これまでの業態開発ではもう古い!?店舗づくりのマインドチェンジを!

これからの店舗デザインにとって一番重要なポイントは、店舗視点から顧客視点へマインドチェンジしなくてはいけません。なぜなら、おしゃれな空間というだけでは、集客できないからです。

飲食店の店舗デザインを考えるうえで大切なポイントは

常連客を掴むこと
人とITの使い方を理解すること
③通うお客様視点でデザインをすること

です。これを実現する方法として3つあります。

誰が何をしにくる店舗かを決める
来店シーンを顧客視点でイメージする
「あったらいいな〜」を設計に取り込む

上記のポイント、デザイン手法を活用することで、これからの店舗業態開発に必ず必要になってくる考え方です。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。


上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。

今までの飲食店舗の作り方を変えるために、マインドチェンジをしなくてはいけない

今のままの店舗デザイン手法で本当にいいのか?

当たり前のように、インテリアデザイナーは、業態を聞き、立地を見て、ターゲットを見て、空間デザインをしてきました。これは私も含めたデザイナーたちが、疑いもせず繰り返し行ってきた設計手法です。しかし、コロナ禍において、今までの常識が急激に変化をしはじめ(IT化もありますが)、設計手法も合わせて見直す時期にきています。

事例から結論をお話したいと思います。

今までの作り方

例えば、恵比寿駅徒歩3分の20坪の物件があったとします。ターゲットは、30代OLのためのカフェを作ろう。ナチュラルテイストで、五感に響くようなリラックスできる空間デザインをしよう。オーガニック商材を取り揃えて、麻のエプロンで接客していこう。価格帯は、、、、

と、お店視点での設計が進みます。

これはオーナーとインテリアデザイナー、厨房業者、内装業者のみで考え作り上げていくので、どうしても店舗側の視点になりがちです。しかし、これからの時代これではうまくいきません。

これからの作り方

テレワークで家での仕事が中々進まず、ちょっと気分転換しながら、会議にも出たいな。ちょっと悩んだとき、一人になりたいとき、お話を聞いてもらいたいときに、ちょっと行きたくなるな。

半個室になっている一人用のテーブル。スタッフさんに話を聞いてもらえるカウンター。そこにあったら嬉しいものを用意しよう。

例えば、私の好きなハーブティーを知っているスタッフがいる、好きなBGMがいつも流れている、体に優しい料理を食べる、野菜などの食材を作っている人がわかる、自分で払ったお金が何に還元されているか説明されている、、、

そういった顧客体験が生まれるようなお店作りをベースに設計をしていかなければなりません。

常連客をつかむためには

店舗デザインを変えることで、集客力は変わるのか?

店舗デザインといっても色形だけではなく、お客が見て感じるものすべてが、空間デザインに関係しています。集客力に関与しているのは「私にあったお店」であるかどうかです。それは、料理、立地、空間、人、BGM、価格帯など様々な要素を含めた「場の雰囲気」が、あっているかどうかで決まります。

かっこいいだけでは、お客さんは来てくれない!?何が求められているのか?

おしゃれ~!開放感ある!かっこいい!というお店は、たくさんあります。当たり前になってきています。会員制や高級店の雰囲気をだして、フィルタをかけることで、特別感は出せます。しかし、それだけでは選ばれて、リピーターにまでなりえません。では、何が求められているのか?

それは常連客と思わせられるかどうかです。

常連と思われる要因とは何か?

上記は、2~3年ほど前に読んだ本にありました「外食逆襲論(幻冬舎単行本)」の抜粋です。この本は飲食店を開業する人、飲食店を設計している人は絶対に呼んでおいたほうが良い本です。とても面白く、興味深いデータがたくさんあります。

ここで常連扱いされたと思って理由は?

という質問に対して、「お店の人と親しく話ができる」「店員さんが挨拶してくれる」「好きな料理や飲み物を覚えてくれている」などほとんどが人に依存するサービスなのです。

外食産業もIT化進み、ロボットによる配膳など機械化も進んできています。常連と思われる要因が、人とのコミュニケーションというのが、IT化と逆行しているようにも見えます。しかしそれは違います。

それはなぜか?

人とITとの役割分担

「好きな料理や飲み物を覚えてくれている」これは特に難しい。お客側は、スタッフ一人とお話していますが、スタッフは毎日複数の人々と話しています。覚えている人もいるとは思いますが、ほとんどの人は覚えられません。そこでITの出番です。顧客データを持つことで、好きな食べ物、注文したメニュー、アレルギーありなしなど必要な情報を持っておき、すぐに情報を引き出せることで、誰でも対応することが出来るようになるわけです。もう勘や記憶に頼る接客をしなくても良くなるわけです。

現在作るべきインテリアデザインとは?

今までの業態開発は古い!?新常識!新たな飲食店づくり

ターゲットや立地環境、価格帯、業態からお店づくりをしてきた時代から、如何にして記憶に残る体験や心地良い体験を味わってもらうか?にかかっています。サービスに頼る部分は多くありますが、空間デザインにも必要な部分があります。

食べに行くから、通う店舗づくりを

店舗デザインのベースは、「誰が何をしにくる店舗かを決める」事から始めます。これはもちろん複数パターンあっても構いません。今まではターゲットを絞って差別化していましたが、それでは「何を食べに行く?」という商品の差別化からしか空間は生まれてきませんでした。ここでは

毎日通うとしたら?
週末ちょっと寄るとしたら?
日曜家族で来るとしたら?

と様々な顧客視点をあげることで、デザイン要素を生み出していきます。すると、通うことを前提にした店舗デザインが自然と生まれてくるはずです。

常連客を増やすインテリアデザインとは

来店シーンを顧客視点でイメージしていると、必要なものがたくさん思いついてくるはずです。

例えば、ハワイアンバーガーのお店に、南国の旅行案内や情報、きれいな写真があると行きたくなるな~。とか、仕事帰りに落ち着いたバーラウンジでいっぱい飲みながら、マッサージされたら極上な気分になるな~。とか、鉄板焼のお肉を焼くシズル感の中で、盛り上げるDJがいたらテンション上がるな~とか。

様々な「あったらいいな~」を設計に取り込むことが出来るようになります。それはディテールにまで及びます。

例えば、仕事に集中したくて、カウンター席で電源と視野が遮られる間仕切り壁があったり、暇つぶしできたカフェで雑誌が見れるようになっていたりすると、また立ち寄ろうと思ったりするものです。

まとめ

このように、店舗作りで大切な要素であるインテリアデザインは、時代に合わせて手法を変化させる必要があります。今までの業態開発からくるお店づくり手法では、時代に会った空間デザインが生まれづらいのです。そこで、店舗デザインの作り方のマインドを変えていくことで、常連客を増やしやすい飲食店を作っていくことが出来ます。

ここで実行すべき重要な三つのポイントをまとめます。

①誰が何をしにくる店舗かを決める
②来店シーンを顧客視点でイメージする
③「あったらいいな~」を設計に取り込む

上記のポイントを抑えることで、リピーターが集まりやすい店舗づくりが可能になります。今までのお店視点での店舗設計から、顧客視点での体験型設計を取り入れてみましょう!

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