入店から退店まで、ブランドイメージを良くするポイント
お客様が空間をよく見ているのは席につくまで
お客様の印象が残るのは、店舗の外観デザインを見て、「雰囲気が良いなぁ~」と感じ、店内へ入っていきます。そこから席までのアプローチの変化によって、気持ちが高まります。そして席へ座るまでが空間の印象につながっています。
席に座ると、友達との会話や料理の話題に
席に座ると、まずはメニューを見ます。そして注文から友人や恋人、家族との会話を楽しみます。料理が運ばれてきますと、話題は料理に移ります。この間、空間はすべての背景となります。料理やおしゃべりしている相手の顔の背景が空間なのです。ですので、席に座るまでがそのお店の雰囲気の印象へと繋がります。
一人になるトイレの印象
空間の印象が残りやすいのは、トイレに行ったときです。それは、料理や友人などと離れるからです。店舗内で一人になる空間は、トイレや外へ行ったときぐらいです。ですので、トイレのインテリアデザインはとても大切なのです。
トイレの雰囲気の大切さはこちらを見てください。
会計後の帰りの最後の印象が残りやすい?!
食事が終わり、会計へ移るとき店外へ出る際の印象は、入店時とは異なる印象を与えます。ここで、最後の空間デザインやインテリアディスプレイでお見送りの雰囲気を与えます。そうすることで、その店舗におもてなしの印象が強く残ることになります。
オシャレな雰囲気にするためのコストを掛けるポイント
空間デザインの隅から隅までコストを掛ける必要がない
「やらないより、やったほうが良い」それはその通りです。誰も見ないところまで仕上げていくのが日本の職人魂であり、それは今後も継承すべき精神です。しかし、全てにコストが積み上がっていくのも事実です。次の目的の店舗づくりの場合を除き、機能性の担保とデザイン性とのバランスを考える必要があります。
- 売上や利益は全く求めていなく、社会活動などのための店舗づくり
- 店舗の雰囲気、空間デザインを売りにする高級店の場合
- 1店舗のみの出店しか考えてなく、予算関係ない場合
上記の場合を除き、投資回収のコストに関わってきます。あくまで飲食店の場合は、公共施設や住宅とは異なり、商売のための空間だからです。
見えない所は機能性担保で良い。デザインやディテールにはこだわるな!
次に挙げる事例は一部ですが、考え方のヒントにしていただければと思います。
テーブルやカウンターの下端は、見た目ではなく手触り
テーブルやカウンターの下端(裏面)は、意外とお客様が触れるポイントです。天板の裏は見ませんが触ります。ですので、テーブル天板、カウンター下面の手触りはとても大切なポイントです。しっかり磨いてもらいましょう!その際にしっかり仕上げるのではないというのがポイントです。手触りを良くするだけでいいのです。だれも天板の下面を覗いてクレームをするお客様はいません。
事務所は最低限度のスペックで
事務所や更衣室はスタッフの労働環境には大切な空間です。しかし、この空間はお客様が見るスペースでは有りません。売上に直結しない箇所は、極力コスト削減の意識を持ちましょう!
客席から見える部分以外の厨房内は掃除のしやすい素材で
厨房内の仕上げは、水がかかる箇所、油がはねる箇所は清掃がしやすいステンレスやタイル、キッチンパネルなどにします。しかし、天井やあまり汚れなさそうな所はコスト削減のためにこだわらないようにしましょう!しかし、お客様から見えるオープンキッチンの背面は、客席としてデザインしていきましょう!
見せ場をつくり誘目性を挙げるポイントを作ろう!
見せ場を作ると、他が見えづらくなる
見せ場を作ることが大切なのは、お客様の印象に残るポイントをコントロールしやすいからです。「おしゃれ!」「カッコいい!」と思われるポイントを見せることで、その他の周辺は全く印象に残りません。床の色、壁の仕上げなど、色も素材もあまり意識してみていないものです。ですので、見せ場を作ることが、費用対効果を出すためには必須なのです。
見せ場は店内に入った瞬間に見る所
外から店内に入ったときの印象は残りやすいです。ですので、光を当てるポイントと影を作るポイントを決めておきます。基本的には正面の壁面が見られやすいです。見せ場の壁面を作ったときは、その周辺の床壁天井は極力目立たないようにしていきます。そうすることでより正面のアクセントウォールが引き立つことになります。
トイレで手洗いをしているとき
トイレは店内とは少し異なる雰囲気にすることをオススメしています。ガラッと世界観を変えるのはNGですが、「少し派手に」「少し雰囲気を変える」などして、特別感を与えていきます。
手洗いをしている所にショップカードや宴会コースなどの商材をおいておく広告コーナーとしても機能しやすいです。