【初めての飲食店開業で失敗しないために】店舗内装のよくあるトラブルと注意すべきこと

店舗内装で失敗しないために、最初に考えるべきことは?

飲食店を初めて出店するオーナー様が、**内装工事で一番つまずきやすいのが“設備設計の甘さ”**です。なぜなら、見積金額やデザインだけで施工会社を決めてしまい、開業後に大きなトラブルが起きるケースが非常に多いからです。

設備設計が甘いと、営業が始まってからこんな問題が起こります。

  • 「厨房からの煙が店内に漏れてクレームに…」
  • 「ブレーカーがしょっちゅう落ちて営業中断…」
  • 「床下配管から漏水して、階下の店に損害賠償…」

その原因のほとんどは、設備計画を軽視した内装プランにあります。

そこでトラブルを防ぐうえで重要なのが、以下の3つのポイントです。

① 設備設計に強いパートナーを選ぶ

内装工事は会社で選ぶのではなく、担当者で選ぶのが鉄則。その人が設備設計に詳しいか、現場や法令への理解があるか、丁寧に説明してくれるかが極めて重要です。

② デザイナーも設備を理解しているか確認する

デザイナーが設備を理解していないと、図面の段階でミスが生まれ、施工現場でトラブルが頻発します。実際、空調・ダクト・電気容量などを考慮せずに進めた結果、数百万円の追加工事になった例もあります。

③ 見積は「金額」よりも「中身」で比較する

相見積もりを取ったら、“合計金額”ではなく“仕様の違い”を確認しましょう。防水の仕様、空調能力、ダクト径、グリストラップの処理方法など、見積に含まれている内容が会社ごとに違います。

これを実現するために、現場での具体的な確認ポイントは以下の5つです。

① 防水の仕様はどうなっているか?

厨房や水回りで一番多いトラブルは漏水です。立ち上がり防水がない、シートがめくれている、勾配が取れていないなど、開業後の損害が大きいので最優先で確認を。

② 換気・排気は適切に計画されているか?

焼き場や揚げ物の油煙が店内に流れてくるケースは、換気設計の甘さが原因。給気と排気のバランスや、天井裏のダクト設置スペースまで含めて要確認です。

③ 電気容量と分電設計は適切か?

エスプレッソマシン、冷蔵庫、IHコンロ、照明など…同時使用を想定したブレーカー設計でないと、営業中に電気が落ちます。

④ 給排水のルートとグリストラップは設計されているか?

排水が詰まる、悪臭がする原因はグリストラップのサイズ不足や清掃しづらい位置にあります。事前に排水経路と掃除方法を確認しておきましょう。

⑤ 防災・避難ルートは計画されているか?

消防検査で通らなければオープンできません。非常灯、火災報知機、避難動線などが正しく設計されているか?デザイナー任せにせず自分でも確認を。

これらを反映して設計したお店では、実際にトラブルなくスムーズな店舗運営が実現できています。


はじめに:なぜこの記事を書くのか?

飲食店を初めて出店するオーナーにとって、内装工事は避けて通れない一大プロジェクトです。多くの方が「複数の業者から相見積もりを取れば安心」と思いがちですが、実際には”金額だけで選ぶ”ことで、大きな落とし穴にはまるケースが多発しています。

この記事では、よくある店舗内装のトラブルを具体的に解説し、開業後も安心して営業できる内装設計・施工のポイントをまとめます。

結論:本当に見るべきは”設備設計”と”人”

オープン後に後悔しないためには、最終的な見積金額だけでなく、”将来の維持費”や”トラブル対応力”も見据えて判断する必要があります。

特に飲食店では、厨房を含む設備設計に関するトラブルが多発します。設計施工を依頼する会社が、その分野に強いかどうかを見極めることが、成功の鍵となります。

また、施工会社だけでなく、担当者個人の知識・経験・説明力も重要です。設計者や監督が現場で判断し、リスクを先回りして提案できるかどうか。その力量がトラブルを未然に防ぎます。

よくあるトラブル事例とその背景

1. 防水施工の不備で階下漏水トラブル

とある新宿のビルイン物件で、オープン後3ヶ月で階下から漏水クレーム。原因は厨房床の防水立ち上がり不足と、排水の勾配不良。工期短縮とコスト削減を優先した結果、補修費+営業損失で100万円以上の損害が発生しました。

✔チェックポイント:厨房床はシート防水?FRP?ウレタン?立ち上がり高さは150mm以上?

2. 換気設計が甘く、店内が煙だらけに

焼鳥店の開業後、店内に煙がこもり、お客様からクレーム続出。調査したところ、排気ダクトはあったものの、給気が足りず店内が負圧状態に。吸った煙が戻ってくるという本末転倒な事態に。

✔チェックポイント:必要換気量を計算しているか?給気と排気のバランスは?外壁に穴は開けられるか?

3. 電気容量不足で営業中にブレーカー落ちる

カフェでよくあるのが、同時にエスプレッソマシン・IH・製氷機を使った瞬間、店内の電気が落ちる問題。原因は契約容量不足とブレーカーの分電設計ミス。結果、契約電力を上げる工事と機器の買い替えが必要に。

✔チェックポイント:主電源の契約容量(kVA)と、各機器の最大消費電力を把握しているか?

4. 給排水トラブルで詰まり&悪臭

グリーストラップのサイズが小さく、油分が処理しきれず配管に付着。半年後には排水詰まり、店内に異臭。既存ビルの排水経路を考慮しないまま、プランを強引に通した結果です。

✔チェックポイント:既存の縦管の位置と勾配は?グリーストラップの容量と清掃計画は?

5. 空調負荷の読み違いで店内暑すぎ問題

夏場にエアコンを全開にしても涼しくならない店舗。原因は厨房の熱気と外気の流入、さらには断熱施工の不足。結果、追加で天吊りエアコンを入れる羽目に。

✔チェックポイント:厨房と客席の空調系統は分けているか?熱負荷計算をしているか?

設備設計のチェックリスト

以下の質問に、設計者・施工担当者が即答できるかが重要です。

  • 防水の仕様は?シート・ウレタン?立ち上がりは?
  • 換気設備はどこから給気?排気ダクトはどこに?
  • 厨房と客席の空調は分けてあるか?熱源機器に対応しているか?
  • 排水の勾配はどれくらい?配管の清掃口はどこ?
  • 電気の契約容量とブレーカー設計はどうか?
  • 防災設備(火報・誘導灯・避難経路)は設計されているか?

良い業者・デザイナーを見極める3つの視点

1. 担当者が図面を読み、説明できるか?

「それは現場がやります」だけではダメ。打ち合わせ時に”図面上の注意点”を明確に説明できるかが信頼のバロメーター。

2. デザイナーが設備に理解があるか?

壁や床材、色だけでなく、「なぜここにこの設備が必要か」を語れるデザイナーは、現場で揉めません。施工会社との連携もスムーズ。

3. 金額ではなく”中身”で比較する

安い見積もりには理由があります。たとえば”給排水は現地にて要確認”などと書かれていたら、追加工事の予兆。詳細な設計と見積もりを出してくれる業者を選びましょう。

内見同行時の実用質問リスト(保存版)

現場内見時、以下の質問を業者・デザイナーにぶつけてみてください。

  • 「この位置に厨房を置く場合、排水はどう取れますか?」
  • 「この建物の電気容量はどれくらいで、うちの機器は問題ないですか?」
  • 「天井裏に換気ダクトは通りますか?もし通らなければどう対応しますか?」
  • 「避難経路として、この動線で消防の指導に通りますか?」
  • 「グリストラップはどこに設置可能ですか?どのサイズですか?」

即答できない場合、その業者や担当者は検討し直したほうが良いかもしれません。

最後に:3年後の姿から逆算して考える

開業の準備中は目先の費用に意識が向きがちです。しかし、重要なのは「3年後にどれだけコストがかかっていないか」。

・防水がしっかりしていて漏水していないか?

・空調や換気が十分で、客席が快適か?

・トラブル対応で余計な出費や休業が発生していないか?

安く見せかけた設計施工には、後で高くつく”落とし穴”が潜んでいます。

だからこそ、設計と技術、そして”信頼できる人”を選ぶことが最も大切です。

この記事を読んだあなたが、安心して飲食店をオープンし、長く続く商いを築けることを願っています。

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