行動科学と心理学で人を集める飲食店デザイン研究

目次

心理学と行動科学とは?

心理学とは、心の動きを科学的に検証し、人間心理を解き明かそうとする学問です。

行動科学とは、人はなぜ、そのような行動をするのか。人間のさまざまな行動を科学的に研究し、その法則性を解明しようとする学問です。

今回は両者の学問の比較ではなく、飲食店デザインで活用できる学問をピックアップして具体的に実行可能なアイデアを出していきます。 

心理学を飲食店で使うメリットは?

入りたくなる、また来たくなる、行きたくなる店舗作りができる

飲食店デザイン研究所のテーマでもある「入りたくなる」「また来たくなる」「行きたくなる」の3つの研究対象があります。これらはを達成するために、心理学から考えられたアイデアは数多くあります。主軸と言ってもいいほどです。心理学を使って、結果を残すことによりファンを作り、集客力が上がることでしょう!

顧客視点で行動が出来るようになる!

心理学は、お客様の心理を読み、行動を促していくことです。これは結果としてお客様のことを想い、顧客視点になっていることを意味しています。お客様の想いを汲むことは、ブランド(ファン)を作ることでは必須です。

あなた自体を人気店を作るマインドにしてくれることでもあります。 

他店のマネではなく、オリジナルアイデアが出やすくなる

うまく行っているお店をベンチマークして、そのとおりやることは安全牌としてよくやりますが、実はこれにもリスクはあります。すでにあるということは、店舗の発展する市場の時期が遅すぎることもあります。またすでにあるので、ベンチマーク店と競合となります。

心理学視点でそのベンチマーク点を見ることにより、繁盛している理由が見えてくることがあります。その発見こそが、真似をするポイントなのです。表面的なモノばかり真似をしても上手くいかないときは、お客様の想い(本質)とお店がやっていることが、ずれている証拠です。

心理学視点で発見したポイントから考えられたアイデアは、まさにあなたのオリジナルアイデアです!これを元に、接客や空間、メニューなどに派生していくことで、人が集まる店舗へとなっていくはずです。

飲食店における心理学3つの分類

心理学は数多くの項目があります。しかし、飲食店で利用できる心理学は大きく3つに分類されます。

運営、接客、ブランド企画で使える心理学

運営、接客、ブランド企画で使える心理学は、お客様とスタッフの行動につながる物が多いです。コミュニケーションやお店の状態など、人から伝達するものです。次の3つの事例がすべて心理学が利用されています。

「禁煙で窓際の席が良いんですけど、、」
「席のご確認をしてまいりますので、少々お待ち下さい。」
「禁煙席は空きがありましたが、窓際はいっぱいでして他のテーブルのお席でもよろしいでしょうか」

このような会話で、まぁ、いいか、、と思わないでしょうか?

街を歩いていて、行列ができている飲食店があったとしたら、、、
「人気店なのかな?」
「なんの店だろう?」
「美味しいのかなぁ?後で調べてみよう」

など、思いませんか?

スタッフが黒板を持ってきて、3つの安価なおつまみをオススメするとします。
「当店のオススメメニューなんです!」
ここで、お客様が注文されたお客様に対して、次にメイン料理をオススメしに行きます。
「当店人気メニューがこちらなんですが、いかがでしょうか?」

一度、オススメを頼んだお客様は、再度頼もうと思いませんか?

メニュー、広告などの販売促進で使える心理学

販売促進で使える心理学は、店内のメニューやメニュー表でどのように書けば、注文につながるか?食べてもらいたい料理、飲んでもらいたいドリンクに誘導する時に使われます。また、ファンづくりのためにInstagramやLINEなどでお客様へアプローチする際にこの心理学を念頭に発信すると、効果が出やすくなります。

「お刺身6種の舟盛り ¥2980」
「イカのお刺身 ¥580」
「ホタルイカの沖漬け ¥480」
「イカの一夜干し ¥680」

など、高価格帯のメニューの周りに低価格帯のメニューをラインナップすると、「お刺身6種の舟盛り ¥2980」が訴求される効果があります。写真やキャッチコピーのメニューレイアウトの際に利用されます。 

お店の情報をSNSやウェブサイトなどで常に発信し続けることで、頭に残りやすくなり、親しみやすくなっていきます。次第に、信頼され、来店につながりやすくなります。発信頻度や内容により、良いイメージなったり、悪いイメージにもつながります。

「この料理は一度食べたら癖になります!ご注意ください!」

と書かれたメニューって、頼みたくなりませんか?

空間デザインで使える心理学

空間デザインで使える心理学は、空間そのものでしたり、お店に置かれているインテリアディスプレイでしたり、お皿グラスなどの食器関係でしたりします。お客様が感じるお店の雰囲気、イメージをコントロールしたい時に使われます。

「和の雰囲気」や「清掃が行き届いている空間」を見ると、「和食にこだわりありそう」「サービスが良さそう」と無意識に感じてしまいます。
逆に「赤提灯」「焼鳥の煙が充満ししている」のを見ると、「安くて美味しそう」「気軽にスタッフと話せそう」という印象を持つはずです。

お店の外観を見て、店に入った瞬間の雰囲気が一番空間に対する印象は残りやすいです。席について、メニューを見て、料理を頼んだら、あとは友人や恋人との会話に夢中です。空間の印象は、最初に見たものではありませんか?

「ラフな木のテーブルの上に無造作に置かれた料理の隣に置かれたワイングラス」と真っ白なテーブルクロスにキレイに並べられた一品の料理の隣に置かれたワイングラス」では後者のほうが高級なワインが入っているように感じてしまうはずです。 

一つの心理学でもいろいろな所で使える

心理学は多くの項目があります。その項目は、前段で上げた3つの運営や販促や空間の種別の色んな所に入っていきます。一つの心理学が一つの種別というわけではありません。心理学を2つ組み合わせて、一つの効果を出したりします。

飲食店デザイン研究所で使う心理学

ここでは飲食店デザイン研究所で使われている心理学を簡単に説明しています。一覧にしていますので、是非活用してみてください。各心理学の使い方は、後日別途に詳しくご説明したいと思います。 

空間心理学

ハロー効果

人物や物に対して評価を行う時、目に入りやすい特徴があるとその特徴に影響されて全体に対する評価が変化する現象のことです。

清潔感のある身だしなみやお客様の気持ちが楽しくなる明るい接客が、オーソドックスな現象ですが、他にも色々と活用できる心理学です。 

パーソナルスペース

コミュニケーションを取る時の近づくことを許せる、個人周囲の空間のこと。

半径45cm~120cm以内は固体距離と呼ばれ、人は個体距離より内側に接近されると不快に思う傾向にある。人はパーソナルスペースへの侵入を許した相手には親近感を持つ傾向にあります。

アンカリング効果

印象に残ると、物事の判断がその印象に引きずられる傾向にあります。

はじめは980円で販売されていた料理が、ある日1,280円になっていたらずいぶん高くなったと感じます。たとえ根拠のない数字であっても、最初に提示した数字が基準になって値ごろ感を左右します。初頭効果と同時に利用されることがあります。

初頭効果

最初に与えられた情報が後の情報に影響を及ぼす現象です。

店に入った瞬間の雰囲気が一番印象に残っているのもこの効果です。対するものとして、新近効果があります。運営の心理学に記載しています。 

文脈効果

周辺の環境の違いで、対象とするモノの印象を変わる認知心理のことです。

商品自体を変えることなく、商品の価値を変えてしまいます。

販促心理学

バンドワゴン効果(接客)

支持者が多い方に属すると安心感を覚えやすいという心理です。

多くの人がある製品や出来事に対して興味や関心を抱いているのを見た時、自身もその対象に対して強い興味を感じるようになる心理的現象です。

「売り上げNo1です!」や、「今人気のメニューです!」といった多くの人々が好んでいると言った印象与える文句を付け加えると、それを見た人は興味を持ちやすくなります。

スノッブ効果

バンドワゴン効果とは真逆で、多くの人は持っていない自分だけのものが欲しいという心理です。

数量限定や期間限定、販売対象者限定などの商品・サービス展開は、この作用につながり得る販売施策のひとつです。 

ヴェブレン効果

商品の値段が高いほど購買意欲が高まりやすくなるという心理です。

あえて他の商品と比べて高い価格帯の商品をラインアップすることで、高価格の商品がより価値の高いものであることを訴求できます。 

ザイオンス効果

人同士は接触回数が多いと好感度が高まりやすいという心理です。

何度も顔を合わせたり、あいさつを重ねたりするごとに親近感を覚えやすい傾向

SNS等で定期的に情報を発信したりすることが、この作用につながる

カリギュラ効果

「ダメ」と言われたら余計にしたくなるといった心理です。

「この商品は一度使ったら手放せなくなるかもしれないのでご注意ください!」などといったような訴求ができます。 

カクテルパーティー効果

パーティーのような賑やかで騒がしい場所でも自分自身の名前や興味のある話題を見聞きすると、その言葉に意識が向きやすいという現象です。

お店や商品の広告に使われるキャッチコピーなどは、大衆に向けてではなくある特定の客層にだけ伝わる訴求、一部の人に対して効果的に情報を伝えたい場合などに意識します。

ウィンザー効果

口コミやレビューなどの第三者から間接的に情報が伝達することによって、より信憑性や信頼感が増すという心理効果です。

人は他人の意見や評価を気にしやすい傾向があります。食べログが代表例となりますが、お客様の声などをホームページや店頭などで紹介したり、利用者の口コミなどを発信したりすることで、行ってみたくなる効果のことです。 

マジカルナンバー

人が短時間で覚えられる事柄には限界があります。その数は7プラスマイナス2、つまり5~9ほどだとされています。

商品やサービスの特徴や魅力を盛りだくさんに訴求するのではなく、いくつかのポイントに絞った方が伝わりやすいのです。 

決定回避の法則

選択肢が多ければ多いほど、選ぶことができなくなってしまう心理傾向のこと

現状維持の法則

人は特別な理由がない限り、現状を維持して過去と同じ選択をしやすいという法則です。

ツァイガルニク効果

人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象です。

すべての情報がなく虫食い状態や質問形式で答えが知りたくなる仕掛けを作ることをいいます。

バーナム効果

誰にでも当てはまりそうな曖昧なことでも自分のために書かれていると感じてしまう心理現象のことです。何をやってもダイエットを失敗してしまうあなたへ!という広告のキャッチコピーなどがそれにあたります。

クレショフ効果

複数の画像の間に何の関係が無くても、無意識にその前後関係を連想して特定の意味を解釈する心理効果

「笑顔のサラリーマン」と「ビール」を並べた時、「仕事終わりの一杯」を関連をもたせてしまうということです。 

シャンパンティエ効果

身近なイメージを使って例えられると心理的錯覚を起こす効果です。

メニューで「10グラム取れます!」というより「レタスを5個分取れます!」といったほうが食物繊維たっぷり入っているイメージする効果です。 

権威への服従

権威や地位のある人物の命令に対して無条件に応じたり信じてしまったりする心理効果です。

医者がおすすめする食事、著名なフードコーディネーター厳選メニューとかです。

ストループ効果

あか あお きいろ みどり

というように異なる色と意味を重ねると脳にストレスを与えることです。

高い料理なのに、赤文字で金額が書いてあると、ストレスを感じそこから離れたくなります。気をつけなくてないけないことです。 

テンション・リダクション効果

緊張状態が溶けて、気が緩んでしまっている状態のことです。

重要な商談が終わったあと、緊張が緩んでしまったことはありませんか?その時に一杯仕事仲間と飲みに行くと、使いすぎちゃうことがあります。 

プロスペクト理論

人は得したい思いより、損したくない思いのほうが強いという行動心理の理論です。

手に入れないことで、損することも同時に訴えるほうが良いという理論です。

 

フレーミング効果

実質的には同じ意味を表す選択肢であっても、その表現方法などが異なるだけで全く逆の選択をしてしまう現象です。

「果汁20%オレンジジュース」のほうが「果汁以外80%オレンジジュース」よりオレンジが入っているイメージが強く感じます。 

スリーパー効果

信頼性が低い情報源から得られた情報であっても、時間の経過とともに信頼性の低さがもたらすマイナスの効果が消え、コミュニケーション効果(意見変容、態度変容など)が時間の経過とともに大きくなる現象です。

お店の情報をSNSやウェブサイトなどで常に発信し続けることで、信頼され、来店につながることを言います。 

プライミング効果

先に受けた刺激が無意識にその後の考え方や行動に影響を及ぼす心理学的な効果、現象のことです。最初にポジティブな言葉を受けると、それに続く情報もポジティブに捉える傾向にあり、逆に最初にネガティブな言葉を受けると、それに続く情報もネガティブに捉える傾向にあります。

事前に情報を得ておくと、その後の判断が迅速になったり記憶しやすくなったりします。後に影響を受ける刺激を「ターゲット」と呼びます。後続刺激「ターゲット」の処理が促進される効果だけでなく、処理が抑制される場合もあります。 

ハード・トゥ・ゲット

手に入りにくい対象を「あなたのために」「あなただけに」と言って提供することで、相手の自己承認欲や自己重要感を刺激し、興味や好感を抱いてもらう効果があります。

「まかないメニュー」や「裏メニュー」といった、一定の頻度で通っている常連のお客様にしか提供されないメニューを作ることが、お客様には評判がよくなることです。

運営心理学

返報性の原理

好意の返報性とは、相手からなんらかの好意的な言動や行動をされると、自分も相手に対して好意的な印象を持つようになる心理現象です。

自分に対して親切にしてくれた相手に対しては、同じように困っている時に助けてあげたいと感じます。好意を向けられたお客様は好意の返報性という現象によって同じように好意を返したくなります。また、クレームやトラブルのリスクを低下にもつながったりします。

フットインザドア

人は自分が行った行動や言動に矛盾を発生させたくないと考える一貫性の法則を持っています。そのため、最初の提案を受け入れたのに、次の提案は断る、といった矛盾した行動を嫌う傾向にあります。

段階的に提案をすることで、より大きなお願い事も聞き入れてもらいやすくするテクニックがフットインザドアというものです。

ローボールテクニック

最初に魅力的な条件をつけた提案を承諾させた後、その魅力的な条件を取り払うか、条件をランクダウンさせてしまうというテクニックです。

ブーメラン効果

相手を説得するとかえって逆効果になり、説得した内容とは逆の行動や態度を取ってしまうという理論

この料理を食べたほうがいいよ!といったものを注文せず、他のものを頼んでしまう。

スノッブ効果

スノッブ効果とはバンドワゴン効果とは反対に、入手困難なほど需要が増えて、大衆化すれば需要が減る社会心理の現象です。

「みんなとは同じ行動をしたくない!」という差別化する心理が働きます。タピオカブームとなり、増え過ぎたり、みんなが呑み始めると、自分はもういいかな。と思いやすくなる現象のことです。

ヴェブレン効果

商品の価格が高く、それを手に入れること自体に特別な消費意識・欲求が生まれることを指します。

ディドロ効果

「自分が気に入った商品を購入すると、その商品に合わせた雰囲気の物で統一したくなる」という心理現象

飲食店にはあまりありませんが、アニメ系のカフェなどは、グッズ販売をしていたり、カフェラテの写真を撮ったり、交換したりとコレクションをします。このような一つの世界観が気に入り、集めたくなることをいいます。

新近効果

最後に与えられた情報や直前に与えられた情報が印象に残り、評価に影響を及ぼす現象です。

最近の高速取引では、内容を精査する時間などないので、第一印象のインパクトが強い、初頭効果の影響をより受けやすい環境になっていると言えます。

コンコルド効果

これ以上金銭・時間・精神的なエネルギーを注ぎ続けても無駄になることがわかっているのに、それまでの投資を考えると惜しい・もったいないといった気持ちが湧いてやめられなくなる心理状態です。

このメニューと一緒に頼むと1000円になる! ○日でこのポイントが使えなくなります。ということに使えます。

飲食店デザイン研究所の心理学

飲食店デザイン研究所では、このような心理学や行動科学を空間デザインに活用しています。今後の記事で、この心理学と実例に基づき、説明をいたします。是非ご参考にしていただけたらと思っています。

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