【人が集まる店舗デザイン】箱根ドールハウス美術館

物件情報

住所 〒250-0523 神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯84−55
周辺環境 観光立地
物件面積 392.47㎡(118.93坪)
店舗面積 392.47㎡(118.93坪)
竣工時期 2017.03
全体予算 2000万円〜(内装のみ)
※実際にこの物件の内装費用とは異なります。

箱根ドールハウス美術館オーナーからの依頼の経緯・依頼内容

どのように飲食店デザイン研究所を知ったか?

箱根には知り合いの業者がいませんてました。ネットでデザイナーとのマッチングサイトにて知りました。

なぜ、飲食店デザイン研究所に依頼をしたか?

10社以上のデザイナー様からご応募いただき、そのうちの3社様と会いして、ご提案をいただきました。
2社で迷っていましたが、一緒に作っていただける感じがしましたので、依頼を決めました。

どのようなお店を目指すか

箱根ドールハウス美術館は、築30年もの古いフラワーセンターを改装し、今年の4月に本格オープンをしました。改装工事で課題は、日光や自然の風を求める植物園と、薄暗く湿度管理が必要不可欠な美術館というあまりにも正反対なしつらえをいかに機能的にし、美術館としてのこだわりを表現するか、ということでした。しかし広大な敷地に対して予算的に一気に設備投資をすることはできなかったため、売上を立てながらの改装工事を考えていました。
展示での売上だけでなく、滞在時間を増やすためにカフェやショップエリアを無料エリアとし、まわりの自然と寄り添うような居心地の良さを表現しました。今では地元の方々やカフェだけの利用、ショップ商品だけを見に来る方など、リピーターの獲得にもつながっています。また手作り感や温かみのある空間にしたかったので、カフェのカウンターは自分たちで創りました。するとスタッフの間でも思い入れのある空間となり、自然に掃除や大切に使おうという意識が芽生えたような気がします。

依頼内容詳細

【コンペ要件項目】
改装のイメージは、シンプルでモダンですが、歴史や趣を感じさせるようなデザインにして欲しいです。
エントランスの真ん中に大きな木を抜いたあとが穴になって放置されているなど、元植物園である建物の特性をいかしたレイアウトなどにできればと考えています。
突貫工事でオープンしましたため、基礎工事が不十分で雨漏りしている箇所などがあり、そうした部分の改修も依頼したいです。
建物の周辺の駐車場や庭にも手を入れる必要がありますが、一括での対応でなく業者の紹介などでも構いません。

【物件】植物園だった温室をリノベーション
【物件状態】駐車スペース45台分/庭付き/温室
・敷地面積約4,564平米(約1,383坪)
・建物面積約1,494平米(約453坪)
【予算】500〜万円(第1期工事〜長期的に予算を組んでもOK)
【工期】10月までに提案項目まとめ12月〜末より工事開始予定
【その他】
専門的な美術館でありながら、作品に特化せず、衣食住に携わるSHOP展開やCafe展開をしていきたいです。
ワークショップ(家具作りDIYなど広義にわたって)、音楽イベント、野外イベント(ナイトミュージアム企画や箱根町グルメのFarmer’s Marketなど)を企画・運営します。
ある意味複合的な施設としての意味合いがあります。
そうしたコンセプトやテーマ性を重視しながら長期にわたって携わっていただける業者さんを探しています。
【提案スジュール】数社コンペ形式
(プレゼンは事務所所在地のある銀座または箱根にてヒアリングなども可能)
9月初旬〜10月:要項ヒアリング・業者声かけ
10月初旬〜中旬:提案内容製作期間
10月中旬〜下旬:提案プレゼン期間
11月初旬〜中旬:業者・提案内容決定(内示)
11月下旬〜12月:工事開始

飲食店デザイン研究所の提案内容

物件状況、街の周辺環境を見て注意したこと

 

箱根町芦之湯という場所は、芦之湯温泉があります。江戸時代には「箱根七湯」と称された温泉場の一つであり、箱根町の南西部に位置し、箱根火山の上二子、駒ケ岳、鷹ノ巣山、丸山など、周囲を1,000m前後の山に囲まれた高原性の小盆地にあり、国道1号線小涌谷~箱根間約6kmのほぼ中間に位置しています。 

そのため、標高も高いため気温も低く、他の観光施設とも離れています。 

また、近くには「きのくにや旅館」という歴史ある温泉旅館があります。 

鎌倉時代から湯治場となっていたことが複数の文献に記載されており、古くから知られていた温泉地です。さらには、江戸時代の後期になると、湯治だけでなく物見遊山を目的とした「箱根七湯」と名所等を廻る「七湯廻り」が人気を博すようになり、芦之湯を訪れた文人墨客による浮世絵や文芸が創作されました。芦之湯とその周辺には東光庵、精進池、石仏・石塔群などの歴史的および文化的な遺産が遺されており、当時を体験することができます。 

泉質は、箱根温泉では唯一の中性の硫黄温泉で、美肌の湯と評されることも多く、その他硫化水素型の硫酸塩泉などの多数の泉質を楽しむことができます。 

建物は壁も天井も全面ガラス張りの建物でしたので、温熱環境は非常に悪いです。夏は日差しが直接入り、冬は外の寒さがそのまま入ります。 

要望を受けて、何を一番ベストな提案だと考えたか

もともと植物園だったこともあり、壁も天井もガラスの建築物でした。そこのリノベーションですので、まずは機能面を少しでもよくすることが先決かと思いました。 

美術館の展示物を日差しから守り、寒さ暑さを緩和することが必要だと考えました。そのうえで、デザインによるブランディング含めた集客面、イメージ戦略を練ることが重要かと思いました。

具体的な提案内容

 

人里離れた山々に囲まれた環境ということもあり、「ピクニックへ行くような美術館」を考えました。 

美術館はチケットがあり、静かに見るのが一般的であると思います。「ドールハウスミュージアム」は、子供も大人も気軽に入りやすい雰囲気のアートの遊び場のような空間になることをご提案しました。 

そこで3つの建物からできています入口の1つ目の建物に無料で入れるスペースを提案しています。メインは、広場のように階段に座りながら食事をしたり、買い物ができる販売コーナーと兼ねたスペースを提案しました。 

そこに併設されたカフェ。たまに野生のイノシシなどもやってくる庭を眺めながらランチやコーヒータイムでくつろげます。 

また、「中央にピアノを置くことで音楽も楽しめたら、、、」と、館長や副館長といろいろなお話をいただきながら、プランニングを進めていきました。こういったクライアントとの会話から次々とデザインは進んでいくプロジェクトでした。 

コンセプトストーリー

ピクニックスタイルの美術館 

株式会社ピエロタ様のドールハウスを知ってもらいたいという要望により、誰もが気軽に立ち寄れる場とするため、「アートに囲まれたピクニックスタイル美術館」を提案。元々は植物園として運営されていたものを美術館にリノベーション。ガラス張りの建築は、美術品にとって過酷な環境でした。そこで庇を作り、美術館と広場の2つのゾーンを作ることで、誰でも気軽に立ち寄れる場としました。 

デザインストーリーには、「妖精」というテーマを立て、ドールハウスに住み着いている自然の妖精たちが、生み出すアートによって展開されていきます。今回は3棟のうちの1号館を改装いたしました。今後、周辺敷地や他館も含め発展していくことを目指します。

マーケット的な視点

観光地とはいえ、そもそも集客性の低い立地条件ですので、この施設が目的にならない限り、厳しい状況です。

ただ、箱根という街へ車で観光に来るターゲットにすれば、可能性は出てきます。バスの停留所もあるので、完全に電車ターゲットがなくなるわけではありません。

周辺地域のホテルや旅館の宿泊施設との連携やイベントにて誘致することが可能です。そのようなコトが実行可能な空間を用意する必要があります。

建築的な視点

入った瞬間の圧倒的な開放感を感じられる空間が、印象的な施設イメージとすることが必要です。

中央の広場に販売コーナーを設置し、公園のように座れるベンチソファを配置しています。

そことつながるように、ウッドデッキテラスのカフェが一体的に拡がっています。

カフェや展示スペースに庇を設置することで、屋外と屋内が意識的に発生させます。それが、より庇のない空間の天井高さが高く感じられます。

花や植物を腰壁に植えたり、吊ったりすることで、外部の自然を取り入れていきます。

建築物がガラスで出来ていることを最大限に活かしたインテリアデザインとしています。

プランについて

 

このように3つの建物で構成されています。今回の一期計画は、入口導入部の1号館内をメインに計画しました。

展示物は暗い空間で見るものですので、天井壁で外周部分を囲う計画にしています。これは、展示のことだけではなく、外からの寒さ暑さ対策に繋がります。

その外周部の一部をカフェやリクリエーションとして利用できる空間としています。

中央部分に販売コーナーを設置しています。元々植物園の時にあった階段に沿って、陳列什器を配置しています。これは、階段を違和感なく降りながら見れる計画にしてきます。

下まで降りますと、寛げるベンチソファがあります。

ここをライブやイベントのステージにするのが良いと考えました。中央に向かって360°見せるスタイルです。

厨房計画とオペレーション

今回の厨房は既存を利用する計画でした。ただランチをおこなうので、その対策が必要でした。

この場所での運営は、ワンオペにて提供出来ることと、食材が長持ちしないといけないことが重要なポイントとなります。

その上で、メニュー数を絞り最低限で提供することが必要です。

視点のデザイン

 

開放感がどの位置でも感じられるか?を確認しながらデザイン検証しています。お客様がエンドランから奥へ向かうシークエンスが、どのように感じられるのかをデザインしています。

光の検証

昼がメインですが、ナイトイベントも行うとのことで、夜の光の検証も行っています。

庇を作り適切な日陰を作ることも今回の大きな課題ですので、時間を変えて太陽光が入る位置のイメージを検証しています。

コストコントロール

コストにつきましては、今回は箱根界隈の施工業者では、技術的にオーナーの求めるものが実現できない可能性がありました。

そこで、伊豆の知り合いの工務店にお願いしました。

私達自身も2~3週間現場の工事や指示を張り付いて行うことで、コストダウンを図っています。

スケジュール

冬の時期が営業しないために、スケジュールとしましては、比較的余裕がありました。

しかし、天候が雪が降ることも多々ありましたので、搬入含め工程が比較的不透明な状態でした。

そこで、私どもが現場に重要な工程の時に張り付くことで、指示もすぐに出せることになりますので、スピーディーに工事が進みます。

完成後の店舗を徹底検証。「人の集まるデザイン」のノウハウ

入りたくなるデザインとは?

今回は立ち寄るという立地ではありませんので、入りたくなるデザインは特に取り入れてません。

また来たくなるデザインとは?

近隣に休憩所がないため、カフェでの寛げる環境をしっかり整えることで、リピートにつながりやすくなります。

ただ、美術館だけを利用するというより、コンセプト通りに、無料ゾーンである販売コーナーを作ることで、気軽に立ち寄れらようになります。

これが「またちょっと立ち寄ろう」と思えるポイントとなります。この心理は、コンビニや本屋さん、アパレルなどの物販店に近い状況を作り出しています。

この心理こそ、また来たくなるデザインにつながります。

行きたくなるデザインとは?

ホームページでの打ち出しが行きたくなるデザインにつながってきます。

・目的背景のストーリー

・ウェブデザインの世界観

・イベントの告知

・館長のプロフィール

これらの情報を明確伝えることで、興味をわかせます。

オープン後、人気店のカギとなる集客力

多くのお客様が来店している理由

ドールハウスのファンが中心に集まっています。今後は、一般客にもドールハウスの良さを少しづつ知ってもらうことが、集客につながっていきます。

空間へのこだわり

ガラスの建物の中にもう一つ屋根と壁を作っています。

作品を守るためと、暗室を作るためです。

ドールハウス自体に照明がついていますので、暗がりで見るほど、その良さが出てきます。また、ドールハウスを連続して配置することで、まるで小さな街が出来たかなのような印象で見ることができます。

サービスへのこだわり

ドールハウスの繊細な作りを近くで見れるように、手の触れる位置での設置をしています。

元々の植物園の中にあった岩山も列車などのミニチュアを設置することで、世界観を統一しています。

美術館の枠にとらわれず「見る・遊ぶ・学ぶ・作る・集める・旅する」といった6つの楽しみ方に分類しています。さらに歴史教育のツールとしての汎用性も広げていく所存です。

実際に行った人の口コミ

植物園の円形温室をリニューアルした建物のために暗室風にブラックカーテンで各ブースの窓側を覆ってあります(伊豆のニューヨークランプガーデン)と、同じように既存の温室を巧み?に使っています。展示品の中には男性好みの船や飛行船もありました。レトロな温かみのあるドールハウスが展示してありました。
温室の趣が「ハウルの動く城」の中に出てくる皇女とハウルの謁見する温室と、思って一周するのもいかが・・空きスペースに温室を生かした植物を配置すると冬は暖かで、なおいい感じが出ると思います。
スタッフの皆さんの一生懸命さが、とても気持ちよかったです。
概観は、ちょっと昔風のコケが生えていますが中は明るい空間です。
それから、焼きたてのパンを使ったオープンサンドおいしい~ですよ。

2018年3/21~7/22までは
『ドールハウスと文学展』です。
建物がドン引きするほど古くて驚きましたが、内装はいいです。
VRでドールハウス内を見る体験ができるのはとてもよかったです。
あちこち古かったり、なんじゃこりゃ?っていうのもありました。
興味のあるドールハウスだけ観て、楽しく展示を観賞してください。

ドールハウスという自分にとって全く新しい世界に触れることになり、凄くためになりました。単に子供の玩具ではなく、中世において、地図や地球儀の発達によって、物事を俯瞰するという発想に繋がっていることが特に目から鱗でした。途中子供がさわって遊べるドールハウスが置いてあったのが、子連れには助かりました。

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