東京 西麻布「博多もつ衛門」に学ぶ—飲食店づくりを事業として成功するためのデザイン【店舗デザイン研究】

記事を書いた目的

飲食店を立ち上げたり運営しているオーナーにとって、成功するためのポイントは数多くありますが、その中でも今回は「店舗デザイン」と「顧客体験」が重要なポイント。西麻布に位置する高級もつ鍋店「博多もつ衛門」を訪れ、その外装やインテリアデザイン、店舗運営から得られた学びを共有します。

店舗訪問のきっかけ

「博多もつ衛門」は、事務所の近くにあるため、いつも歩いていて気になっていました。黒いレンガの重厚感のある外観は、この周辺の他の飲食店と比べても、目を引くもので、訪問する前から「特別感」が感じられました。これは、飲食店を計画する上で、外装デザインの重要性です。

学び: 飲食店オーナーとして、店の外観が持つ役割を見過ごしてはいけません。外観は顧客に対して最初の印象を与えるポイントであり、その期待が店内の体験へと繋がることが理想です。

外観とインテリアデザインの統一性

「博多もつ衛門」の外装は、重厚感のあるレンガ張りが特徴で、内部もシックなデザインで統一されています。この外観と内装の一貫性は、訪れた顧客に安心感と満足感を提供します。実際に店内に入った時、外で感じた印象を裏切らないインテリアデザインでした。

学び: 外装とインテリアデザインの統一性をもたすことで、お客さんに与える信頼感が向上します。また来たくなる、思い出しやすい空間デザインといえます。外装も内装も統一感を持たせることは、ブランディングに役立ちます。

隠れ家立地での目立ち方

西麻布という隠れ家的なエリアは、特別感を演出するのに最適です。しかし、ただ「隠れている」だけでは集客につながりません。「博多もつ衛門」は、落ち着きながらも目立つ外装デザインで、自然と人の興味を引くことに成功しています。特に、レンガ張りの外観と控えめなファサードが、他の店舗との差別化を図っています。

学び: オーナーとしては、隠れ家風の立地を選ぶ際、外装を工夫して視覚的に人を引きつける工夫が必要です。

プライベート感を重視した空間設計

「博多もつ衛門」の店内は、落ち着いた雰囲気でプライベート感がしっかりと保たれています。半個室や奥まった席が多く、接待や大人の会話が求められるシーンに適しています。1階のディシャップカウンターは、顧客から少し見える位置にあるのは、少し気になりましたが、オペレーションとしては、良いのかもしれません。

学び: 空間デザインにおいて、プライベート感を重視することで、接待やビジネス利用を促進できます。特に、シックなデザインと落ち着いた照明を組み合わせることで、大人の空間を作り上げることが可能です。

メニューと体験のデザイン

「博多もつ衛門」では、博多料理を中心に、見た目に驚きのある料理を提供しています。例えば、トマトのサラダは丸ごとのトマトが皮を剥かれた状態で提供されました。そのビジュアルが客の注目を集めます。このようなメニューの視覚的な驚きは、食事の体験を豊かにし、顧客の記憶に残りやすいアイデアです。

学び: 飲食店オーナーとしては、メニューに「驚き」や「話題性」を持たせることが顧客の満足度を高め、再来訪を促します。視覚的な工夫は、顧客体験を強化する重要なポイントです。

スタッフの動きとサービスの質

実際に厨房内をみたわけではないので確かではありませんが、5〜6名のスタッフが店舗を運営しており、サービスの質は安定していました。特に、私たちを接客してた年配のホールスタッフさんは、メニューの説明を丁寧に行い、親切な接客が印象的でした。提供時間は最初少し時間がかかりましたが、調理時間のかかるメニューばかり選んでいたのかもしれません。

学び: スタッフが顧客に丁寧に接することで、提供時間の長さがあっても顧客満足度は維持できます。飲食店オーナーとしては、スタッフの教育に力を入れ、メニュー知識を深めることで、顧客の信頼を得ることができます。

コストパフォーマンスの評価

最終的な会計は3人で14,000円ほど、一人あたり約7,000円でした。料理の質や店内の雰囲気を考慮すると、価格に見合った満足感を得ることができました。ただし、この価格帯がリピーターの継続的な訪問を引き出すかは、立地やターゲット層次第といった印象です。

学び: 高価格帯であっても、提供する体験がその価格に見合うものであれば、リピーターを獲得できます。オーナーとしては、価格設定と体験のバランスを意識し、適切なターゲティングを行うことが重要です。

まとめ—これから初出店する飲食店オーナー様へ

「博多もつ衛門」から学べることは、外装デザインの重要性、内装の統一性、プライベート感のある空間設計、視覚的な驚きを伴うメニュー、そして丁寧なスタッフ教育です。これらはすべて、顧客体験を高め、店舗運営を成功させるための要素です。特に、デザインとサービスが調和した店舗は、顧客にとって忘れられない場所となります。

店舗情報

店名 西麻布 博多もつ衛門
住所 東京都港区西麻布3-24-4
業態 もつ鍋
客単価 ¥10,000~¥14,999
客席数 59席

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