【人が集まる店舗デザイン】元祖くじら屋

物件情報

住所 〒150-0043 渋谷区道玄坂2-6-15 鈴井ビル 3F
駅徒歩分 JR山手線【渋谷駅】ハチ公口 徒歩3分
京王井の頭【渋谷駅】西口 徒歩4分
東京メトロ銀座線【渋谷駅】徒歩4分
周辺環境 商業立地
物件面積 79.23㎡(23.96坪)
店舗面積 79.23㎡(23.96坪)
厨房面積比率 20.04%
竣工時期 2019.11
席数 35席
席数/坪 1.46
全体予算 1400〜1500万円(内装のみ)
※実際にこの物件の内装費用とは異なります。
想定家賃相場 82.7万円
客単価 6000〜8000円
月商(想定) 500〜600万円
営業日 週6営業

くじら屋オーナーからの依頼の経緯・依頼内容

どのように飲食店デザイン研究所を知ったか?

キリンシティのFCオーナーをやっていまして、その際に新ブランド立ち上げのコンサルタントやデザインなどを担当していたのが飲食店デザイン研究所と聞いて知りました。

なぜ、飲食店デザイン研究所に依頼をしたか?

飲食店デザイン研究所の手がけていました「吉祥寺 三うら」「焼鳥 山もと」で実際に食事をした上で、コンパクトな物件に対して、厨房も客席も効率よくプランニングされていたことや全体的な落ち着いた雰囲気を見て、気に入り決めました。

どのようなお店を目指すか

渋谷の109に70年近く、鯨専門料理店をやってきました。今までは、若者に対して安く食堂のように提供してきました。しかし、時代が変わり、捕鯨が禁止され、鯨の価格も高くなり、お客様も高齢化してきました。
今回のお店は、老若男女いろんなお客様に。鯨料理のおいしさを伝えていきたいと思っています。また、今までの歴史を大切にしたお店作りを目指します。

依頼内容詳細

オペレーションは、基本的にお任せしました。今までのお店から物件面積が、とても小さくなりますので、私たち自身が小さいお店のオペレーションに対してアドバイスが欲しかったからです。
もちろん人の動き方や作り方の流れを一通り説明した上で、計画してもらいました。

飲食店デザイン研究所の提案内容

物件状況、街の周辺環境を見て注意したこと

既存店舗とは近くで、109のそばの道玄坂に面している雑居ビルの三階です。上階ということや間口が狭いビルでした。更にこの周辺には飲食ビルが密集しています。普通に歩いて、まず行き着けない可能性が高い立地です。

ただ、渋谷駅からは近いので、行きやすい場所でもあります。

要望を受けて、何を一番ベストな提案だと考えたか

鯨の食文化を伝え残すことが、一番大切だと思いました。私自身も鯨料理を食べたことがなく、食べさせていただいた時に、良い意味で想像とは異なる美味しさがありました。

若い人達にも日本料理として、知ってもらえて、食べてもらえるお店にしていきたいと思いました。

具体的な提案内容

コンセプトストーリー

くじらの食文化を伝える日本料理店

いままでの感謝とこれからの伝達

日本の新しい文化を発信し続ける渋谷。

この地で歴史を積み重ねてきたお店。

今まで鯨料理を愛してきたお客様が落ち着けるお店であり続けます。

鯨料理を知らない若い世代や外国の方々へ、知ってもらうためのお店であり続けます。

常連さんにも、新規のお客様にも愛され続けるお店になれることを願います。

マーケット的な視点

という差別化された商品力を中心に、空間とサービス構成をすることが、全体バランスが良いお店になります。

渋谷は若い人々、外国人が多くいます。和食を強めに表現しながらも、敷居を上げ過ぎずにすることがベストです。

客単価を上げることで、お酒をたくさん飲みたいだけの騒ぐ若者やサラリーマンは、来ないようにフィルターをかけます。

鯨や日本食を食べながら、落ち着ける場を探しているような人々を、お客様として設定しています。

また、創業70年という長い歴史から、老舗店としてもアピールすることができます。そのように感じられるような雰囲気のブランドイメージにしていく必要があります。

建築的な視点

日本料理の老舗感と新しさを両立させた雰囲気で、くじら関連のディスプレイがしやすい入口周りを作り、向かい入れます。

昔ながらの居酒屋のようなカウンター前には、お皿などが立ち並びます。それでいてそのカウンターは、無垢材や日本の石を取り入れた本物志向を伝えます。

若い人達には新しく、年配の方々には懐かしく、外国のお客様には目新しいデザインとなります。

プランについて

店内入口前のスペースが狭い物件でしたので、奥に厨房を配置しています。常連客が多く持っていることや、ファミリーも来やすいので、半個室を用意しました。

半個室や個室を作りますと、壁が発生してきます。そうなると、見えなくなる席も出てきやすくなります。厨房から店内を見渡せるように、死角を少なくする壁の配置を検討しています。

大人数対応も出来る様に、横並びのテーブル席を用意しています。があるので、そのまま席を作ると席が分断してしまいます。ベンチソファを入口側へ寄せることで、店内は狭くなりますが、大人数対応が出来るようにしています。

そのスペースを利用しまして、ディスプレイスペースを作り、店構えを兼ねた入口周りのデザインとしています。

厨房計画とオペレーション

L型カウンターにしつつも、厨房入口を作り、二つのカウンター席にしています。ドリンクカウンターと厨房カウンターです。

ドリンクカウンターには、外から利用できるレジやワイングラスホルダーを設置することで、厨房に入らずホールスタッフが作業出来らようになっています。

厨房カウンターから直接料理提供できますし、そのままドリンクスタッフ側へ料理を渡すことでそのままディシャップとなっています。

お皿やガラスの置き場が少ない為、下り壁を下げ、取りやすい位置に棚を配置しています。

断面検討

棚を使いやすくする為に、下がり壁を低く設定しています。そのためその下り壁が、客席空間に圧迫感を与えます。

また、下がり壁設置位置に建築の梁が同じ位置に通っていました。

そこで、下がり壁と梁を利用した間接照明を作っています。下り壁の見た目の高さを二分割することで、圧迫感を緩和します。かつ、下側の下がり壁に光を当てることで、軽い印象をつけています。

立ち上がりに大谷石を採用しています。大谷石は水をよく吸ってしまうので、水回りにはあまり適していません。昔の庭の外構にはよく使われているので、耐久性としては弱いわけではありません。

厨房立ち上がりのカウンターに使うには、表面に何度も塗装で塗膜します。汚れを吸い込ませないためです。

カウンターには、杉の無垢カウンターを採用しています。樹齢が60年以上あり、長期にわたり乾燥させていた材を見つけてきています。このような歴史ある素材は、空間の雰囲気に大きく影響を与えます。

視点のデザイン

店内入った瞬間から、カウンター席奥に行くまでの流れを検討しています。店内に入った時の印象、半個室に入った時の視線を切らための暖簾の長さ、カウンター席に座った時、他が気にならない配置になっているかを検討しています。

厨房からは、店内全体が見渡せるのか?レジカウンター前のホールスタッフの立ち位置から奥の席が見えるかのチェックをしています。

光の検証

基本的な計画は、全体照度を間接照明でとります。その上で机上面照度をテーブルのみ取る計画にしています。

ですので、テーブルのスポットライトは、壁に光が当たらないように配慮しています。壁面は間接照明だけの光になります。

そうすることで、暗いところで落ち着いて食事をしながらも、料理は明るく演出することができます。

カウンター周りは、上からの光を多く配灯することで、賑わいを生み出しています。半個室やテーブル席は少し暗く感じられるように、灯数少ない配光計画にしています。

コストコントロール

オープンキッチンでのライブ感や賑わいを重要視しています。ライティングも多くしていますので、素材感が空間に大きく影響を与えます。この部分の素材に予算を割り当ています。半個室にはほとんど予算はかけない計画にしています。それは来店されるすべてのお客様が、見られる空間には予算をかけ、半個室のような座ったお客様しか見られない空間には予算を削減しています。

テーブル席は、入口部分なので間接照明が入っている部分のみを左官仕上にしています。その部分にディスプレイ用の棚を設置し、内装コストが上がらないように配慮しています。

厨房内は、客席から見える壁面部分のみタイル貼りにしています。そのほかは機能性を重視したステンレス貼りになっています。

全体として、コストダウンをしながらというよりは、必要箇所に重点を置いたコスト計画になっています。

スケジュール

比較的時間には余裕がありましたので、計画段階である程度、デザインとコストのバランスを取れた設計をしています。

施工は6週間と標準的な工程となっています。

完成後の店舗を徹底検証。「人の集まるデザイン」のノウハウ

入りたくなるデザインとは?

上階ということと、渋谷の繁華街ということもあり、大きな看板の計画のみに集中した計画にしています。入りたくなるデザインよりも行きたくなるデザインに集約することで、スマホからの流入を意識した計画にしています。

また来たくなるデザインとは?

もともとの常連客やこれからの新規のお客様みなさまと接客する為に、一本のサービス導線からお客様とスタッフが話しやすいプランになっています。それによりコミュニケーションが増え、リピートにつながるきっかけとしています。

通路にふと置かれた鯨のオブジェが、話題となりやすいです。実際に行って見て、「何ですか?これは?」とスタッフに聞いて欲しいです。鯨の大切な部分なので。

トイレ空間は、正面のルーバーがミラーにより、横に拡がるデザインとしています。店内とは逆に、明るい空間となっていますので、開放感があります。ギャップ感が記憶に残りやすくしています。

行きたくなるデザインとは?

臨場感あるオープンキッチンと迫力あるカウンター席を、写真とキャッチコピーにて表現することで、興味に繋がります。

鯨料理店自体が少ない為に、Google mapで発見されやすいメリットもあります。空間と料理のちゃんとした写真を載せることで、集客力を高めます。

初期では、既存店舗との比較をされやすいと思いますので、お客様の判断は分かれるかもしれません。

しかし、店舗自体も小さくなっていますので、お客様の声を聞きながら、その意見自体も仕分けをする必要が出てきます。

その上で、お店の方向性をウェブメディアを中心に表現をすることで、行きたくなるデザインに近づけていければと思います。

オープン後、人気店のカギとなる集客力

多くのお客様が来店している理由

今までの既存のお客様が7割、新規3割といった今までの歴史に感謝せざるおえない状況ですが、安定していることも意味しています。

課題としましては、新規顧客の開拓になります。

料理へのこだわり

今まで通り鯨の様々な料理は、継承しています。おつまみを中心にメニュー構成をし、食事メニューを限定的にしました。

既存店舗とは異なり、食事のみのお客様がほぼいなくなりました。

これは小さな店舗を短時間営業にて、効率よく使う為の戦略となります。

空間へのこだわり

くじらのディスプレイだけにこだわり、飾られています。少人数での来店が多い為、二人用テーブルを有効に活用し、案内を振り分けています。満席率を上げることになっています。四人用のテーブルも二人用にした方が良かったかもしれません。

椅子は既存店舗にあったものを張り地交換していたり、今までのディスプレイを転用することで、新しさを消しています。そうすることで、老舗感を少しでも強めています。

立地とコスト

好立地な繁華街ではありますが、逆に競合が多いとも言える立地となります。空中階の物件ですので、客単価を少し上げることで、サービスと料理、空間に付加価値をつけて行くほうが、立地メリットを活かせます。お客様の想定コストより低く感じられていれば、リピーターにもつながりますので、そこが判断ポイントとなります。 

売上はいくらなのか?

35席×満席率0.7×1.2回転×7000円×25日営業=514万円

半個室がありまくので、若干満席率は落ちますが、カウンター席と横並びのテーブル席があるので満席率70%とれます。

営業時間が早めに終わる点と、ゆっくりしてもらうコンセプトなので、回転率は低めの1.2回転に設定しています。

実際に行った人の口コミ

ランチで訪問。移転後始めてでした。外に大きな看板があり、分かりやすいです。ランチメニューは定食。唐揚げ、天ぷら、刺身、ステーキから選べます。お米、お吸い物、煮物も美味しく満足のランチ。
記念日には夜の鍋料理を頂いてみたい。

渋谷に行くと、ついつい寄っちゃいます!
ランチだとリーズナブルに鯨が食べられます。そして美味しい。ランチタイムの時間も長かった記憶があるので急がなくても食べられます。
店内も清潔感があり広々としています。縦長だけど。店員さんも、しっかりてしており変なことはありません。
鯨を食べれるところって、あまり無いので日本の文化を味合うためにも寄ってみて下さい。
・日替わり定食が1000円で食べられる。
・日替わりのメニューは平日週5日の定食が1000円になるシステム。
・通常のメニュー価格は1300円~1500円なので お得。
【店内】
・半個室になっているので ゆっくり食事ができる。
・渋谷では珍しく落ち着ける場所。

10月下旬にかつてのBUNKAMURA通りにあった路面店から道玄坂のTOHOシネマの二軒隣のビル3階に移転。
なかなか動線的には厳しい場所かな。
以前よりは小さな店内だが昔からのファンが来ていて5割がた席は埋まっている。
なので年配がやや多い。
この日は「鯨から揚げ定食(税込1100円)」と「ハーフ鯨刺身(税込500円)」をオーダー。
ニンニクも無料でつけられるとの事だったのでそれもお願いした。計1600円(税込)。
注文後5分で到着。
から揚げのセットにはメインの「鯨の唐揚げ5切れ、水菜のサラダ」。その他添えられたものは「小鉢」=「ヒジキの煮物」がつく。中には水煮大豆、にんじんが入り、やや甘みもあり普通に美味しい。
「味噌汁」の具には揚げ、ワカメが入る。熱々でなかなか美味い。
「お新香」は白菜。ちょっと量が物足りないけど…。
「鯨の刺身」には海藻が添えられ、それも時々食べつつ刺身をいただく。ちょっと解凍の関係で水っぽさを感じるものの旨味をちゃんと感じて美味しい。ニンニクを使ってみると結構強く、口の中に残る。
午後の打合せが心配になったのでひと切れ使っただけであとの3切れは生姜醤油でいただく事にした。
「鯨の唐揚げ」は薄めの衣がつけられ、案外さっぱりした味付け。
そしていつも言うが、僕自身の食評価に対する大きな要因には「ごはんの美味しさ」がある。これがこの店は良い感じで合格。炊きたてで柔らかくなく、シッカリ米一粒一粒がちゃんと主張して美味しい。
このご飯と、刺身もから揚げも一緒に食べるとマッチして美味しい。
鯨料理ランチといえば渋谷の「元祖くじらや」はリニューアルしても揺るぎない。

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