はじめに
飲食店のデザイン研究の一環として、今回は銀座の高級焼鳥店「銀座鳥ばか一代」を訪れました。設計者としての視点を交えながら、実際に訪れた際の体験を詳細にレポートし、飲食店を開業しようとしているオーナーの皆様に役立つ情報をお届けします。
予約の決め手は「直感」と「データ」
東京ビッグサイトで開催されたホテルレストランショーに出展した帰り、銀座に立ち寄り反省会を兼ねた食事をすることに。バスの中で、「誰が一番良い店を見つけられるか?」という遊び半分の競争をしながら検索。食べログやGoogle Mapを駆使し、評価の高かった「銀座鳥ばか一代」に決定。こうして決めた店は、事前情報なしで訪れるワクワク感があり、新鮮な体験になった。
ポイント
- SNSやレビューサイトの活用が鍵。
- 高評価の店舗は外れが少ない。
- 直感的な選択も重要。
老舗の風格と現代的な入りやすさ
銀座の街並みの中でもすぐに見つかる、大きなビル一棟の店舗。老舗の風格を醸し出す蔵戸風の扉が目を引く。「高級感があるけど、入りにくすぎることもない」絶妙なバランスを持つ外観だった。期待感が高まりながら扉を開ける。
ポイント
- 視認性の高い店舗設計。
- 伝統と現代の融合が鍵。
- 外観デザインでブランド価値を向上。
店内に足を踏み入れた瞬間の「期待感」
扉を開けると、1階と2階を分ける風除室のような空間が広がる。レジカウンターがあり、店員がスムーズに迎えてくれた。目の前には古い木の扉が並び、その隙間から向こう側の客席がチラ見えする。「どんな空間が広がっているのか?」という期待感が高まる演出だった。
ポイント
- 入口でゾーニングし、期待感を演出。
- プライバシーを守る仕切りの工夫。
- レジカウンターの配置がスムーズな導線を生む。
プライベート感とデザイン性を両立
案内された2階は、半個室になっておりプライベート感がある。日本の古民家を思わせるデザインながら、現代的なアレンジが施されている。間接照明が心地よく、洗練された和モダンの空間が広がっていた。
ポイント
- 半個室設計で快適なプライベート空間。
- 和モダンのデザインが上品さを演出。
- 照明の工夫でリラックスできる雰囲気。
客層はビジネス利用が中心
店内を見渡すと、30代以上のサラリーマンやカップルが多い印象。男性客が多めで、落ち着いた雰囲気の中で会話を楽しんでいる人が多かった。稼働率は60%ほどで、適度な活気がありつつも騒がしすぎない空間だった。
ポイント
- 高単価でも安定した客層。
- 接待やビジネス利用に最適な環境。
- 騒がしすぎない適度な活気。
料理とドリンクのこだわり
焼鳥メニューは「地鶏」と「通常の焼鳥」に分かれ、それぞれの味の違いを楽しめる。また、和食の一品料理も充実しており、焼鳥メインの店というよりは「焼鳥を中心とした和食店」といった印象だった。ドリンクはワインリストが充実しており、日本酒や焼酎も取り揃えているが、ワイン推しの姿勢が見えた。
ポイント
- 焼鳥だけでなく和食全般に強い。
- ワインとのペアリングを重視。
- メニュー構成で差別化を図る。
結論:大型店舗の強みを活かした設計
大型店舗なので、各フロアで使い方の違いを出していたのがポイント。1階はオープンな空間として賑わいを生み出し、2階は個室でプライベート感を重視した設計。大きな外観の面を有効に活用し、老舗感という安心感を与えるデザインになっていたのも印象的だった。
銀座での出店を考えている方、高級業態を目指している方にとって非常に参考になる店舗でした。
ポイント
- フロアごとに異なる体験を提供。
- 大きな外観の活用でブランドイメージを強化。
- 老舗感と安心感を与えるデザイン戦略。
店舗情報
店名 | 銀座鳥ばか一代 |
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住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目3−8 |
業態 | 焼鳥 |
客単価 | 34,230円 |
客席数 | 67席 |