物件で何を見たら良いのかというと、物件の間口です。
I型厨房の奥行寸法をまずは考えます。
厨房機器の奥行600mmを前後に両面、通路を700mmとり防水区画150mmを外周一周取ると、厨房全体奥行寸法が2200mmとなります。
物件のほとんどが道路に対して奥に長い物件形状が多いので、厨房幅にカウンター席600mm+600mmに客席通路を700mmとると、必要物件間口が4100mmになります。4100mmより大きければ、面積効率が悪くなります。また狭すぎると、そもそも上手くプランがいかないこともあります。物件間口の内寸法4100mmを基準に物件内見をすれば、イメージできるはずです。
高さは利用出来るか?空間の広さは面積だけでは、わからない!
天井高さが高い物件は、平面的な寸法を小さくしても拡がりを作ることができます。
また物件によっては、ロフトを作ることも可能です。元々ロフトやスキップフロアのような場所があったり、天井高さが4.2m以上あると、出来ることがあります。その際、建物側の設計図書や確認申請書など資料が必要になります。
実例プランから分かる不動産物件
間口5mの物件事例
間口10mの物件事例
角地の物件事例
まとめ
席がたくさん入りやすい物件探しの大切なポイントは次の3つです。
①家賃ではなく坪単価で探すこと
②厨房比率と厨房範囲の基本寸法を知る
③坪あたり1.5席のテーブル寸法を知る
飲食店の物件探しの参考になればと思います。