今からでも出来る!光を変えるだけで雰囲気が変わるライティングデザイン【人が集まる光のデザイン】

光は夜業態が特に影響力が大きい

居酒屋、バー、イタリアンやフレンチなどの夜営業を中心とした業態では特に影響があります。照明器具を使ったライティングデザインは、太陽の光がはいりますと、光が負けてしまい余り効果は発揮できません。

光は周囲が暗くないと効果は発揮しづらい

店外の光について

外観(ファサード)のライティングデザインの際に特に重要なのは、周辺の店舗の看板や照明の明るさです。繁華街のような街全体が明るい街ですと、あまり効果が発揮しません。

反対に路地裏だと周辺に光がないため、ライティングデザインをすることでより店舗ファサードが目立つことになります。

店内の光について

「窓からの外光がどのくらいあるのか?」が昼業態の場合は影響が出ます。外光が少しでも入ると、明るさだけではなく、雰囲気も変わります。全く無い場合は昼も夜も人工照明でコントロールします。

光を変えれば大胆な工事をしなくてもイメージは変る?!

マテリアル(仕上材)よりそれに当たる光のほうが人に与える影響は大きい!

マテリアル(仕上材)に光が当たらなければ、何を使っても見えません。その光の質が適切でないと、高価なマテリアル(仕上材)も安く見えたりします。それは光の質が良ければ品の良い空間に見えることもあるということです。予算が限られているときは、マテリアル(仕上材)をこだわるより、まずは照明器具自体やその当て方などの照明計画をこだわったほうが、人に与える影響は大きいのです。

照明器具の性能はどのように人に影響を与えているのか?

色温度

照明器具には色温度が選べます。K(ケルビン)という数値で表現されています。低ければオレンジ色の光に、高ければ青白い色の光となります。オフィスなどの活動的なところでは、色温度の高い4000K5000Kの照明器具が利用される傾向があります。ホテルや飲食店のようなリラックスする場では1800K3000Kの照明器具が利用される傾向があります。飲食店は落ち着く光が好まれます。昼業態では3000K以下、夜業態では2700K以下を基本としたほうが良いです。

照射角度

光の広がる範囲が器具ごとに異なります。照明角度が10度前後のものを狭角、20度前後のものを中角、30度前後のものを広角と呼びます。更に商業施設、アパレル、物販、住宅などに利用される40度以上のものもあります。飲食店では、ファミレスやカフェなどの昼の業態の場合は、広角以上の角度の広いものを採用します。よる業態は30度以下の照明器具を基本的には利用します。

演色性

物の色の見え方に影響を与える光源の性質のことを「演色性」といいます。自然光に近い光を基準として、それからどれくらい違って見えるのかを数値で評価します。そして、これにより求められた数値を 「演色評価数」15色をつかい1100まで評価した平均値を平均演色評価数(Ra)Raという数値で表現されます。自然光に当てたときの印象に近い物が演色性100になります。

照明計画で人の印象が変わるポイント

高級店と大衆店の光の違い

高級店

大衆店

壁面・天井面照度免責(壁や天井に当たる光の範囲)

狭い

広い

色温度

2700K以下

27003000K

直接照明と間接照明の割合

間接照明がメイン

直接照明がメイン

ダウンライトとアッパーライトの割合

アッパーライトメイン

ダウンライトメイン

昼業態と夜業態の照明計画の違い

昼業態は太陽光により外光があります。窓がない場合は別ですが。太陽の直接光はブラインドやロールカーテンのようなもので光を少し和らげます。その時の照明計画は、店内に光と影のコントラストをあまり作らない計画をします。壁面照度を確保するために、間接照明や拡散する照明器具を使いマテリアル(仕上材)に当たる光のグラデーションを作るイメージで計画していきます。そうすることで、空間全体が優しいイメージのライティングデザインとなります。また、太陽の光と同じ方向の上から下への配向を多くすると馴染みます。ギャップ感を生みたい空間演出をしたい場合は逆に計画します。

夜業態は外が暗いので、照明計画ですべての印象をコントロールできることになります。基本的には夕日と同じ下から上への配向を多くすると落ち着きが増します。テーブル面や作業面を基本とした最小限の機能照明を配灯します。その上でディスプレイやポイントのアクセントウォールなど演出の必要な箇所へスポットライトや間接照明を当てていきます。そうすることで、コントラストのついた雰囲気ある空間になります。

昼夜二毛作での照明計画はどうしたら良いか?

昼はランチ、夜はディナーなどの昼夜二毛作で飲食店をやっている方は、照明計画も注意しなくてはいけません。まずはどちらにも合わせる照明計画ですと、中途半端になってしまいます。昼がメインなのか?夜がメインなのか?これをハッキリしておきます。どちらかを基本に計画をした上で、別系統でフォローアップをします。調光や調色など出来る照明器具もありますので、それぞれのシーンに合わせた計画としていきます。

今からでも出来る!光を変えるだけで雰囲気が変わるライティングデザイン

今の現状を知る

  1. 現状の店舗がダクトレール型のスポットライトがついていると変更しやすいです。照明器具の方向を変えるだけでなく、器具を変更することも出来るからです。ペンダントライトやスポットライトの種類も様々です。
  2. ダウンライトなど動かせない照明器具が多くついてる場合は手軽には変更できません。その際は調光がつけられるかを確認します。LEDでなく白熱球であれば調光可能です。LEDの場合は調光可能な場合と不可能な場合があります。
  3. 照明器具の変更も調光もできない場合は、カバーなどで照度を減らし、追加で補助光を用意する方向で考えます。

もう少し客単価を上げる照明計画

  1. 現状の机上面照度(テーブル面の明るさ)以外の照明を減らしていきます。壁面に当たる照明があれば、それを狭角や中角にして当たらないようにしていきます。
  2. 色温度は2700K以下にすべての照明器具をします。
  3. 下から上へのアッパーライトの割合を増やしていきます。
  4. 直接照明を減らし、間接照明を増やしていきます。

下から上への照明はスタンドライト

特に下から上へのアッパーライトは中々設置が難しいはずです。ですので、スタンドライトを基本的に配置していきます。新たに照明器具を追加すると明るくなってしまうので、食べるため、作業すための機能している光以外の無駄な照明は撤去していきます。

ペンダントライトで空間を作る

スポットライトを狭角にする

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