展示会で変化!飲食業が再び動き出した―いま考えるべき出店とリブランディング戦略

はじめに:止まっていた時計が再び動き始めた

2024年の展示会では、飲食店の出展者・相談者の多くが慎重な姿勢を取っており、

「今はまだ動くタイミングではない」といった空気が漂っていました。

私たちもその年は、民泊や宿泊施設の相談を多く受け、飲食関連の声はごくわずかだった印象があります。

しかし2025年、明らかに空気が変わりました。

飲食に関する相談が再び増え始め、しかもその多くが前向きで、具体的なアクションを視野に入れたものだったのです。

相談の質が変わった:動き出したいオーナーたちの声

相談内容の傾向

今年の展示会で目立ったのは、以下のような相談でした

  • 個人オーナーによる新規出店(カフェ、ベーカリー、飲食複合など)
  • 既存店舗のリニューアルや再ブランディング
  • 古い飲食店舗を活用した再生計画
  • 飲食×物販、飲食×宿泊などの複合業態アイデア

相談内容には、まだアイデア段階のものもあれば、物件がすでに決まっている本格的な動き出し直前のケースも含まれていました。つまり、「今こそ動く」という機運が明確に生まれていると感じています。

なぜ、いま飲食が動き出しているのか?

地域需要の回復と慎重な前進

コロナ禍で落ち込んでいた街のにぎわいが徐々に戻り、日常的な外食、気軽なカフェ利用といった生活密着型の飲食需要が復活しています。ただし、特にカフェ業態は依然として競争が厳しく、経営難に陥るケースも多いのが現実です。出店に際しては、空間コスト・人件費・回転率・物販連携など複数の視点からの設計が不可欠です。

商業エリアでの飲食価値の再評価(※首都圏中心)

駅前や再開発地区など、限られた都市部においては、飲食を“集客装置”として設計する流れが再び注目を集めています。

  • 複合施設やシェアスペースと連動する飲食導入
  • 地域拠点としての飲食スペースの設計
  • 「場所に理由を与える」飲食店の役割

とはいえ、この流れは地方ではまだ限定的であり、エリア戦略とポジショニングは慎重な検討が必要です。

飲食オーナーの「再挑戦」が増えている

  • 一度閉めた店舗の再出店
  • 別業態からの転換・縮小
  • 後継者による事業継承とリニューアル

これまでのキャリアや知識を活かして、**「今度こそ続けられる形にしたい」**という

“現実志向の挑戦”が増えているのが、2025年展示会の最大の変化です。

どんな飲食店が求められているのか?

小さくても、強く、続けられる店

相談を受けた中で、共通して見られた要素は以下のとおりです:

  • 個性のある小規模店舗→ メニューを絞り、ブランドストーリーと設計を一致させる
  • 地域密着型の居場所→ 子育て世代や高齢者も安心できる設計・価格帯
  • 人手が少なくても回せる構造→ 導線とオペレーションに無駄のないレイアウトが必須
  • SNSや物販と連動した“広がる店舗”→ カウンター商品やテイクアウト連携、EC導線設計など

設計の視点:「映える」より「心地よさ」が重視される時代へ

「内装がオシャレ」「インスタ映えする」だけでは、もはやリピーターにはつながりません。今、求められているのは“また来たくなる理由”をつくる設計です。

それは例えば、

  • 席の配置とパーソナルスペースの確保
  • メニューに沿った導線設計(提供タイミングに無理がない)
  • 音、香り、光のバランスによる居心地
  • 滞在時間と回転率を両立させる設計

など、感覚的な快適さと経営的な合理性の両立です。

いま、飲食オーナーが考えるべきこと

出店・改装前に持つべき視点

  • 継続可能な利益構造を最初から設計に組み込む
  • スタッフ数と営業時間に合わせた運営設計
  • 地域特性とターゲットの一致(立地分析)
  • ブランドイメージを空間で体現するデザイン戦略

まとめ:今度こそ、続けられる飲食店を

展示会を通じて明確になったのは、投資案件ではなく“自分の商売”としての飲食を見直す動きが戻ってきたという事実です。

派手な新規参入ではなく、

  • 「小さくてもしっかり続けられる店舗を持ちたい」という声が増えています。

私たち設計者も、そんな現実的で前向きな飲食店オーナーの挑戦にこそ、本気で寄り添えるパートナーでありたいと強く感じています。

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