ホールスタッフの立ち位置が設計されていない店舗は、サービス力が落ちる?!【働きやすい環境づくり】

サービス力向上のために、一番重要なポイントは、ホールスタッフの立ち位置です。なぜなら、お客さんの居心地はスタッフのサービス力や立ち振る舞いに関係しているからです。

サービス力向上のための客席でのオペレーション設計を考えるうえで大切なポイントは

1.お客とスタッフの接点を見よう
2.お客にとって居心地の良い状態を作ろう
3.働きやすい環境を作ろう

です。これを実現する方法として3つあります。

1.お客様を見渡せるが、お客様からは視界に入らない場所を作る
2.事務作業や提供前のセットなどちょっとした作業ができる場所を用意する
3.厨房やドリンク場など必要な場所へ行きやすい位置にする

上記のポイント、デザインパターンを活用することで、筆者が実際に作った店舗では、サービス力向上を図っています。重要なポイントとして、ぜひ覚えておきましょう。


上記のポイントを一つ一つ細かく解説していきます。

小さなお店に意外と多い?!落ち着かない客席レイアウト

オペレーション設計は、厨房だけではない!

店舗デザインをしていて、打ち合わせで厨房オペレーションの話ばかり取り上げられる事が多いです。そして、客席側は店内の雰囲気もあるので、インテリアデザイナーにお任せされる事が多くあります。しかし、客席側にも作業のしやすさにつながるオペレーション設計はあるのです。そこを蔑ろにする飲食経営者は意外と多いのビックリします。

スタッフの視線が気になって落ち着かない!

店舗デザインに入る前に、いつも周辺の飲食店を調査をします。実際に私も体験する中で、スタッフの視線が、お客様が落ち着けない原因になっている事があります。しかしよく考えてみれば、食事中に常に誰かに見られているのが、落ち着かないのは当然といえば当然ですよね??

意外と見られているスタッフの姿

注文をする際に、スタッフの姿を発見しやすい方が、ストレスがかかりません。しかし、サボっている姿やお喋りしているシーンを見られるくらいなら、見られない方がまだマシです。

ホールスタッフが、暇そうにしていたりするのは、お客様にとって気になり、マイナスイメージにつながります。

ホールの居場所がない?!

厨房が狭い店に多いのですが、厨房に入れず客席でオーダー待ちをしているスタッフがいます。そのスタッフが、私の席のすぐ後ろ後方隣に立たれると、とても落ち着いて食事ができません!

ホールスタッフの立ち位置がない店舗は、意外と多いです。ということは、気づけていない店舗が多いということです。これは知らないうちに、お客様を居心地を損ない、来店されなくなっているかもしれないということです。

客席のオペレーション設計とは?

効率のよいオペレーション設計をするには?

オペレーションといえば、料理やドリンクを作る厨房(キッチン)の設計ではよく検討されています。そこには、インテリアデザイナーだけでなく、厨房メーカー、設備業者などと多くの専門家がいるからです。しかし、効率の良いお店づくりのための店舗設計をするためには、客席のオペレーション設計もしなければ完成しません。客席ではどのような流れで、オペレーションや作業が行われているのでしょうか?

・お客様をご案内する(入店時、気づけなければならない)
・オーダーを受ける(注文したくなっていそうなことに気づけるか?)
・料理(ドリンク)を厨房から受け取り、提供する(持っていきやすいか?)
・会計をする(スタッフの動きが最小限で済むか?)

これが基本的な流れです。実はこれ以外にとても大切なことがあるのです。それが、何も用がない時のホールスタッフです。それが「ホールの立ち位置」と呼んでいます。

お客様の居心地の良い空間を作るには?

お客様が居心地の良い空間とは、食事や会話、その場の雰囲気をいかに楽しめるかということです。それを阻害することは、できる限り排除しなくてはなりません。そのひとつとして、今回のテーマである「ホールの立ち位置」があります。ホールスタッフの立ち位置とは、スタッフがやることがない時に立っている場所のこと言います。

スタッフの視線や姿が気になってしまう店舗レイアウトではいけません。そこで店舗計画時にホールの立ち位置を設計しておく必要があります。そのポイントは、

1.客席を見渡せる位置を決める(複数の場所でも可)
2.全ての客席から見えづらい場所とする
3.厨房とのアクセスをよくする
4.作業ができる場所とする

この4つのポイントを守りながら、プランニングします。

働きやすい環境を作る店舗デザインとは?

スタッフも営業時間中、常に誰かに見られながら働き続けるのは大変です。それが見せられる作業であればいいのですが、必ずしもそういう作業ばかりではないはずです。しかし、何もせずボーッとしていても、時間が長く感じやすく、サボっているようにも見えて、良い気はしません。

・お客様の視線が気にならない場
・雑務ができる場
・ちょっと一息つける場

このような場をプランニングすれば、働きやすい環境につながっていくのです。

具体例

客席を見渡せるけど、お客様には見られないレジカウンターを作る

お客様のお出迎えができ、会計ができ、書類関係が集まっている場所にします。かつ、厨房との導線も短く設計されています。そこから客席を見渡せる事ができます。

スタッフルームもいいけど、厨房内にちょっと休める死角が落ち着ける

小さなお店ではスタッフルームがとても小さな面積でしかとれません。そこでちょっと作業中に一息つける座れて隠れられる場所を作ります。

働いている時だって休みたい!スタッフが落ち着ける場所の作り方

厨房のディシャップゾーンに位置しながら、お客様からは見られづらく設計されています。少し中腰になれば、お客様からは見えなくなり、しっかり立つと客席が見れるようになるサービスステーションです。

まとめ

お客様もスタッフも居心地の良い店舗設計にするには、

1.お客様を見渡せるが、お客様からは視界に入らない場所を作る
2.ちょっとした作業できる場所を用意する
3.厨房やレジ、小皿など必要な場所へ行きやすい位置にする

3つの条件が揃ったホールスタッフの立ち位置を作ることは、お客様がスタッフからの視線を気にせず食事ができ、リラックスできることにつながります。それと同時に、ホールスタッフも働きやすい仕事場が出来上がることにつながります。

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