バカラのB bar 東京 六本木ヒルズから学ぶ 高級店舗デザインが客単価UPの理由と実践ポイント【店舗デザイン研究】

店舗情報

店名 B bar
住所 東京都港区六本木6丁目12−1 ヒルズ けやき坂通り レジデンスA棟 1F
業態 バー
客単価 ¥6,000〜¥7,999
客席数 23席

はじめに

外食ビジネスにおいて、客単価は非常に重要な要素です。多くの飲食店が収益を最大化するためにさまざまな施策を講じていますが、その中でも空間デザインは特に大きな役割を果たします。今回は、高級店舗デザインが客単価にどのように影響を与えるのかを考察し、実際の事例を通じてその効果を探ってみたいと思います。

高級店舗デザインと体験価値

高級店舗デザインの基本的な目的は、単なる食事の場を超えて、顧客に特別な体験を提供することです。この体験は、見た目の空間、サービス(人)、ドリンクや料理など、さまざまな要素から成り立っています。それぞれの要素がどのように体験価値を生むのか、具体的に見ていきましょう。

空間デザイン:見た目と感じる体験

高級店舗の空間デザインは、まず第一に「見た目」に関わります。例えば、バカラの美しいグラスを堪能できる空間は、そのまま美術館のような体験を提供します。顧客は単に食事をするだけでなく、視覚的にも楽しめる要素が加わることで、より高い価値を感じます。

このような空間では、装飾やインテリアの細部に至るまで、デザインが重要です。空間全体が高級感を漂わせることで、顧客はその空間での体験に対してプレミアム感を持ちやすくなり、結果として客単価が上がります。空間のデザインは、単に美しさを追求するだけでなく、その空間に込められたコンセプトやストーリーが伝わるように設計されていることが重要です。

例えば、内装の素材や色使い、家具の配置などが一貫性を持っていると、顧客はその空間に統一感と高級感を感じることができます。さらに、空間の使い方や照明の工夫が、顧客に特別な体験を提供する要素となります。高級な店舗では、空間全体が一つの体験を作り出すために、細部にまでこだわりが見られます。

サービス(人):体験を語るストーリー

サービスは、顧客が受ける体験の質に大きな影響を与えます。高級店舗では、スタッフが提供するサービスも一つのアートです。料理やドリンクの裏側にある物語や想いをしっかりと説明できるスタッフがいることで、顧客はその体験に対して深い理解と共感を持ちます。

例えば、特定のクラフトジンやカクテルが持つストーリーや歴史を語ることができるスタッフは、そのドリンクの価値を高め、顧客にとって特別な体験を提供します。スタッフがその商品の背景や選定理由を丁寧に説明することで、顧客はそのドリンクに対してより高い価値を感じます。このようなサービスは、顧客の満足度を高め、結果として客単価を引き上げる要因となります。

さらに、スタッフの接客態度やプロフェッショナリズムも重要です。高級店舗では、スタッフが顧客一人ひとりに対して丁寧で細やかな対応を行うことで、顧客に特別感を提供します。スタッフの対応が素晴らしいと、顧客はその店舗に対して高い評価を持ち、再訪問や高額なメニューの注文につながりやすくなります。

ドリンクや料理:背後に込められた想い

ドリンクや料理も、体験価値を高める重要な要素です。高級店舗では、単に美味しい料理を提供するだけでなく、その料理がどのように作られているのか、どのようなストーリーがあるのかを顧客に伝えることが大切です。例えば、季の実という京都で作られているクラフトジンのように、特別な素材や製法を使ったドリンクや料理は、その価値を一層引き立てます。

料理やドリンクの背後に込められた想いや物語がしっかりと伝わることで、顧客はその体験をより深く感じ、価格に対して納得しやすくなります。たとえば、料理に使用される素材がどのように選ばれたのか、どのような背景があるのかを説明することで、顧客はその料理に対して特別な感情を持ちます。これにより、顧客はその体験に対して高い対価を支払う意欲が増し、結果として客単価が向上します。

さらに、ドリンクや料理のプレゼンテーションも重要です。見た目が美しい料理やドリンクは、顧客の満足度を高め、その価値を感じやすくします。高級店舗では、料理やドリンクの盛り付けや提供方法にも工夫が施されており、視覚的な楽しさも体験の一部となっています。

実際の事例:B barの体験

今回は、実際に私が訪れた高級バー「B bar」を例にとり、そのデザインが客単価にどのような影響を与えているのかを考察します。

バーの空間と雰囲気

B barは、六本木や西麻布界隈に位置し、18時頃に訪れた際には、静かな雰囲気の中で男性客が一人で飲んでいる姿が見られました。このエリアでは、20時以降にオープンするバーが多いため、B barの早い営業時間は一つの特徴です。カウンター席とテーブル席が2組ほどあり、バカラショップの隣に併設されているという立地も、空間の高級感を引き立てています。

B barの内装は、シンプルでありながらも洗練されたデザインが施されており、高級感を漂わせています。カウンター席とテーブル席の配置も、プライバシーを保ちつつ、リラックスできる空間を提供しています。このようなデザインは、顧客に対して落ち着いた雰囲気を提供し、特別な体験を演出しています。

ドリンクの選定とストーリー

B barでは、メニューに京都で作られているクラフトジン「季の実」があり、このジンはB barオリジナルとして提供されています。ドリンク一つ一つにこだわりがあり、その選定には明確なストーリーと想いが込められていることが感じられます。このように、ドリンクや料理に込められたストーリーが顧客に伝わることで、その体験の価値が高まり、結果として客単価が上がるのです。

「季の実」というジンは、京都の伝統的な製法で作られており、その背景や製法についてスタッフが詳しく説明することで、顧客はそのドリンクに対する理解と共感を深めます。このような説明があることで、顧客はそのドリンクに対して特別な価値を感じ、他のドリンクよりも高い対価を支払う意欲が増します。

スタッフの役割

B barでは、バーテンダーが地元の話をしつつ、ドリンクの説明を行っています。スタッフが提供するサービスも、その体験の一部です。ドリンクの背景にある物語や選定理由を説明できるスタッフがいることで、顧客はより深くその体験を理解し、価値を感じることができます。スタッフの対応が素晴らしいと、顧客はその店舗に対して高い評価を持ち、再訪問や高額なメニューの注文につながりやすくなります。

B barのスタッフは、単にドリンクを提供するだけでなく、そのドリンクに込められた想いやストーリーを伝えることに注力しています。これにより、顧客はそのドリンクに対する理解を深め、特別感を持つことができるのです。

まとめ

高級店舗デザインは、見た目の空間、サービス(人)、ドリンクや料理に込められた想いやストーリーを通じて、体験価値を生み出します。この体験価値が高まることで、顧客はその店舗に対して高い評価を持ち、結果として客単価が向上します。高級店舗では、空間全体が一つの体験を作り出すために、細部にまでこだわりが見られます。

B barのように、空間デザインやドリンクの選定、スタッフの対応が一体となって、顧客に特別な体験を提供することが、高級店舗の成功の鍵となります。高級店舗デザインにおける体験価値の重要性を理解し、それを実現することで、店舗の客単価を効果的に引き上げることができるでしょう。

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