実はコロナによる店舗集客力は、精神的な部分が大きい?!コロナにも強い店舗
会員制の飲食店は、売り上げを伸ばしている?!
会員制の飲食店は高級店であることが多いです。そして利用者数も少ない店舗が多いです。空間ゆったりと作られていることも多く、ソーシャルディスタンス、衛生面も含めて徹底されているので、安心して利用される傾向にあります。ここでは大箱のホテルレストランというより、小さな専門料理店のことを指しています。
コンセプト店舗は、くる人が限定的だから安心?!
共通の趣味嗜好があるお客様が来店されるコンセプト店舗。アニメ系、ミリタリー系などアミューズメント性の高い飲食店は、売り上げを落としていない店舗があります。これは来店されるお客様が、顔見知りの場合が多いからです。友人や家族との食事で、それぞれコロナに気をつけて食べている人は、少ない傾向があります。これと似たような現象が起きています。
自然を取り込んだ開放的なレストランが人気?!
自然である山や川などは、人工物である建築内とは、空気が綺麗であることのイメージが強く集客力に影響しています。都市部より地方、建物より自然の方が、人口密度が低いのは当然です。そういった面で、自然に囲まれたレストランでは、敬遠されづらいのです。
個室の店舗は、本当に大丈夫なのか?!
個室空間を持っている飲食店は、二極化すると思います。それは、囲まれた個室空間は感染リスクが高いというイメージも持っているからです。換気機能がしっかりしているかどうかは、視覚的にも判断できません。窓を開けるという目に見える換気ではなく、換気扇という人工的なものでおこなわれているからです。
コロナ対策商材はブランドイメージを壊すこともある
衛生的になるはずのアクリル板が、、、
アクリルパーティションが一気に普及し、アクリル板が少なくなっています。しかし、アクリルにも種類があります。表面強度が高いもの低いものもあります。表面に細かい傷が残り、時間と共に汚く見えて、衛生的なイメージから汚いイメージになることが想定されます。
マイナスイメージを日常に戻すのではなく、プラスに転換していくデザインアイデア
「コロナ対応しています!」という表面的な対応では、寿命が短い内装デザインになってしまいます。今までの店舗のブランドイメージやコンセプトを意識したアイデアが必要です。コロナ対策するために、ブランドイメージやコンセプトを壊してしまっては、本末転倒です。
コロナ対策をしたからコロナ前の日常には、もう戻りません。どうせコストをかけるのであれば、イメージアップにつながる店舗デザインにすべきなのです。
内装材にはどのようなコロナ対応した商材が必要性が出てくるのか?
店舗デザインにおけるコロナ対策のポイントは?
店舗デザインで使われる建材、内装材などの仕上げ材。空間構成に影響のある壁や照明。インテリアデザインの視点として、必要なコロナ対策を考えてみます。
飛沫感染
・ソーシャルディスタンス
人と人を離すことで飛沫感染リスクを減らすということですが、飲食店では「席を減らす=売上が減少」とういうことになります。ファーストフードやテイクアウト店などでは、席を持っていないので影響はありません。
・パーティション
そこで近くに人がいても、遮蔽物があれば大丈夫という考え方でパーティションが出てきています。空間イメージや視野の確保のために、アクリル板が多く採用されています。本当に視野が必要かどうかの再検討が必要になってきています。
抗菌・除菌
・清掃しやすい素材
汚れたお店のイメージが、コロナ前と比べてネガティブな印象が強くなりました。ビンテージ、手作り感などの空間デザインがとても流行っていますが、一歩間違えればマイナスイメージにつながりかねないインテリアデザインをなりました。
・除菌ライト
光を当てることで除菌できる照明。紅生姜やお漬物を取るものなど、アルコール除菌ができない部分に役立ちます。
・抗菌建材
クロスやテーブルなど手に触れる部分に利用される建材は、除菌建材の需要はあるかも知れません。しかしこれは、店舗設計の際にお店側でうたえるくらい徹底しなくてはいけません。使ったり使わなかったりする部分があれば、効果は薄れていきます。
・換気設備
元々、飲食店は換気設備が整っていることが前提になっています。ここにHEPAフィルターのような、より専門的な設備が必要かというと、費用対効果がみられるかは疑問です。採用の際には十分な検討が必要になってきます。
コロナが日常化した際に、戻る部分と戻らない部分
建築物、内装はそれぞれ耐用年数があります。それとコロナにおける社会的寿命を考える必要があります。数年後にワクチンが普及し、コロナのニュースが少なくなりはじめた時に、飲食店に来店するお客様が、どこまで意識してお店選びをするのかがポイントです。
コロナを忘れることはありませんが、どのレベルまで必要とされるか?ということです。その際に明らかに「コロナ対応してます!」という空間の雰囲気を壊しているものは、いずれいらなくなるはずです。インテリアデザインに取り込まれているものは、そのまま残るはずです。
コロナ対応した新たな商業空間デザインアイデア
インテリアデザイナーの視点からコロナ対応した新たな商業空間デザインの提案が必要です。今後、様々なデザイナーの空間アイデアが出てくると思います。飲食店デザイン研究所でもその都度デザインアイデアを出し、飲食店経営者にご提案をしていきます。
顧客視点!利用シーンで考える。飲食店におけるコロナ対策ができるシーンとは?
店舗に入るとき
外部から入ってくるので、除菌をする必要があります。また、入口扉も入店される全てのお客様が触れます。抗菌の取手、自動ドア、エアシャワー、アルコールスプレーなどですが、特に手自体、手に触れるものに注目して、デザインアイデア、商品開発をすべきです。
注文のとき
スタッフとお客様が対話をしますので、飛沫感染リスクがあります。そもそもセルフオーダーシステムではお客様との接点をなくすことが出来ます。しかし、飲食店の臨場感やコミュニケーションも一つの楽しみです。マスクやフェイスシールドだけではなく、ファーストフードやHUBのようにお客様が受付カウンターで注文するスタイルであれば、インテリアデザインでの解決も見えてきます。
食事中のとき
隣のテーブル席の人や正面に座っている人との感染リスク防止を考えます。この際、一緒に食事をしている人も意識するのか?他のお客様だけ意識するのか?によって大きく異なります。不安を解消するという意味であれば、他人からの感染を意識すればいいはずです。感染を完全に防ぐという考えでなく、コロナでも安心して食事をしていただける環境を作るという意識で、店舗デザインをすべきなのではないでしょうか?
トイレに入るとき
トイレは一番気をつけなくてはいけない箇所です。元々トイレなので衛生面が大切です。ここにコロナ対策を求められています。ドアの取手、壁の清潔感、手洗いやソープディスペンサーの自動センサー対応のものを採用すれば、お客様はストレスなく使うことが出来ます。香りも重要な要素になるはずです。
お支払いのとき
小規模店舗ではテーブル会計が増えてきていますが、自動決済システム、非接触の決済が今後求められてきます。全く触れずに決済するシステムは普及していくはずです。また受付カウンターでの決済であれば、その場での対策アイデアを練ることが出来ます。
帰るとき
再来店につながる場所です。店舗に入るときと建築的には同じですが、シーンは異なります。最後にアルコール除菌、お手拭きをお渡ししたりと、おもてなしをすることでお客様はポジティブなイメージで帰ることが出来ます。リピーターにつながる可能性が高いシーンなので、よく考える必要があります。
デザイン思考で楽しくコロナ対策をすることで、ポジティブイメージが空間に伝わる
カウンター席ひとりひとりに庭を作る個室空間
カウンター席は1人用か2人用かでは大きく異なります。一人のお客様層に限定してしまえば、席の間にはパーティションを設置できます。ひとり席の空間を作ることが出来ます。
テイクアウトとイートインの通路を視覚的に誘導するデザイン
引き込みが難しい細い通路や階段でも、カラーやサインで視覚的に誘導することができます。
壁面デザインがそのまま受付カウンターに
壁面のインテリアデザインを延長し、受付カウンターと一体化した空間にしています。
連続した絵画の額モチーフのパーティションデザイン
浮いたフレーム(額)が、パーティションにもなっているインテリアデザイン
テーブルの天板がパーティションになるデザイン
蓋のようにフレーム付きのアクリル天板が、立てることでパーティションにもなります。
まとめ
店舗デザイン視点でコロナ対策をすることで、コロナのマイナスイメージからプラスイメージにしていきます。
1.デザインと機能を両立させたアイデア
2.コロナ対応すべき時間軸と建築寿命を意識する
3.飲食店の利用シーンごとに考えていく
空間の雰囲気がコロナ対応することで、ネガティブイメージにつながることがあります。上記の3つの項目を意識したコロナ対策デザインアイデアを店舗設計に取り込むことで、ポジティブイメージにつながる店舗づくりをすることが出来ます。