入りやすい店舗デザインにするためには、どうしたらよいのか?
なぜ、コンビニや物販店は飲食店より入りやすいのか?
飲食店は中々気軽には入れません。売上を伸ばしてきたコンビニや物販店は、なぜ気軽に入れるのでしょうか?
- 店内に入っても購入しなくても良いから
- 飲食店のように様々な選択肢が無いから
- コンビニは入る目的が様々だから
その他にも入店しやすい理由はあるとは思います。「とりあえず入ってみる」「目的が複数ある」「買う買わないの選択肢がある」という3つの点が大きな理由です。
店舗へ入るハードルを下げるためには、ブランド開発?
飲食店は食事をするところです。目的が明確でした。しかし、その飲食店も複数の目的を作ることが必要になってきています。テイクアウト、デリバリー、物販などその店舗に関わるものを販売する事ができるのです。
そうなれば、買っても買わなくても良い雰囲気づくりも必要になってきますし、食品物販だけではなく、Tシャツなどの物販といったコンテンツを作れば、目的も複数できあがります。
結果、他の飲食店との差別化も出来始めます。あなたの飲食店ブランドを作り上げるという観点で、商品開発をしてくことが求められる時代になってくるということです。
入りやすい店舗デザインはどのようなものなのか?
ソフト面だけではなく、ハード面の開発も一緒にやらなくてはいけません。店舗デザインの面での入りやすさは、外観デザイン(ファサードデザイン)とエントランスデザインになります。街を歩いていて、「どこでランチする?」普段の通勤通学で「あの店気になるな、、。」と記憶し、「いつか機会があったら行ってみよう!」と思い出して来店します。その際に重要なのが、外観とエントランス周りなのです。
そして、そのためにあるデザイン理論があります。それが「エントリー・ポイント」です。
エントリー・ポイントとは?
エントリー・ポイントの3つの特徴
エントリー・ポイントとは、後続のインタラクションに対するユーザーの心情や心構えに大きく影響するような、物理的入口、または注意を引き付けるための糸口のことと定義されています。そして3つの特徴があります。
- 最小限の障壁
- 展望ポイント
- 進行を促す仕掛け
この3つのポイントをうまく活用した事例として、アップル社の小売店舗があると思います。外部との接点が全てガラスで一体化され、入った瞬間に各商品が見渡せ、シンプルに置かれた商材を操作したくなります。まさにエントリー・ポイントを利用したユーザー体験を再定義した良い事例です。
そして、それを飲食店にも利用し、効果的な店舗デザインに出来ないのでしょうか?
入ることを妨げる障壁を減らす店舗デザインとは?
何が入ることの障壁になっているのでしょうか?
飲食店で入りづらい理由を考えてみます。
- 何が食べられるのかわからない(美味しいのか?)
- いくらなのかわからない(コスパよいのか?)
- 店内の雰囲気がわからない(目的とあっているのか?)
- 人が入っているのか見えない(人気なのか?)
料理、空間、サービスに自信があれば、実行出来る!?
オープンにする勇気と自信が必要です。店舗の全てを外から見せるということではありませんが、ほとんど見せる必要があります。料理をしているシーン、お客様が食べているシーン、スタッフとお客様が話しているシーン、看板やメニューから料理を選んでいるシーンなど体験できるシーンをすべて見せていきます。
余計なディスプレイは削除
お店の雰囲気作りに使うディスプレイは全て削除します。その代わり、注文したくなるメニュー、頼みたくなるサービス、店舗のことを知りたくなる情報をディスプレイしていきます。ようするに、エントリー・ポイント理論では、お客様がオーダーするためのルート以外のものは、全て削除することを意味しています。
店頭でチラシ配り、ドア横のドアマンなどはすべて排除
店頭にスタッフがチラシを配っていたらどう思うでしょうか?「お店に人が入っていないのかな?」「人気ないのかな?」と思われ入りづらくなります。
また、ドアマンのようにドアの横に人が立っていては、「高級店そう、、」「気軽には入れないな、、」と思われ、入りたかったとしても、二の足を踏みます。
このようにエントリー・ポイント理論では、店頭にスタッフを立てることも全て排除します。
選択肢をざっと把握出来るエントランスデザインとは?
全体把握できる店舗デザイン
優れたエントリー・ポイントでは、用意された選択肢がざっと展望することが出来ます。店内に入った時、店内にはどのような客席があるのか?テーブル席だけではなく、個室があることも見せます。厨房もオープンキッチンで見せます。トイレがどこに有るのかも把握できます。全てがエントランスからシンプルに把握できるようなプランニングやインテリアデザインになっている必要があります。
また、客席の種類も把握出来るようにしておきます。接待できそうな個室空間、パーティーができそうな大人数対応のテーブル席、眺めが良さそうなロフト席、スタッフと仲良くなれそうなカウンター席、子供と一緒に食事できそうなボックス席といったように、エントランスから把握できるようにしておきます。それらこそ優れたエントリー・ポイントと言えるでしょう。
ウェブサイトでも同じことが言えます。
ウェブサイトのトップページで、サイト構造が瞬時に把握でき、この飲食店では、何が食べれて、どんな体験ができるのか?などその店舗の魅力がシンプルに伝わるようにします。情報絞り、まとめ、それを単純に伝えることです。そして、情報が多ければ多いほど一度に把握できるようにトップページで用意しておくことが、エントリー・ポイント理論では最重要項目としています。
奥が気になり、行きたくなる魅力的なデザインとは?
最後のポイントとしては、先に進むよう人々に働きかける魅力的要素を作ることです。店舗の入口のすぐ先に、チラッと別空間が見えたり、賑わいあるオープンキッチンがあったり、洞窟のような潜る個室があったりと、エントランスとはまた異なる魅力があった時に「奥の方へ行ってみたくな、、、」と思います。そういった店舗デザインを用意していくことが、優れたエントリー・ポイントといわれます。
まとめ
飲食店の店舗デザインで、最適化されたエントリー・ポイントの作り方は、
1.入ることを妨げる障壁をなくすこと!
2.わかりやすい展望ポイントをつくること!
3.進行を促す仕掛けを活用すること!
この3つのポイントを理解し、外観デザインからエントランス周りのデザインをすることで、その店舗が選ばれやすくなります。