集客力のある店舗デザインとは?本記事では、川越駅近くにある飲食店の設計事例を通じて、集客に効く空間構成、照明設計、厨房オペレーション、内装費用の考え方までを建築家の視点で解説。新規開業・リニューアル時の参考に!
物件情報
住所 | 埼玉県川越市南通町14-2 アラジンビル 1F |
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周辺環境 | 商業立地 |
竣工時期 | 2025.05 |
店舗面積 | 80.22㎡(24.27坪) |
厨房面積比率 | 22.68% |
席数 | 44席 |
席数/坪 | 1.81 |
全体予算 | 2500万円 |
※実際にこの物件の内装費用とは異なります。 | |
客単価 | 4,000~5000円 |
月商 | 770万円(想定) |
学びのポイント
飲食店の設計や内装デザインで「集客力」を高めたいと考えている飲食店オーナー、外食チェーン本部、新規事業で飲食業界に参入を検討している企業にとって、事例から学べるリアルなノウハウは貴重です。本記事では、川越の「やきとり箔」の実例を通じて、飲食店デザインにおける空間演出、照明設計、オペレーション導線、コストコントロールのポイントを詳細に解説します。焼き場のシズル感や視認性をどう活かし、顧客を惹きつける空間をどう構築するか。設計事務所と協働したブランディング型飲食店開業の裏側を、設計者の視点から深掘りします。これからの飲食店経営やFC展開に役立つヒントが満載の事例レポートです。
なぜ、飲食店デザイン研究所に依頼をしたか
このプロジェクトは、地元建設会社の社長が「地域に根ざした店づくり」を目指してスタートしました。飲食店の開業に際し、空間の魅力が集客力を大きく左右することを理解していた社長は、内装デザインの実績を持つ「飲食店デザイン研究所」へ依頼。信頼のあるFC本部からの紹介であったことも決め手となりました。
- 地元企業による飲食店運営という独自性
- 集客のための空間ブランディングに注力
- 専門家との連携で“場づくり”の精度を高める
どのようなお店を目指すか
オーナーが理想としたのは、単に食事を提供する場所ではなく「地元の人が集まり、自然と会話が生まれるような場所」。その想いは空間設計に強く反映されました。焼き場に立つのはオーナー自身。だからこそ、厨房と客席の距離感、使いやすさ、雰囲気の両立が必須条件だったのです。
- オーナー自ら焼き場に立つ、地域密着型の営業スタイル
- コミュニケーションが生まれる空間デザイン
- 人が集まる「場」としての店舗機能
飲食店デザイン研究所の提案内容
物件状況と周辺環境から見た設計ポイント
店舗は川越駅から徒歩圏にあるが、繁華街からは少し外れた立地。通りすがりにふらっと入るよりも「目的を持って訪れてもらう店」を目指す必要がありました。視認性、印象の強さ、そして“何の店かがひと目でわかる”構造が求められたのです。
- 川越駅近くでも人通りの少ない立地
- 外観デザインが集客の生命線
- 通行人を惹きつける視覚的仕掛けが必要
提案の中心は「焼き場」と「賑わいの演出」
やきとり店において「焼き場のシズル感」は最大の集客装置です。そのライブ感を通行人にも感じてもらえるよう、カウンター配置や光の扱いに工夫を凝らしました。
- 焼き場を前面に押し出した設計
- シズル感で通行人の視線を惹きつける
- カウンターの配置でにぎわい感を演出
空間構成とプランニング
入り口には焼き場を囲むコの字型カウンターを設置。そこから奥に行くと、すだれで緩やかに仕切られたテーブル席・ソファ席が登場します。用途や人数に応じて選べる設計が、幅広い顧客層にフィットしています。
- 入りやすいカウンター席
- 落ち着いた奥のテーブル席
- 用途に応じて分かれるゾーニング
厨房計画とオペレーション設計
焼き場はカウンター側に設置し、バックヤードは調理・洗浄・ドリンクに分担。動線が短く、視認性も高いため、顧客との距離感が縮まり、ライブ感も演出されます。
- 焼き場とバックヤードの役割分担
- スタッフの移動を最短化
- 接客と作業性を両立した厨房配置
照明計画と視覚効果
カウンターには上から下への照明で活気を演出し、奥の席には下から上への間接照明で落ち着いた雰囲気を演出。明暗の対比で空間にメリハリをつけています。使用素材も光が美しく広がるものを選定。
- 手前は明るくにぎやかに
- 奥はしっとりと落ち着いた演出
- 照明と素材が連動した空間設計
コストバランスと投資対効果
賑わいの出る場所、目に触れる場所には投資を集中し、厨房やトイレは機能性重視でコストを最適化。店舗全体の印象と経営効率を両立させています。
- 投資対効果を考慮した設計
- 客の目線に入る場所にコストを集中
- 背景部分はミニマルに
人が集まる飲食店デザインとは?
入りたくなるデザイン
外から見えるカウンターと焼き場のライブ感が、「ちょっと覗いてみたい」と思わせる力を持っています。焼き鳥の煙、香り、音。そのすべてが視覚化されている構成がポイントです。
- 視覚と嗅覚に訴える外観
- カウンターと焼き場のライブ性
- 通行人が思わず立ち止まる設計
また来たくなるデザイン
手前は一人でも入りやすいカウンター席、奥はグループやデートで使える落ち着いた席と、シーンごとに空間が使い分けられることで、再訪したくなる“安心感”をつくっています。
- シーンごとに使えるゾーニング
- カウンターは一人でも使いやすく
- 奥席はデートや会食に最適
行きたくなるデザイン
口コミやSNSで共有されやすいデザインも大事。間接照明や料理の見映え、撮影しやすい空間など、“発信したくなる場”が意識されています。
- 写真映えする照明とインテリア
- SNS発信しやすい構造
- 口コミが呼び水となる設計
実際の声と今後の展望
オープン直後から評判は上々。カップルや常連客の姿も多く、レビューには料理のボリューム、スマホオーダーの快適さ、焼き場のライブ感など、設計意図と一致した感想が並びます。
- 白レバーやねぎまの高評価
- セルフオーダーの便利さ
- 空間と味の相乗効果
結論:飲食店デザインのカギは「五感」と「物語」
焼き場のライブ感、照明の演出、素材の質感、ゾーニングの工夫。これらすべてが“集客する空間”を構成する要素です。単なる装飾ではなく、明確な意図と機能が裏付けされた設計が、飲食店成功の鍵となります。
- 成功する飲食店は「場の設計」が優れている
- 五感に訴える空間演出
- ストーリーのあるデザインは顧客の記憶に残る