物件情報
住所 |
〒303-0044 茨城県常総市菅生町4746−3 |
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周辺環境 |
住宅立地 |
竣工時期 |
2017.12 |
店舗面積 |
81.56㎡(24.67坪) |
席数 |
8席 |
全体予算 |
700~800万円 |
オーナーからの依頼の経緯・依頼内容
どのように飲食店デザイン研究所を知ったか
ビックサイトの展示会にてご訪問させて頂きました。当方、茨城県にて飲食店を個人経営しております。店舗の改装に興味があります。お話を伺いたいと存じますのでご連絡よろしくお願いします。
なぜ、飲食店デザイン研究所に依頼をしたか
茨城周辺での飲食店のデザインが得意そうなところが見当たらず、展示会でお話をして決めました。
どのようなお店を目指すか
地元に人たちがゆったりとできるお店にしたいです。
依頼内容詳細
冠婚葬祭で使われている座敷がメインとなっています。それとは別に、一人で気軽に来れるカウンターだけの客席を作りたいです。
デザインについてはシンプルな和。周辺には無さそうな洗練された雰囲気があると良いです。
飲食店デザイン研究所の提案内容
物件状況、街の周辺環境を見て注意したこと
周辺には食事をできるとこといえば、駅前にしかありません。この周辺には食べれるところ自体が少ないです。
要望を受けて、何を一番ベストな提案だと考えたか
周辺は飲食店自体がないので、競合店舗との差別化ではなく、「如何に地元の人々に重宝されるか?」をテーマにすべきと考えました。わざわざ東京までいかずとも、非日常感を感じられる特別な空間がこの場にあるだけで、「行きたくなる!」と思ってもらえるように空間デザインをこだわりました。
コンセプトストーリー
凛としたくつろぎを与える和食屋
守谷の駅から離れた場所に位置する和食料理屋。
冠婚葬祭として使われることが多いこの場で、近隣にはあまりない凛としたカウンターのみの空間をご提案。
宴会場とはまた雰囲気が異なるので、意識やシーンの違った客層を取り込めたらとデザインしています。
日常の食事では味わえない料理と空間をご提供することで、ちょっとしたご褒美の日に使えるお店としても拡がる事を願います。
マーケット的な視点
地元の人は、シンプルで非日常的な雰囲気には慣れていないはずです。その特別な雰囲気に慣れてもられるお店として、この地域に根付いてもらえることが、重要なポイントです。また、収益源が冠婚葬祭という特別な日に利用されることが多い飲食店ですので、その際に特別感を感じられる空間を少し見てもらえるだけで、「たまには来てみよう!」とまずは思ってもらえるようすべきです。
建築的な視点
既存にある障子や網代天井などは、そのまま活かしたデザインにすることで、懐かしさと伝統の雰囲気を残したいと思いました。日本の木造建築ですので、木の柱は構造であり、建築物に負担をかけないデザインにすべきだと判断しています。違和感なく、新旧がおり混ざる新しい和食店を目指しました。
プランについて
入ってすぐには客席が見えないように靴を脱ぐ場を用意しています。そして、光に誘導されながら奥に入っていきます。L型カウンターにすることで、店舗内を一体感にする効果があり、地元住民が複数人で来ても対応できるようにしています。
厨房計画とオペレーション
厨房内は機器やレイアウトの入れ替えをおこなっています。今回改装したカウンター席部分とは、横長の障子にて料理や下げモノの出し入れが、バック厨房と容易に連携できるオペレーションとしています。家族経営でもあり、スタッフひとりひとりが負担にならないように心がけています。
断面検討
高齢の方が多く住んでいる地域ですので、掘りごたつにしています。昔ながらの落ち着く座の形態に、足に負担のかからない掘りごたつ。料理人であるオーナーとの視線をあわせて、コミュニケーションが取れる断面計画になっています。
視点のデザイン
光の検証
下足入れの周辺は、少し暗めの雰囲気にし、客席へ入るに従い明るくなるライティングデザインとしています。また、非日常を感じてもらうために、直接光が目に入らないように計画しています。そして、目線より下の光を多く配置し、非日常感を演出しています。正面のカウンターバックの白い壁面には、光のグラデーションが明るく上品な空気感にします。
コストコントロール
既存の建築物で利用できる箇所が多かったので比較的内装材としてのコストは抑えています。厨房周りの設備関係で給排水設備のフリ回しで少しコストが上がりましたが、トータル的には抑えられたほうです。
完成後の店舗を徹底検証。「人の集まるデザイン」のノウハウ
また来たくなるデザインとは?
周辺には無い雰囲気のお店ですので、気に入った人はファンに成りやすい店舗です。
行きたくなるデザインとは?
ネットを見て来るお客様は、まだ少ない地域です。今後、ネット普及が地方に進んでいけば、効果も見られると思います。いまは、人から人への口コミや紙媒体のほうが効果は見られそうです。