売上に直結!回転率が上げるデザインとは?

お客様を多く食事してもらうために、一番重要なポイントは、回転率を上げるデザインです。なぜなら、席には限りがあるからです。

回転率を上げるデザインを考えるうえで大切なポイントは

回転率を理解すること
②回転率と顧客満足度の関連性
③回転率と設計デザインとの関連性
④来店→メニュー→注文→料理提供→食べる→会計までの一連の流れをスピーディーに

です。これを実現する方法として5つあります。

オペレーションを明快にする
提供スピードを上げる
わかりやすいメニューにする
食べるスピードが上げるようにする
⑤食べ終わったら即座会計へ誘導

上記のポイント、デザインパターンを活用することで、筆者が実際に作った店舗では、売上が向上につながっています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。


上記のポイントを一つ一つ細かく解説しています。

回転率を上げるために必要な考え方

回転率の計算方法

一日に満席になった状態を一回転といいます。これを営業中に何回転するかを目標設定します。

「回転率=1日の客数÷客席数」

これで計算できます。しかし、いろんな要素が絡み合って出る数値ですので、計画は計画です。オープン後に改善をしながら上げていくことが、重要になります。

売上と回転率の関係

回転率は売上と直結する数値です。

「一日の売上=客席数×満席率×回転率×客単価」

で決まってきます。回転率が上がれば売上も上がりますし、下がれば売上も下がります。とても大切な数値ですので、真剣に考えた計画にしなくてはいけません。

客単価と回転率の関係

客単価が高い高級店や専門店舗は、回転率は1回転と低くても成立します。ゆったりとその場所や時間を楽しむお客様がメインターゲットとなるからです。

逆に客単価の安いラーメン屋、居酒屋や定食屋、カフェ、パン屋などは、回転率を上げなくてはいけません。そのためには、駅前の人通りが多い立地や注文すればすぐに提供できるオペレーションが必要になってきます。

売上を上げる回転率より大切なこと

このように回転率は、業態、エリア、客単価、提供時間、空間のゆとりなどによって変わってきます。

回転率は重要ではありますが、回転率ばかりに気をとらわれて、顧客視点のお店づくりができていなければ本末転倒です。回転率より大切なのは、あくまで顧客満足度を高く維持することが必要です。

顧客満足度の向上が何よりも大切

では、顧客満足度はどのように上がっていくのでしょうか?それは、下記の方程式で成り立っています。

顧客満足度高い→コスト<メニュー+サービス+空間

顧客満足度低い→コスト>メニュー+サービス+空間

これは当たり前のことですが、意外とできているお店が少ないのです。

さらに、メニュー、サービス、空間の評価軸には、「マイナスもある!」ということも重要です。マイナスを出してしまうと、それだけで他のプラス要素が消えてしまうこともあります。

メニューとサービスと空間という3つの要素のバランス感覚と特徴をどのように出していくかが、とても大切です。

回転率上げると顧客満足度が下がるのか?

顧客満足度は飲食店へ行く目的やシーンによる

顧客満足度を上げるために、ただ空間を豊かにし、手厚いサービスをして、美味しい料理を作ればよいというわけではありません。そのお店の目的やコンセプトに合わせて、変化させなければなりません。

回転率が高いということは、提供時間が早い(お店のオペレーションがうまく回っている)、人気店(人が多く集まっている)ということもあります。

回転率が低いということは、コース料理、予約制、コミュニケーションが取れるお店(接待向け、アットホームな店など)ということもあります。回転率を必ずしも上げればよいということではありません。

コンセプトの重要性

人口密度が高くても顧客満足度は上がる!

狭い空間にぎゅうぎゅうに人を詰め込んでいる居酒屋があると思います。このお店が必ずしも顧客満足度が低いというわけではないと思います。屋台や赤ちょうちんのお店がその代表例です。「あの賑わいが好き!」「アットホームで行きやすい!」「新しい友だちができた!」など、プラス要因があるからです。

業態によって考え方も異なる

また業態によっても考え方が変わってきます。なぜ、ラーメン屋は回転率高く、カフェが低いのでしょうか?ラーメン屋は会社のランチタイムの限られた時間で、素早く食べたい人は重宝します。都内の忙しいサラリーマンには、必要な業態です。

カフェは友人とお話をしたり、取引先との打合せで使ったりと、場所と時間を買うイメージに近い業態です。

このように、居酒屋、レストラン、バー、パン屋など、他の業態にもそれぞれお客様に求められている特徴があります。あなたが出店すえる業態の特徴を把握した上で、回転率を設定します。

回転率が設計デザイン要素と密接に関係あり!

プランとの関係

プランと回転率の関係は、外部との接続面積や外部環境による点があります。交通量が多く、環境が良くない通りに面しているお店で、開放率が高いとその席の人の滞在時間は短くなります。

待合ゾーンが見えるかどうかも回転率に影響します。「たくさん待っている人がいるから、早めに帰ろう!」と思う人もいるからです。

厨房と客席の距離感も回転率に関係します。厨房プランがとても使いやすければ、オペレーションがよくなり、回転率は上がっていきます。これは次の提供時間との関係があります。

提供時間と回転率

プランとの関連が強いのが提供時間と回転率です。提供時間が早いとすぐにお腹が満たされたり、飲みが進みます。お客様は満足すれば、次のお店へ向かったり、解散したりするものです。

メニュー数と回転率

メニュー数が多いと飽きることなく、注文をします。逆にメニューが少ないと、注文するものがなくなり、次の店へいこうかと、考え始めます。

回転率という視点だけで考えるのではなく、顧客にあった計画はどういうスタンスなのかを考えるほうがよっぽど重要です。

居心地と回転率

椅子の高さと硬さは回転率に影響する

椅子の座面の高さと硬さは、回転率大きく影響しています。

椅子の高さは、高ければ高いほど立っている状態に近づくため、回転率は上がる傾向にあります。低ければ、落ち着いて食事をする環境になるので、回転率は下がります。

座面の硬さは、柔らかければくつろげてしまい、滞在時間は長くなります。結果、回転率は下がることになります。逆に、硬ければ、お尻が痛くなり早く次のお店へ行きたくなる傾向もあります。逆に柔らかすぎてもいけない研究結果もあります。柔らかすぎると、食事がしづらく、喉も通りづらくなるからです。

明るさと回転率

明るさと回転率との関係は、明るければ回転率は上がりやすく、暗ければ下がりやすいというのが、大枠の考え方です。ただ、明るさと一言でいっても色々とあります。照明の明るさと人が感じる明るさとは異なるからです。

明るさにもグレアという光源が見えてしまう眩しく感じる嫌な明るさと、間接照明や壁面にあたった光を見て感じる明るさもあります。ですので、良い明るさを感じてもらい回転率を上げていく方法を考えていきましょう!

立地と回転率

駅前や人通りが多い立地では、回転率を上げたほうが良いです。それは来店頻度が多いので、お客様をドンドン入れる事ができる環境にあるからです。家賃も高いはずなので、固定費が高い事が多いので、売上的にも回転率は上げることになります。また、一見さんや観光客などその街にたまたま来た人も多く、機会損失を少なくするためにも、回転率は上げたほうが良いです。

逆に大通りから外れた路地裏立地では、地元の人やこだわりのある人が多いので、回転率は比較的下げてもいいかもしれません。

回転率はをどのように上げるのが最適か?

回転率をあげる方法

来店→メニュー→注文→料理提供→食べる→会計までの一連の流れをスピーディーに行えば、必然的に回転率は上がりやすくなります。そのためには、

  • オペレーションを明快にする
    ご案内や料理提供、会計などのスタッフの流れをルール化しておく必要があります。
  • 提供スピードを上げる
    料理の仕込みやドリンクの作り方などをルーティン化させておく
  • わかりやすいメニューにする
    黒板サインにオススメが書かれていたり、品目が絞られていたり、お店の定番品があったりすると、お客様も選びやすく注文がすぐ終わります。
  • 食べるスピードが上がるようにする
    色んな種類の料理少量で提供したり、食べやすい盛り付けになっていたりすると、食べる速度は上がります。
  • 食べ終わったら即座会計へ誘導
    お客様が食べ終わった際に会計の仕方がわかりやすかったり、ご案内をすることでスムーズな会計へ繋がります。

良い回転率の上げ方

最後に、回転率を上げたいと思う飲食店オーナー様では、そのようなサービスを望んでいるお客様層をターゲットしたブランディングをしなければなりません。ゆっくりしたいお客様が来店されて、すぐ出てきたり、急がされるのはとてもイメージが悪いです。

常にお客様視点での店舗開発が必須となります。この点を忘れずに回転率を意識したお店づくりをすれば、必ず目指していた数字を達成できます。

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